誰かが嘘をついている
- あらすじ -
佐藤敏昭(水谷豊)は、妻と二人の子どもを持ち、時計会社の商品開発部に勤めるごく普通のサラリーマン。
秋のある朝、敏昭はいつものように出勤するため、満員電車に揺られていた。電車から降りると、突然スーツの袖を掴まれる。振り向くと、「痴漢……しましたよね?」と女子高生・持田舞(佐津川愛美)が立っている。身に覚えのないまま駅員室に連れて行かれ、警察で事情聴取を受ける羽目になった敏昭は、会社にも家族にも連絡出来ないまま拘留される。
警察から連絡を受け、茫然自失の妻・美羽(宮崎美子)は、就職活動中の長男・貴浩(手越祐也)と高校生の長女・由香(谷村美月)には、帰って来ない父について急な出張だと説明した。
友人の山崎弁護士(モト冬樹)が美羽から連絡を受け、面会にやって来る。無実だと敏昭が説明しても、「ここから出たいのなら否認はするな。罪を認めないと勾留が長引く。裁判にでもなったら99%勝ち目はない。痴漢事件の裁判はそれくらい難しい」と山崎は繰り返し言う。留置場から護送車に乗って検察庁や裁判所に移送され、取調べが始まった。同房の結婚詐欺の常習犯(カンニング竹山)からは、検事や裁判官にも当たり外れがある事や、自分にかけられた容疑が「強制わいせつ罪」という事と教えられる。会社の上司・阿藤(浅野和之)と部下の三浦(山本未來)も敏昭を訪ねて来て、十日間の勾留期間で出られるなら何とか社内はフォローするから罪を認めるよう説得される。
その頃、佐藤家に家宅捜索が入っていた。帰宅した長男の貴浩は、その異常事態を目の当たりにし、母に詰め寄る。やむなく事実を説明する美羽。しかし年頃の娘、由香には言えずにいた。美羽は、一緒に闘ってくれる新しい弁護士を探していたが、誰にも相談出来ないストレスから敏昭に思わず愚痴を溢してしまい、口論となってしまう。互いに不安と恐怖が限界に来ていたのだった。敏昭は虚しさと孤独感を抱えながら、物的証拠も出ないまま拘留期限を迎えようとした、そんなある日、同房で同じ痴漢容疑で拘留されていた直木(荒川良々)が留置場を出て行く事になった。相手の女性と示談が成立したのだという。だが真相は違うと、敏昭だけに真実を話し、直木は家に戻って行った。
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