笑顔をくれた君へ
〜女医と道化師の挑戦〜
しかし、単に騒々しいだけで、治療にも支障をきたすことをあんじる光代は断固反対。
多佳子の案は受け入れられることなくKも病院を後にした。
だが、クラウンKが去った後、子供たちの中に大きな変化が見られるようになった。
点滴嫌いな愛華(赤地幸菜)が針をこわがらなかった。無表情だった翔(中村柊芽)が笑うようになった。母がこないことをごねて周囲を困らせていた勇司(小林廉)が素直に食事をした。
すべてはクラウンKが与えた、ささやかな贈り物のおかげだった。
だが、そうと分かっても母親たちや光代の強い反対の声は、クラウンKを病室に入れることを拒否し続けた。そんなある日のこと、美里、勇司ら四人の子供たちが病室を抜け出すという事件がおこった。
無断外出のわけは、裏山にあるという看護師長似の四角い石に願い事をするためだった。
結局これもクラウンKが作って子供たちにしたお話だとわかった時、親たちの間からは再びクラウンKを拒否する意見が再び巻き起こった。
しかし、この時上がった子供たちのクラウンKに来てほしいという強い願いは、母親たちの反対を押しのけることに成功。光代も渋々、多佳子にクラウンK受け入れをOKしてくれた。
多佳子は、笑顔のある病棟で治療に専念してくれる楽しい病院の理想に前進できたことを喜んだ。もちろんその思いはクラウンKも同じだった。
だが、その一方多佳子には厳しい病院経営継続の危機が突き付けられてきた。
医療法人愛葉会は、本年度の決定事項の中に櫻井小児病院の廃止をあげている。
ようやく見えた理想の病院作りの前にたちはだかる厳しい現実に、苦悩の色を浮かべる多佳子…。
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