国内初の取り組み 照明もECOに貢献
[2010年9月10日更新分]
すべての照明機材がLEDで行われるライブコンサート。
そんな時代の幕開けです。
フジテレビ発のアイドルグループ「アイドリング!!!」も出演したTOKYO IDOL FESTIVAL 2010(2010年8月7日、8日開催)品川プリンスホテル ホールステージに於いて、国内で初めて
全ての照明機材にLEDを用いたライブを開催しました!!!
近年、環境への意識も高まる中で関心を集めるLED。
一般家庭用はもちろんのこと、プロ用の照明機材も日々進化しています。それにも関わらず、実際のコンサートの現場などにはなかなか導入が進んでいません。
その理由は、前例がないために従来の機材・技法との比較が難しく、完成像のイメージがつかみにくいためだと思われます。特に「キーライト」と呼ばれる出演者を照らすためのメインとなる明かりにおいて、その傾向は顕著です。
そこで今回、TOKYO IDOL FESTIVAL 2010のステージをお借りして、「キーライト」まで含めた全ての照明機材にLEDを用いるという、まだ誰もチャレンジした事のない未知の領域に挑戦しました。今回の試みは、LED照明機材を用いた演出の機会がより多くなるであろう時代を迎えるにあたり、今後の指標となるようなステージを目指すものでもあります。
消費電力は従来手法の4分の1!地球にも人にも優しい照明を~
消費電力が少ないことで知られているLEDですが、実際我々の現場に導入すると、どれほどになるのか計算してみました。今回使用した機材の消費電力を全て合わせると6860W。一般的な一戸建ての約2軒分です。
今までと同様の機材を使って今回のステージをセッティングしたと仮定すると、おおよそ30kWの電力を消費しますので、両者を比較すると、なんと約4分の1の消費電力です!「照明と言えばケタ外れの電気を使う」という概念を覆すに十分な数字ではないでしょうか。
今回のイベントは、電源が豊富にあるホールやライブハウスなどの会場と違い、ホテルの宴会場という電源の面では非常に制約の厳しい会場で行われたため、その点でもLEDのもたらす省電力の恩恵を存分に受ける事ができました。
省電力ということは、機材からの発熱も少ないので、従来の機材では難しかった舞台セットや壁面に非常に近いところでも使用が可能になります。また、空調への負担を減らし、クールな空間を作り出すことができます。
また、ひとつの機材でたくさんの色を作り出せることから、全体的な機材の量を減らしつつ、色の変化による演出を容易に行うことができるなど、LED照明機材の導入は様々なメリットをもたらしました。
イベントは期間中5000人を動員するほどの大盛況。
ALL LEDのライブにも多くのお客さんが詰めかけ身動きも取れなくなるときもあるなどの盛り上がりを見せ、大成功で幕を閉じました。
今回は、比較的小規模なステージでの試みでしたが、今後へ向けての大きな足がかりとなる成果を得る事ができました。
フジテレビの照明チームは、これからも最新の技術に貪欲に取り組み、「地球に優しい照明」を目指します!
文:大野遙平(フジテレビ 制作技術部)
LED機材提供
株式会社剣プロダクションサービス、有限会社シンクロライズ、株式会社テクニカルサプライジャパン、
東芝ライテック株式会社、富士ライト商事株式会社(50音順)