胸騒ぎの予感を秘めた真夏を前に待ちに待ったA子の帰国!
ミヤザキくんの踊る心と波瀾万丈な恋ロードの行方は誰ぞ知る・・・・?!

【 第 一 幕 】
ロンドンに留学したA子を見送ってから数ケ月。今日は同じ場所で、A子の到着を待つ。あの時との大きな違いは連日の真夏のような強い日差し、そして湿度と暑さだろう。まだ平均気温が15度程のロンドンに比べたら、きっと驚くくらいの温度差なんじゃないだろうか。
予定時刻に少し遅れて、彼女がゲートから出てきた。ほんの数ケ月離れていただけなのに、なんだか同じようで違うような不思議な気分だ。
「ごめんね。待たせちゃって」
「ううん、何事もなくて安心したよ。最近のニュースは物騒な事件が多いからね。長旅で疲れたでしょ」
「早く帰って家の布団で眠りたいな」
「そうだね。今日はゆっくりしたほうがいいよ」
A子のスーツケースを引き受けて空港専用のバスに乗り込んだ。
「日本はもうこんなに暑いんだね。今日はわざわざ来てくれてありがとう」
「全然、とりあえず落ち着いたら連絡してよ」
「わかった。本当にありがとう」

数日後…
A子と久しぶりの、本当に久しぶりのデート。今日はとっておきのプランを立てている。A子のロンドン滞在中にもらったメールに書かれていた桟橋を巡るボートクルーズからヒントを得た台場クルーズデートだ。もちろんA子には秘密にしている。
いつもとは違い『ゆりかもめ新橋駅』での待ち合わせ。早めに着きすぎた僕に気づいてA子が近づいて来る。
「お台場に行くならいつもみたいに、台場駅とか東京テレポート駅でよかったんじゃないの?」
「今日は"ここ"でいいんだよ」
『?』マークを表情から消しきれないままのA子に、思わず喋ってしまわないように注意しながら『ゆりかもめ日の出駅』で降りた。
「え、まだぜんぜん台場まで遠いよ」
「いいからいいから」

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