鹿男あをによし
ストーリー
《6/6》
試合開始の合図があり、奈良と大阪の先鋒同士が竹刀をあわせる。しかし、その差は歴然で、奈良は次々と負けを取られてしまう。そして、大阪1人目の先鋒に、奈良は4人目の副将・佐倉が対することに。佐倉は素早く面を叩くが、そこから追い詰められ、引き分けに終わる。それまで、無言で戦況を見つめていた堀田が、ついに立ち上がる。静かにコートに入り、2人目の次峰と向かいあう。しばし、間見合った後、堀田が一歩を踏み出し相手の胴を抜く。その素早さは、審判が慌てるほどだった。その後も、鮮やかで鋭い剣さばきで、あっけなく堀田が次峰を負かす。歓喜の声をあげる藤原を制しながらも、思わず頬が緩む小川。しかし、面を外して頭の布を直している堀田は、まったく表情を崩さない。そして、瞬間、振り返るとそこにいた小川に、キッパリと言い放つ。「大和杯、取りますから」と。小川は、その真剣な眼差しを無言で受け止め――。
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