プリンセス・ダイアナ
最後の瞬間
〜衝撃の死10年目の謎に迫る〜
"ダイアナ妃が事故にあった"とのニュースは、時差に関係なく、大ニュースとして世界中を駆け巡った。事故が起きたトンネルからそう遠くない、シャンゼリゼ通りにあるフジテレビの支局にはAが張り付き、随時支局から中継で東京に情報を入れていたが、「ダイアナさんは自分の足で歩いている、との情報もある」というように、情報は錯綜していた。
そのうち、AからKに「ダイアナさんが運ばれた病院に行って」との指令が飛んだ。支局のカメラマンの運転する車でサルペトリエール病院に向かった。途中、そのニュースを流し続けるラジオに耳を傾けていたカメラマンが「えっ?」と声をあげて、赤信号を通り過ぎた。「レディーDが亡くなった」って言いませんでした?と慌てながら。「フランスではダイアナさんのことをレディーDと呼ぶのだ」という解説付きで。
Kは何の根拠もないまま、同じ女性として憧れていたダイアナさんの生存を信じたい気持ちで「そんなはずありませんよ」と言った。しかし、ほぼ時を同じくして、AからKに「ダイアナさんが亡くなったそうだから急いで」との連絡があった。
病院に着いてみると、既に世界各国の中継車がものすごい台数、集まっていた。病院の中をうかがい知ることは出来なかったが、もれ聞こえてくる情報で中継リポートをしているうちに、いつのまにか夜が明けた。亡くなったのは紛れもない事実だった。
そして、その日の夕方、ダイアナ妃の遺体は王室の旗に覆われた棺に入れられ、病院を後にした。チャールズ皇太子に付き添われて。あっという間の出来事だった。
あれから10年、Kは節目のこの番組に関わっている。今でも、あの日の、あのメチャメチャに壊れた車にダイアナ妃が乗っていたとは信じられないままに…。
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