ブザー・ビート
<Story 01>

そんな折、練習場を訪れた直輝は、アークスがチームの補強のために獲得に乗り出していた代々木廉(金子ノブアキ)に出会う。廉は、菜月や川崎とともに、練習施設を見学に来ていた。そこで廉から挑発された直輝は、彼と1オン1の勝負をする。が、結果は廉の勝ちだった。

莉子は、オーディションを受けるために、中西のスタジオを訪れる。が、そこで中西から服を脱ぐよう求められた上、実力がないくせにプライドだけは高い、などと侮辱された莉子は、思わず彼を殴り飛ばしてしまう。

莉子が泣きながらアルバイト先の書店に戻ると、そこに川崎の姿があった。川崎は、理想の自分と現実の自分とのギャップに悩む莉子に、悩むのは若者の特権だが、悩むよりもっと人生を前向きに楽しむべきだと助言すると、ライブのチケットを手渡した。

夜、菜月は、足利やチームの仲間たちとともに、廉を誘って飲みに行く。足利は、どうしても廉をアークスに入れたいらしい。直輝は、菜月からの電話でその席に誘われたが、それを断る。菜月は、そんな直輝に、足利に頭を下げてもう1年アークスで頑張ったほうがいいと思う、と助言した。しかし、プライドを傷つけられた直輝は、とにかく今日は行かない、とだけ答えて電話を切ってしまう。

その晩、直輝のもとに他チームからの連絡はなかった。真希子の後押しもあって決意を固めた直輝は、自転車で菜月たちがいる店へと向かった。

同じころ、菜月は、明日は朝から出張だから、と言って先に店を出ていた。その後を追いかけた廉は、菜月を抱き寄せて強引にキスをする。

店に到着した直輝は、菜月が先に帰ったことを知る。

そこで直輝は、もう1年アークスでやらせてほしい、と足利に頭を下げた。

店を出た直輝は、いつも練習をしている公園に立ち寄る。公園では莉子がバイオリンの練習をしていた。しばらく演奏を聴いていた直輝は、莉子が弾き終えると拍手をした。直輝がバスケットボールを持っていることに気付いた莉子は、もう終わりにしようと思っていた、と言って場所を譲る。さっそくシュートの練習を始める直輝。そのドリブルの音こそ、莉子がいまの部屋に引っ越して以来、ずっと気になっていた「C=ド」の音だった。華麗なシュートを決める直輝の姿に、思わず「キレイ!」と叫んでしまう莉子。直輝は、照れくさそうに「いま、スゲー嬉しかった」と返した。莉子から、バスケの選手なのか、と尋ねられた直輝は、全然まだまだだけど、と答えた。「ギャラも少ないし、ファンとかもいないし、上手くいかないことばっかで…」と直輝。莉子は、そんな直輝の肩を叩いて励ますと、こう言った。「私があなたの最初のファンになってあげる」と――。

あくる朝、莉子は、例のドリブルの音で目を覚ます。窓の外から公園をのぞくと、直輝がもくもくとシュート練習をしていて…。

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