ハチワンダイバー
-第4話-
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受けて凌ぐか、攻め合うのか、動きが取れなくなった菅田は、再び"ダイブ"を試みるが、手を見つけることができない。半ば諦めの境地に入りながらも、「玉」の逃げ場が多いという利点を生かし、なんとか攻めに転じようと、「歩」を返して「と金」を指す。これに触発された文字山は、オチをつけるべくいよいよ激しく駒と話しはじめる。そして、「なるなるなるなるなるなるなる」と呪文のように唱えると、手にした「歩」を「と金」に変えて指し返す。あと3分ほどで結末を迎える劇的なストーリーの、最大のクライマックスに突入したことを感じて、菅田は武者震いをする。刻々と時間が迫るなか、文字山は「ここからのストーリーは決めている」と不敵な笑みをこぼすと、「飛車」を指す。いきなり、「王手」に来たのだ。息の根を止められる前に「飛車」を取りたい菅田だが、取れば完全に飲まれるかもしれず、かといって下手にかわせば、「穴熊」につぶされかねない。「穴熊」の最強の守りが邪魔をして、「王手」をかけることもできない菅田は、身動きが取れない。

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