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それぞれの『平成』。

選択肢がとても多い時代だと思います。
ただ、選べる道がたくさんある分、自分の正体を上手く測れず、結局、何者にもなれなかった自分というものを心のどこかに持て余しながら過ごしてる人がたくさんいる時代なんじゃないかと思います。

岡山天音
平成役

本作が民放ドラマ初主演。初の主演作でもある『中学生日記シリーズ・転校生』(NHK 2009年8月29日)で俳優デビューをし、特徴的なルックスと変幻自在の演技力で、数々の映像作品で唯一無二の存在感を放ち続けてる。2018年には伝説的恋愛漫画の実写ドラマ『I”s』(BSスカパー!)や、映画「神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-」など続々と主演作が控えており、今、最も目が離せない若手演技派俳優。

私にとっての平成は、楽しいことに意欲的な世代に見えます。SNSだったり便利なものが増えて、人の輪も広がって。だけど反対に、進歩すればするほど何かが失われていっているような気もします。簡単に幸せにもなれるし、簡単に人を傷つけることもできる。ある意味とても不自由な時代なのかなとも思います。

松本穂香
結役

今年、女子高生役を演じたauのTVCMが放映されるやいなや「かわいすぎる!」と話題沸騰したことが記憶に新しい松本は、デビュー3年目ながら、すでに映画、TVドラマから引っ張りだこ。2017年はTVドラマでは『ひよっこ』(NHK 4月~9月)や『コウノドリ』(TBS系 10月~12月)など7本もの作品に出演。映画では、2018年公開になる出演作「恋は雨上がりのように」など3作品が控えており、今、最も将来を期待されている若手女優。

親が結婚した時
お姉ちゃん二人が生まれた時
わたしが生まれた時
恋をして失恋した時
わたしが実家を出た時
東京に暮らし始めた時

片山友希
紡役

2014年にロックバンド・ココロオークションのMV「蝉時雨」に出演。YouTubeに公開されると200万回再生を超え、片山の演技に胸キュンする視聴者が続出するなど大きな話題に。その後『べっぴんさん』(NHK 2016年10月~2017年4月)や『セトウツミ』(テレビ東京系 10月~12月)などの出演で注目を集め、2018年は映画「いぬやしき」といった大作への出演が控えるなど、今、最も躍進著しい若手女優。

選択肢がありふれている時代。何を選択してどう進んでいくか自分次第になってくる。だから、震えながらでも自分と戦う。ひょっとしたらこじらせてしまっているのかもしれないけど、そのこじらせも魅力に見える時代だと思うから。時代に圧倒されたくない。そんな中で力強く仁王立ちしていたいです。

小川あん
夏希役

物質的に足りないものがどんどんなくなって、その分形にならないもの、何が 大切なことなのかを、それぞれが探し求めていく時代だったんじゃないかと。 漠然としたものに自分なりに折り合いをつけながら、僕達自身も歩んで来たな と思います。平成という名に相応しく、始まりも、そして終わりも穏やかなの かなと、そんな気がしています。

FIVE NEW OLD

昔に比べて人生の選択の幅が広がった分白黒はっきりつけない生き方が出来るようになったと思う。「平成とはどんな時代ですか?」と聞かれて、本音では「平成以外の時代を生きていないから分からない」と思っても、曖昧に「人と人との繋がりが希薄になった」などと根拠なくぼんやりと答えてしまうような、そんな感覚。それが良いとか悪いとかはないと思いますが、またこうしてぼんやりとしたことを言ってしまうのも平成らしさなのかもしれません。

松本花奈
監督

女優として活動するかたわら中学2年生から映像制作を始め、高校在学中の2014年、監督・脚本・編集を手掛けた映画「真夏の夢」が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」フォアキャスト部門に正式出品。2016年、同映画祭に出品した映画「脱脱脱脱17」がオフシアター・コンペティション部門の審査員特別賞・観客賞を受賞。同作品を見た岩井俊二は「この若さにしてこの技量。自主映画なのにこの質量。こんな映画が現れたら学生映画だからという言い訳はもうできない。これを新たなるパラダイムとして若い君たちが映画を作り始めたら確実に将来の映画界は変わる。という意味でこの作品は既に事件だ」と、松本の才能へあふれんばかりの賛辞を送った。

多くの進歩が見られた時代だったと思いますが、印象に残っているのは進歩に合わせて価値や信用が可視化された時代だったと思います。インターネットは大好きですが、いつの間にかインターネットの情報を世代問わず鵜呑みにするようになっていて、僕は色々な意味でもう少しアナログでいたいと思っています。

加藤拓也
脚本

「灰皿を投げない蜷川幸雄氏」と呼ばれ注目を集めている演出家・劇作家。18歳の時にイタリアで演出の経験を積み、帰国後、劇団「劇団た組。」を立ち上げ。2015年に「博士の愛した数式」、2016年に「惡の華」、2017年に「パーマネント野ばら」など話題作を多数公演。2017年は「壁蝨(だに)」で、東京・三越劇場の舞台の作・演出を史上最年少で務めるという記録を樹立し、「若手演出家コンクール2017」では優秀賞を受賞(※辞退)。

僕はまだ15年しか生きていないので「平成」の後半しか知らないけど、平成の後半は震災他暗いイメージがあります。
僕自身、病気でつらい思いをしたりしていますが、妹が生まれたりと嬉しいことも多く生まれ育ったこの時代が好きだし僕にとって故郷みたいな時代です。

吉川然
キービジュアル

当然生まれ育った時代ですし、逆に平成以外の時代は全く分からないですが、平成に生まれて良かったなと思います。
僕がこうしてカメラを回せているのも、ネット上のSNSなどで知り合った友人達と出来たコミュニティでの活動が原点となっているので、今この時代にしか出来ない人との出会いが僕の人生を大きく変えてくれています。

林大智
カメラマン

当たりなのかはずれなのかわからないクジを引いた人々の時代だったと思います。色んなスタイルが認知許容されるようになったことで、本来みんな個性的 なはずなのに“個性的”な人の登場で無個性とされてしまい影に追いやられる、自分に自信が持てなくなる、わからなくなる。それを拗らせて自分だけは違うと思い込む。繊細で、愚かで、驚くほどに不器用で愛おしい、そんな人々が生き 抜いた時代だと思います。

中岡莉沙
美術

自分の中で平成がどんな時代であったか。ちゃんとそれに気付けるのはあと10年、20年経って、振り返ることが出来るようになってからなんだろう、と思います。歴史で学んだ戦争が、一時代前の昭和であったことからすれば、平成はとても平和な時代だったんだろうと思いますが、平成には平成なりの悩みや不 安があり、それを戦い抜いたみんなで、また新しい時代に突入しようとしている。それにすごくワクワクしている自分がいます。

竹縄航太(HOWL BE QUIET)
音楽

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