鹿男あをによし
ストーリー
《7/7》

するとそのとき、暗闇のなかから影が現れ、走ってくる電車の前をポーンと跳ぶのが見える。そして、何者かの手が"目"を掴んだ次の瞬間、小川と藤原の頭上を越えて、その影がザザッと着地する。恐る恐る顔を上げた小川が見たのは、鹿にまたがり、"目"を掲げた堀田だった。想像もし得ない出来事に、言葉も出ない小川に堀田は得意そうな声で言う。「マイシカです、先生」と。

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