STORY ストーリー

世界的な評価を得ながらも創作への情熱を失い、山奥のアトリエで家具の修理を請け負いながら孤独に暮らす職人・柊恒一(吉田鋼太郎)。若くしてイタリアへ渡り、国内外で高い評価を得たものの、自らを一人前だとは思えず、かつて恋心を抱いていた同級生・薫と交わした「一人前になったら、必ず帰ってくる」という約束も果たせずにいた。

ある日、就職活動中の大学生・守谷夏樹(中島颯太)が、「祖母の大切なものを壊してしまった」と、割れたウイスキーグラスを持って訪ねてくる。

一度は追い返そうとする柊だったが、夏樹の祖母・薫が、かつて本心を伝えられないまま別れた幼なじみだと気づく。そのグラスは、柊が若き日にイタリアへ旅立つ前、「帰国したら一緒に飲もう」と薫と交わした約束の品だったのだ。「元通りにならなくても、傷ごときれいにしてほしい」――夏樹のまっすぐな言葉に動かされ、柊はグラスを金継ぎで修復することを決意する。

割れたグラスの欠片を丁寧につなぎ合わせる時間を通して、過去にとらわれ新作を作れずにいる柊と、カメラを仕事にするか迷う夏樹は、世代を超えて少しずつ心を通わせていく。やがて、柊と薫の間にあった40年前の約束と、ある真実が明らかになる。

戻らない時間、壊れてしまった関係、伝えられなかった思い。完全には元に戻せなくても、新たな形でつなぎ直すことはできるのか。2人の出会いが、止まっていた時間を再び動かし始める――。

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