Dのゲキジョー
〜運命のジャッジ〜

舞台初日。300席ある劇場に訪れたのはたったの5人。
しかし、たとえ5人でも来てくれたお客さんのためにと全力投球で3時間半の舞台を繰り広げる。公演の間は花魁姿で街頭に立ち続けた。すると誠の誠意が伝わったのか徐々に客足は伸び始め、1ヶ月後の千秋楽には大入り満員になった。

劇場での公演を成功させた誠は『生きる博多人形』のキャッチフレーズで新聞などに大きく取り上げられていった。その活躍が認められ、大御所・山田五十鈴さんと共に演劇の聖地帝国劇場で共演。さらに山田さんと芸事上の養子縁組を結び、十朱幸代さんや市川正規さんとともに演劇界を代表するファミリーの一員となった。

女形と立役を早変わりで演じる『四谷怪談』、演劇史上初200人の大殺陣が話題となった『雄呂血』などそれまでの演劇の常識を変える舞台を次々と公演。こうして一座の座長として成功をおさめていったのだが、その裏には自らの劇団の成功と引き替えに下した苦悩の決断が隠されていた。

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