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2009年度 社会貢献トピックス

若い才能を応援!『お台場合衆国2009』で学生さんの映画祭を実施

[2009年9月7日更新分]

2009 Student Films 6 in ODAIBA映画評論家 佐藤忠男氏 特別コラム


映画評論家・佐藤忠男氏

私はかねがね、いま学生のつくる映画が面白いということを言ってきた。私自身が映画学校の校長を十年以上つづけて、学生の作品を千本以上も見て確信していることである。いまの映画学校では現場の第一線の映画人たちが教えているし、機材の発達で容易に作品を作れる。利益をあげる必要がないので商業上の常識ではとりあげられない題材をやれる。水準が髙くなってきてプロの俳優さんたちも出演して下さるようになった。などなどの理由があって、以前は考えられなかったような面白い作品がどんどん出きるようになっている。

ただ私がいくらそう言っても、じっさいに学生の作った映画が一般に公開される機会が滅多にない状況ではなかなか信用してもらえなくて口惜しい思いをしてきた。

こんどフジテレビの主催で、東京で授業で学生が映画をつくっている専門学校や大学が六校、協力して、その作品を一般観客に見ていただける催しがやれたのは、だから画期的な出来事だった。会場はずっと満員だったらしく、とくにいま日本映画の大作路線の中心になっているフジテレビの映画制作スタッフの第一線のプロデューサーや監督たちが、一作ごとに作品上映後の舞台に上って、その作品を作った学生たちと討論したのが凄かった。

それは決してお座なりの講評ではなかった。皆さん異口同音に、学生作品の意外な水準の髙さと、いくつかの作品に見られた、プロの映画人の意表をつく発想に言及して下さったのが嬉しいことだった。こんな映画は見たことがないと、びっくりするような作品がいくつもあったし、韓国人留学生の作品が二本もあって、じつは日本で映画を学んでいる有望な外国人が少なくないということが分かったのも喜ばしい発見だった。
六本の上映作品のうち三本が女子学生の監督作品だったことなども大いに話題になって、議論は盛り上がった。映画祭は数多くあるが、こんなに気持ちよく盛り上るものは珍しい。

フジテレビに心から感謝する。ぜひ来年も続けたい。

文 佐藤忠男

佐藤忠男氏プロフィール
1950年頃から雑誌に映画論を発表する。
最初の著書は「日本の映画」(三一書房・1956年刊・キネマ旬報賞受賞)。
以後、映画を中心に演劇、文学、大衆文化、教育などの広い分野で100冊を超える著書を発表している。
芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、韓国文化勲章、フランス・シュバリエ勲章授章の他、毎日出版文化賞など受賞多数。
現在、日本映画学校校長。

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