ハチワンダイバー
-第2話-
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一方のマムシは鋭い将棋で、じわじわと菅田を追い詰める。それはまるで、ヘビが獲物を絞めるときのような執拗さだ。焦る菅田は、ダイブを試みるがやはり潜れない。持ち時間が少なくなるなか、菅田はなんとかいい筋を見つけ、力強く駒を打つ。ところが、マムシはこれを一笑。逆に「棒金(ぼうきん)戦法」と呼ばれる必殺技で、襲い掛かってくる。マムシに完全に飲み込まれてしまい硬直する菅田を、マムシはあざけ笑いながら、真剣は賭博という立派な犯罪で、それに手を染めている菅田は、すでに人生を踏み外していると宣告。

その言葉に、菅田は自分が堕ちるところまで堕ちてしまったと感じる。金のためにわざと負けることを覚えて、こんなところに来て将棋を指している――それは大好きな将棋を汚す行為以外の何物でもない。自分には将棋しかないのに、何と言うことをしてしまったのだろう…。強い悔恨の気持ちを感じると同時に、心の底からもう一度、将棋盤に潜りたいと思う。その瞬間、菅田は深く深く潜っていく――。

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