笑顔をくれた君へ
〜女医と道化師の挑戦〜

◇あらすじ

「医療法人愛葉会 櫻井小児病院」の門を救急車両がけたたましいサイレン音を響かせながらくぐっていった。
急患で運ばれてきた木元美里(加藤美月)は喘息の発作を起こしている。
院長で小児科医師の櫻井多佳子(常盤貴子)は、後輩の山本(上地雄輔)に後を託して診察室に入ると、迅速な処置で美里の発作を治めた。その後多佳子は付き添いの母・貴美子(奥貫薫)に、様子を見るための入院を進めたが、貴美子はいい環境を求めて東京からこの地には来たが、東京の大学病院に比べると設備もおぼつかない個人病院の様子に入院をためらっていた。 何とかそんな母親を説得し入院を決意させる多佳子。

その直後、多佳子は医療法人愛葉会の大野勝彦(佐野史郎)の訪問を受けた。
これまでにも度々多佳子を訪ねていた大野の話は、多佳子の父の時代と同じように、櫻井病院を外科と内科に戻すようにいうものだった。
五年前に父から病院を受け継いだ際、多佳子は自分の専門の小児科に病院を変えた。
しかし、昨今減少傾向にある小児科に将来を見いだせないと考える大野は、資金面のこともあり一刻も早く病院を元の体制に戻すよう進言してくるのだ。
だが、多佳子にはどうしても譲ることができずにいた。と、その時だった。
「院長、大変です!ピエロがっ!」と看護師のさやか(ちすん)が飛び込んできた。
そしてさやかと慌てて駆け付けた病棟で、騒動の元である'ピエロ'を見つけた多佳子は、満面の笑みで思わず叫んでいた。「ほんとうに来てくれたのね!!」
それはあるイベントでその姿を見て、これはうちの病院に必要な人と直感し多佳子が招いていた道化師・クラウンK(宮迫博之)だった。 笑顔の多佳子の傍らでは、病室の静寂を打ち破った侵入者を睨む看護師長・山際光代(泉ピン子)の苦虫をつぶしたような顔があった。 その後、多佳子は、光代や事務局長の酒井(金田明夫)に、クラウンKに協力してもらい子供たちに笑顔を取り戻してもらいたいという構想を説明した。 欧米では広く認知されているホスピタルクラウンを、ここでも実施したいと考えたのだ。

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