駅路
- 作品紹介 -
▼喜多麗子プロデューサーコメント
ミリオンセラーでもある原作の『駅路』は、定年やターニング・ポイントなどの時に訪れる人生の"駅路"をテーマにしたミステリーの名作です。
また、脚本は数百編もある巨匠・松本清張氏の小説の中で、奇才・向田邦子氏が手がけた唯一の作品であり、名作を次々に生み出されていた時期に書かれたものです。
そんな貴重な脚本が存在することを発見し、清張氏生誕100年、向田氏生誕80年の記念すべき年に、何としてでも映像化したいと切望しました。
このまたとない豪華な布陣を背負って立つ主演の刑事役には、日本が誇る役者・役所広司さんに挑んでいただきたいと願い続けました。約4年ぶりのテレビドラマ出演です。
この作品のテーマ、『人生の終着駅が見え始めて来たら、人は様々なものを諦めて我慢しながら坦々と生きて行くしかないのだろうか……』ただひたすらに歩んできた人生をふと立ち止まり、幕引きまでの時間を数え始める、そんな"駅路"に降り立ったとき、人はどんな希望を持って進んで行けば良いのか……。
役所さん演じる刑事がある事件をきっかけにそんな自問自答して行く姿は、一秒たりとも目を離すのが惜しいくらい、胸を締めつけられ、存在感が溢れ出てきます。
また、事件の鍵を握る重要なヒロインを演じていただくのは、深津絵里さん。
清楚なイメージが強い役柄からは一転して、定年直後に失踪をした元銀行員の愛人役です。
本妻が夫の帰りを一人で待っている家に上がり込み、何食わぬ顔で旦那の様子を探りにやって来る。本妻は後に、その女性が夫の愛人だったと刑事から聞かされ怒り狂う……。追随する脚本家がいないくらい女の業を巧みに描く向田氏は、そんな原作にはない愛人vs本妻という、止められない女の執著の闘いを強烈でスリリングに描いています。
そして、クライマックスは、役所さんvs深津さんの涙なくしては観られない名シーンが待ち構えています。現場にいたスタッフは涙をこらえるのに必死でした。
この作品は、謎を追うだけではなく、事件を取り巻く人々を色濃く描いた人間ドラマでもあります。
松本清張原作、向田邦子脚本、役所広司主演、杉田成道演出――
約50年のテレビ界でも輝かしい功績を持ち、稀代の才能を兼ね備えた面々。
この緊張感溢れる奇跡的な組合せは二度とお目にかかれません。
是非ご堪能下さい!!お見逃しなく!!
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