天河伝説殺人事件
- あらすじ -
水上家。能の名家である水上流一門が広間に勢ぞろいしている。上座の十九世宗家和憲(神山繁)。嫡男・和春の未亡人・奈津美(山口いづみ)、その子の和鷹(東根作寿英)と秀美(田中美里)、分家筋の長老・高崎義則(唐十郎)、高弟たちが居並ぶ。高崎が「水上和春七回忌追善能」の演目を発表する。「道成寺」は和鷹、「二人静」は和憲と秀美だという。そして、和憲は追善能を終えた後、天河神社の奉納舞いをもって、退くというのだ。
奥座敷。高崎が和憲に跡目の二十世は誰にするのかと聞く。宗家の跡目は和鷹なのか、秀美なのかと。「能楽に女は無用。女の宗家など前例がありません…」という高崎に、奈津美が「前例がなければ作ればよいではありませんか」と言う。
追善能の当日。楽屋で和憲が口から蛇の舌を出した古面「蛇の面」…いわゆる「雨降らしの面」を和鷹に授ける。室町時代の作で、この面を使うと必ず雨が降ると伝えられ、秀吉が「お留め面」(使用を禁じられた能面)にせよと命じたという言い伝えがあるという。和憲は和春の供養として、和鷹が「蛇の面」をかぶることを特別に許したのだ。高崎や高弟の竹宮(菊池隆志)は、「雨降らしの面」をかぶる和鷹が次の宗家なのか、宗家の「二人静」の相手を務める秀美が次の宗家なのかと戸惑う。
[次へ]
0.TOP
(C)フジテレビジョン