FUJITV Inside Story〜フジテレビで働く人〜

目崎 理紗

子どもたちに笑顔を届けたい!
特別展「昆虫 MANIAC」を手掛ける
事業部の目崎理紗さんに聞く――
“何かがおかしい”
「昆虫 MANIAC」の魅力、
目の当たりにした
研究者たちの情熱、
事業部志望の原体験とは

Vol.26

目崎 理紗 Risa Mezaki

フジテレビで働く人の仕事への取り組みや思いをシリーズで描く『FUJITV Inside Story』。
第26弾は、国立科学博物館で開催中の特別展「昆虫 MANIAC」を手掛ける事業部の目崎理紗さん。ムシが苦手な人ほど来てほしいと語る「昆虫MANIAC」の魅力はもちろん、シカゴでの“セミ”捕獲奮闘記、事業部を志望した原体験などについてたっぷり聞いた――。
(2024年08月09日掲載)

“何かがおかしい”
特別展「昆虫 MANIAC」の魅力とは?
素数ゼミ取材で
目の当たりにした研究者たちの情熱
研究者たちの「監修」と
「柔軟なアイデア」が命綱

開催して1ヶ月近くになります。とても多くの方が会場に足を運んで下さっているようですね。
はい。とてもありがたいことに、家族連れの方や昆虫好きの方、若い集団のお客さまなど、世代を問わず連日たくさんのお客様にご来場いただいています。
目崎 理紗
では特別展「昆虫 MANIAC」とはどんな展覧会なのか教えてください。
この展覧会のキャッチコピーは「この昆虫展、『何かがおかしい』」なのですが、この言葉通り、他の昆虫展とはちょっと違った展覧会になっています。普通、昆虫展と言えば、昆虫の中でもメジャーなカブトムシとかテントウムシとか、いわば「昆虫界の大御所」を取り上げることが多いと思うんです。ですが今回の「昆虫 MANIAC」は、もちろんそうした人気の昆虫も扱うのですが、メインビジュアルにもなっている5人の研究者の研究分野を、5つの扉(トンボ・ハチ・チョウ・クモ・カブトムシ)に分けて、それぞれの分野のムシについてより深掘りしていくという展示になっています。まさにマニアックな研究者によるマニアックな昆虫展なんです。
『何かがおかしい』マニアックな昆虫展! ※「昆虫」以外の「節足動物」の展示も含みます。

『何かがおかしい』マニアックな昆虫展!
※「昆虫」以外の「節足動物」の展示も含みます。

珍しい展示物などがあるんですか?
ものすごい数のムシの標本展示のほかに、体長2 mの巨大な模型を5体展示しています。それもカブトムシとかクワガタとかではなく、多分みなさんもあまり名前を聞いたことがないようなムシです。「ギンヤンマのヤゴ」、「エゾオナガバチ」、「ウスバキチョウ」、「オオナガトゲグモ」、「オオセンチコガネ」といったすごくマニアックな巨大模型がみなさんを会場で待っています。こんなにでっかい展示物はなかなかないと思いますし、実際に目にしたらきっとびっくりすると思います。
巨大模型がお迎え 左 : オオナガトゲグモ」  右 : ウスバキチョウ

巨大模型がお迎え
左 : 「オオナガトゲグモ」 
右 : 「ウスバキチョウ」

あとは、研究者になりきれたり、ビジュアルの5人の研究者たちと一緒に写真が撮れたりするフォトスポットもあります。順番待ちの子どもたちの列もできて、結構、好評なんです。
こんな珍しい昆虫も  左:光輝く「ルリタマムシ」の一種(フィリピン産) 右:オスとメスの特徴が同居するカブトムシの「ギナンドロモルフ」

