それから1ヵ月後。
夕日も暮れかけたお台場で今僕はひとり、この街に別れを告げに来ていた。
僕は明日、北海道へ旅立つ。
A子のことは少し待たせてしまうけど、ひと回りもふた回りも大きな男になって必ずA子の元に帰って来る。そしてその時3人で一緒に住もうと約束した。まずは恩返し第一弾としてA子の花嫁姿をお母さんに見せてあげることにした。
僕はこの「お台場」という街が大好きだ。
光り輝く煌びやかなイルミネーション。
忙しない大都会東京を一歩引いた目で見ることができるロケーション。
ショップの店員さんもみんな優しくてあったかくしてくれる。
A子との思い出もたくさん詰まった宝石箱のような街。
そして僕を男として成長させてくれる街。
今日もこの街では素敵な出会い、ココロに残る思い出、そして別れ…など、様々な出来事や想いが目に見えない愛の電波として飛び交っているのだろう。
僕は最後に大観覧車のネオンを眺めながら東京テレポート駅のエスカレーターを降りる手前で、お台場に向かって一礼した。
ありがとうお台場。そしてまたいつか戻ってきたい。
今度は誰がいつこの場所で僕達みたいな物語を生みだすのだろうか。
完
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