#115 スタッフからのメッセージ

■取材前、現地のスタッフに「リュバルブってどんなものですか?」と聞いたところ「野菜ですが果物扱いです」と教えていただきました。写真で見る限りでは、フキ、セロリ、ウドに似た繊維質な印象。果物扱いと聞いて一体どんな味がするのだろうかと想像しようにもなかなか味のイメージも浮かんで来ず、現地に行くまで色々考えていました。日本では大黄(だいおう)と呼ばれ、漢方薬の一種で解熱、整腸作用として用いられるもの。そんな漢方薬に使われるものを、聞けばフランスではタルトに使ったり、コンポート、ジャムなどお菓子に使われたりすることが多いとか。やはり甘い味がするのだろうか……など色々想像を膨らませていました。
現地に行って取材をしてみると、町の八百屋さん、スーパー、市場とあちらこちらにリュバルブが売られていたのです。これには、びっくり! こんなにもフランスではメジャーなものだったのかと思いました。とはいえ、リュバルブは季節もの。夏から秋にかけてしか楽しむことができないのだとか。そこでレストランでは季節のメニューとしてリュバルブを使ったデザートを出すお店も多く、フランス人はメニューにリュバルブが書かれていると「もうそんな時期か」と思うのだそうです。取材中、とあるお店でリュバルブのジュースをいただく機会がありました。そこでいただいたリュバルブジュースの味は……あら、意外においしい!というのが正直な感想でした。100%リュバルブ、ピンク色をしたそのジュースは、飲んだ瞬間爽やかな甘酸っぱさが口の中に広がる感じで、後を引くおいしさ。丁度、沖縄のシークワーサーとグァバを足したような味……というとわかりやすいでしょうか。あのフキのような形からあんな甘みが出るのは目からウロコです。
しかし、畑で採れたばかりのリュバルブはさぞおいしいかと思い、そのままかじってみると……「し、渋い……」まだ熟れる前の果実の味がしたのです。収穫してくれた農家の方は「生のままはスライスにしてサラダにしたりするけど、大体は火を通して食べるよ」と教えてくれました。火を通すことで渋みが甘みに変わるのだそうです。
さて、一般家庭の料理好きの奥さんたちもこの時期にはこぞってリュバルブを買い込み、お菓子を作ります。作っていただいたリュバルブタルトは甘酸っぱさが丁度よく、レモンタルトに味が似ていてとても食べやすく、おいしかったです。食物繊維やビタミンも多く含むのでみなさんも見かけたら是非試して欲しい一品です。

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