明智光秀
-あらすじ-

家族の元に戻った光秀の表情に苦悶(くもん)を感じとったひろ子は、以前光秀から贈られた小さな仏像を取り出して見せた。比叡山攻めを目前に、光秀は複雑な思いでその仏像を見つめた。そして数ヵ月後、織田軍の総大将として比叡山焼き討ちを決行した光秀は、秀吉にだけはその作戦を伝えなかった。作戦を邪魔され手柄を取られたくなかったのだ。しかし、琵琶湖の対岸の長浜にいた秀吉は、比叡山に火がつくのを見るやいなや、遅れをとってはならぬと自らも出陣を決意する。陸を走ったのでは間に合わないと悟った秀吉は、漁師たちから舟を買い上げ琵琶湖を渡って進軍。見事比叡山に辿(たど)り着いた秀吉に驚愕(きょうがく)する光秀。後ろめたさを覚える光秀に対し、とがめることをしない秀吉に、光秀は武将・秀吉の大きさを感じるのであった。

比叡山の功により、光秀は信長から近江坂本城を与えられた。ようやく家族一緒に暮らせる城を得たのである。しかし、これは束の間の幸福であった。天下布武に突き進む信長の勢いは、止まるところを知らず加速度を増していく。それに伴い光秀の運命の歯車にも微妙な狂いが生じてゆくのであった。そして、織田家と日本の行く末を案じた光秀の脳裏に、一つの考えが浮かぶのであった…。

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