…八つ墓村…

■インタビュー■
田治見小竹
┗江波杏子

□岡山ロケはいかがでしたか?
■ロケでは、先ほど言ったことを痛切に感じました。まず、家が立派で、象徴的なのはお墓が全部表に向いているんです。どういうことだと思います? どこの集落に行っても、建物が実に立派でお墓が綺麗。だから、現地の方に伺ったんですよ。"どうしてあんなに立派なの?"って。そうしたら、その能力がない人は土地を離れてしまうんですって。ちゃんと家を、お墓を守れる人が残る。それが、住人のアイデンティティーなんですね。また、岡山でエキストラ参加してくださったみなさんが、お葬式のシーンで着ていた黒紋付やモーニングは、全員自前だったんです。しかも、先祖代々受け継がれた服かと思ったら、そうではなく、自分用に作ったもの。もちろん、ドラマ出演のためでもありませんよ。立派ですよね。ですから、そういう格式あることが現在もキチンと執り行われているんです。日本は、こういう国なのだと改めて思い知らされました。

□確かに家屋も素敵で、風景も綺麗な場所ですね。
■私、ロケ中に一日、レンタカーを借りたんですよ。みなさんと別行動して、岡山の駅まで帰ったんです。そうしたら、もうそれは夢の世界。"桃源郷"とは、こういうところなんだろうなと思いました。夕方、峠を越えるとフッと、そんな集落が現れるんですよ。畑仕事から帰ったおばあさんが、縁側に腰を下ろして…。少し霞みがかった夕景に、一筋の煙が立ち昇って…。演技かな? と、思ってしまうぐらい美しい風景。それが、ひとつじゃないんですよ。また、次の峠を越えると現れるんです。

□小竹を演じる上で考えられたことは?
■最初は、顔を白く塗っているので、お歯黒にしようかと思ったんです。ストーリーや岡山の日本家屋に感じられる"光と闇"の闇を表現しようかと。だけど、さすがにやりすぎかな? と、辞めたんです。

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