#104 スタッフからのメッセージ
■ある資料によると、ヌガーとは木の実を砂糖や蜂蜜で固めたお菓子の事をそう呼ぶのだそうで、ラテン語、nux「クルミ」、俗ラテン語、nucatumからプロヴァンス語、nogat「クルミの絞りかす」が派生し、nugat「ヌガー」となったのだそうです。語源にもなっているように、ヌガーは、そもそもクルミを使って作られており、その原型は古代ローマ時代に、既に登場していました。今回紹介したヌガーの始まりは、16世紀にオリヴィエ・ドゥ・セールという人物が、それまで材料にしていたクルミを、この地方特産のアーモンドに置き換えて作ったこと。更に、アーモンドと砂糖、蜂蜜だけで作り、茶色い色をしていたものに卵白を加えるようになり、現在の白いヌガーが生まれたということでした。
モンテリマーへ向かって車を走らせていると、この町がヌガーで有名な事が良く分かります。高速道路を降り、町の中心へ向かう道筋には、前へ進めば進むほど、ヌガーの看板が増え、また、店も多くなってきます。そして町の中心には、ヌガーを売る店が並び店先にはたくさんのヌガーが山積みされています。今回紹介した、この町で一番古い工場の向かいにもヌガーを売る土産屋があり、そちらは、修学旅行の子供達で一杯だったのですが、工場の社長曰く「実は、向かいの店の方が、うちの店より少し安いんですよ。でも、うちは、その分、アーモンドや蜂蜜など地元の材料に拘っているから…」と自信ありげに話していたのが印象的でした。
一口試食させて頂いたヌガーの味は、それまで抱いていた「ヌガーは甘くて、歯の裏にくっ付いて食べ難い」という印象とは違い、程よい甘さで、歯の裏にくっ付くような嫌な粘り気も無く、その上、香ばしいアーモンドとピスタチオの味と食感が加わり、「これが本場のヌガーの味なんだ…」と改めて思わされました。聞けば、この町のヌガーには必ず全体量の30%以上のアーモンド、もしくは28%のアーモンドと2%のピスタチオが入っているそうで、その味と食感がヌガー・ド・モンテリマーの決め手なのではないかと思います。これだけ一生懸命町を挙げて作り、自信を持ってモンテリマーの味として謳いあげているお菓子なのですから、フランス大統領にもなったエミール・ルベが外交の際、各地に土産として持参した気持ちも、ちょっと分かるような気がします。
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