不毛地帯
- 第二話 -
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壹岐は、すぐさま川又に電話を入れた。川又によれば、新聞記者を使って噂を流し、圧力をかけるのは貝塚がよく使う手らしい。川又は、貝塚が握りつぶした報告書の存在を明らかにしなければならない、とその重要性を訴えた。

そんな折、一度は国会で貝塚を喚問すると約束した大川が、急に態度を変えた。鮫島が大川に金を渡したのだ。そこで壹岐は、総理の側近で国防会議の重要メンバーでもある経済企画庁長官の久松清蔵(伊東四朗)に会いに行く。壹岐は、久松とは旧知の仲だった。久松は、2次防がグラントに決まったこと、総理にはスーパードラゴン1機分ほどの金が渡っていることなどを壹岐に伝えた。それに対して壹岐は、ラッキードF104の調査報告書が貝塚によって握りつぶされたこと、さらにスーパードラゴンが実はたった2機の試作機しかなく、実戦では使われていないことを久松に訴えた。

壹岐は、小出とともに、グラント側から総理派に送金されている通称『G資金』のルートを追い始める。やがてふたりは、G資金の円転換が主に京浜銀行で行われていることをつかみ、匿名で大蔵省に告発文を送りつける。

ほどなく、京浜銀行には大蔵省銀行局の機動検査が入った。それにともない、国防会議も当分の間、延期されることになった。貝塚からそれを聞かされた鮫島は、壹岐の仕業だと直感していた。

ロスに飛んでいた里井は、ラッキード側と交渉し、総理がラッキード支持に変わるための大義名分として、1機あたりの値下げ交渉を進めていた。壹岐は、グラントの価格見積表を入手し、それをラッキード社に提示して新たな見積表を作成させるべきだと提案した。

壹岐から、グラントの価格見積表が必要だと聞かされた小出は、その役割を買ってでた。川又の部下でもある防衛庁の芦田国雄(古田新太)に接触した小出は、機密書類扱いになっている見積表を入手することに成功し、それを複写した。それは、防衛庁内でも10人にしか配られていないもので【3/10】と数字が打たれていた。小出は、その数字が映らないように芦田からも念を押されていた。

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