金曜エンタテイメント
直木賞受賞作品
ドラマ特別企画
『空中ブランコ』

〜個性豊かなキャラクターたちを演じてくださったキャストの方々について〜

■阿部 寛さん(伊良部一郎役)
当初は、何を着ても格好良く決まってしまう阿部さんを、いかに油ギッシュで「格好の悪い」人物に仕立て上げるかが課題の一つと思われましたが、眉毛や髭の濃いメイク、ご本人の作り出す不気味な表情、薄ら笑い等で独特な「伊良部」像が出来上がっていきました。二枚目にも三枚目にもなれる幅の広さや、暖かさが感じられる人懐っこい笑顔に、誰もが惹きつけられる。「伊良部」役は阿部さんでしかあり得なかったとさえ思います。寒さの厳しいサーカステント内での撮影も、不満の色一つ見せずに、サーカス衣装やジャージ姿でブランコ等をチャレンジしてくださいました。何よりも、阿部さんご自身が、「伊良部」というキャラクターを大変面白がって演じてくださいました。

■釈 由美子さん(マユミ役)
伊良部の相棒・奇抜なナース役。初のナース姿で、台詞は少ないが十分な存在感を発揮していただきました。現実離れせずに地に足のついたキャラクターでありながら、どこかファンタジックな雰囲気をかもし出しているのは、釈さんならではの味だと思います。お色気たっぷり、でもクールな印象というバランスも絶妙です。伊良部の横で、色々と細かい動作をしている彼女に注目です。裏設定としては、彼女はニンジンが嫌いで、それがわかるシーンがありますので(笑)、是非見つけていただきたいです。

■堺 雅人さん(山下公平役)
空中ブランコのフライヤー役。ある意味、本作品のもう一人の主役と言っても過言ではないかもしれません。撮影時間は、堺さんが一番多かったと思います。当初の予定よりも、ご本人でお願いする実際のスタントアクションが増えてしまい、堺さんには色々とご協力をいただいてしまいました。「運動はあまり得意ではない」との発言の中、花形フライヤー役を見事に演じてくださいました。また、「公平」の抱える心の闇の部分、自分を他人にはわかってもらえない焦燥感が細やかに深みをもって表現されています。厳寒の時期、撮影前から何度もサーカステントに足を運んで、練習を重ねていただきました。撮影終了まで、舞台稽古のスケジュールと平行しての日程だったので、肉体的に相当ハードであったはずです。それでも、必ず終わった後は笑顔を振りまいて去っていく方でした。本当に感謝、です。堺さんによって素晴らしい「公平」が創り上げられました。

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