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TOP2008年度 番組トピックス「金曜プレステージ 特別企画 最先端医療が奇跡を起こす!最強ドクターが救った命と家族の絆スペシャル4」
2008年度 番組活動トピックス

「金曜プレステージ 特別企画 最先端医療が奇跡を起こす!最強ドクターが救った命と家族の絆スペシャル4」

[2008年7月1日更新分]

『「最強ドクター」とは…』 ディレクター 渡辺 貴スペシャルコラム

(2008年5月23日21時40分~放送)
この番組は、患者と医者の病との闘いを追ったドキュメンタリー番組です。「最強ドクター」とは、単に医療行為の技術が優れているだけのドクターではありません。もちろん、登場するのは、日本有数の技術を持ったドクター達ですが、彼らが「最強」なのは、その「心」なのです。


大和成和病院
倉田篤ドクター


大阪市立総合医療センター
坂本博昭ドクター


弘前記念病院
三戸明夫ドクター


癌研有明病院
秋元さやかナース

近年、医療現場の崩壊が伝えられています。医師不足。医療過誤。病院の閉鎖、倒産etc。過酷な労働条件により、医療現場から医師がいなくなっているといいます。
私が取材した心臓血管外科医の倉田篤(44)医師も、まさにそんな過酷な労働条件の真っ只中にいました。

年間の手術の症例数約200件の彼の平均睡眠時間は、4時間。家に帰れる日は、週に1日ということもありました。医師とはいえ人間。なぜそこまで患者のために捧げられるのかとの問いかけに対して、彼は当たり前のようにこう答えました。

「それがお医者さんの仕事。そういうことが苦でもなんでもない人がお医者さんになる」 「神の手を持つ神様」と患者などから崇められる倉田ドクター。
しかし、倉田ドクターは自らその言葉を否定します。

「神の手など持っていない。常に患者が死ぬかもしれないと心配しているだけだ」と。
倉田ドクターは患者のそばから片時も離れようとしません。患者の術後の変化から絶対に目を離したくないのです。そんな小さなことの積み重ねが「神」を支えています。

私が取材している間に倉田ドクターの患者が亡くなりました。私は、医者は患者の死に対して少しドライに考えていると思っていましたが、彼はそうではありませんでした。まるで肉親が亡くなったかのようにふさぎ込み、一切の弁解をせず自分を責め続けていました。「自分が殺した」と。

患者の前では「神」である彼も、ふつうの「人間」。
ただ、彼が普通でないのは、「神」に近づくため誰よりも努力し、自分の生活を犠牲にして患者のために身を捧げていることでした。

最近、激務で医療過誤のリスクの高い外科医を志望する医学生が激減しています。“楽”な診療科を選ぶ学生が増えているのです。人間ですからそういった選択をするもの理解できます。しかし、人の命を扱う医者という職業は特別だと思うのです。
患者にとって医者はどこまでも「神」であってほしいのです。

そんな「神」を患者の前で貫ける強い心を持った医者こそが、私は「最強ドクター」と言えるのではないかと思います。

文:渡辺 貴(情報制作センター ディレクター)

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