こんな珍しい昆虫も
左 : 光輝く「ルリタマムシ」の一種(フィリピン産)
右 : オスとメスの特徴が同居する
カブトムシの「ギナンドロモルフ」

目崎さんはどんな仕事を担当し、準備されてきたのですか?
今回の特別展「昆虫 MANIAC」は、展示会場でもある国立科学博物館さん、そして読売新聞社さんと一緒に主催しています。その中でフジテレビはプロモーションを担当していて、例えば公式ホームページやチラシの作成、公式サポーターや音声ガイドの制作、またオリジナルグッズもフジテレビが一部担当しているので、そういったプロモーション関連の仕事を事業部の大先輩の神田比呂志Pの指導を仰ぎながら、準備を進めました。
その中で特に印象に残っているのは、どんな取り組みですか?
6月にアメリカのシカゴに“素数ゼミ”の取材に行ったことですね。2024年は北米で素数ゼミと呼ばれる、“13年ゼミ”と“17年ゼミ”がダブルで大量発生する年だったんです。これは221年に一度というとても珍しい現象なので、今回の展覧会でもその素数ゼミの展示コーナーを是非、設けようということになりました。ちょうど甲虫担当の先生の知り合いの研究者チームが現地へ取材に行かれるということだったので、私とカメラマンの二人でご一緒させていただくことになりました。展示コーナーは「221年に一度の素数ゼミの大量発生をみなさんに体感してもらう」ことをテーマとして考えていたので、「とにかく撮れ高次第だから、いい音と映像を撮ってきてね」って、周囲から発破をかけられました(笑)。
結構、大変そうな取材ですね?
私はセミを捕った経験がなかったので、自分なりにいろいろと思考を巡らせて準備しました。とは言え、何を持って行けばいいのかさえわからなかったので、とりあえずタッパーと軍手を持参しました(笑)。また、それこそ221年ぶりのことですので、シカゴのどの辺りで発生するのか、確かな情報はなかったのですが、現地入りした二日目に、宿泊先のホテルの駐車場で大量発生に出会い…。研究者のみなさんは空港からホテルに向かう車内でも、耳を澄ませながら「もうセミがいるぞ。シィー、静かに!」などと既に“臨戦態勢”だったのですが、大量のセミを前にもう居ても立ってもいられないような状態で、怒濤の“捕獲作戦”の幕が切って落とされました。
普段見ることのない光景ばかりですよね。
そうなんです。辺り一面セミだらけで、網を振り回すと一挙に大量のセミが捕獲できました。研究者のみなさんは網の中に入り込みセミを観察したり、セミと一緒に採れた小さなムシを傷つけないように吸虫管(採集道具)で吸ったりと、これまで見たことの無い光景が目の前で繰り広げられていました。その後、セミを求めて住宅街を歩いて移動したのですが、その際もみなさん突然駆け出したり止まったりして、もう本当に捕獲に没頭されていて、こんなことを言うのは大変失礼で、また怒られてしまいそうですが、「こんなに変な集団に会うのは、人生で初めて」という印象でした(笑)。
素数ゼミの捕獲活動中!

素数ゼミの捕獲活動中!

目崎さんはムシが苦手ではないのですか?
それこそ神田Pはムシがダメなんですが(笑)、私は、「ムシが大好き」とまでは言えませんが、元々生き物が好きだったので大丈夫でした。それよりも今回は研究者チームの取材にお邪魔させていただく形だったので、とにかく「セミを捕獲してお役に立たなくては…」との思いが強く「セミに負けてたまるか!」みたいな感じで「怖い」なんて言っていられなかったですね。最初にセミを捕まえた時だけ、「ギャー」って悲鳴を上げてしまいましたが(笑)、それ以降は捕獲タンブラーみたいなものに、ブドウ狩りやサクランボ狩りみたいな感覚で、セミをひたすら詰めていくという作業を続けました。結果、チーム全体で捕獲した素数ゼミの数は2000匹以上に上りました。
セミを獲ったのは初めてだったんですか?
そうなんです。だから初日に私が「今回、人生で初めてセミを獲るんです」って研究者の方にお話ししたら、謎の爆笑が起こったんです。「初めて獲るセミが素数ゼミだなんて“虫屋”の合コンで大受けのネタを手に入れました!」って。「昆虫をこよなく愛し、こだわりをもって、昆虫の観察、捕獲などを本気の趣味としている人」のことを“虫屋”と呼ぶそうですが、そうした“虫屋”の間で素数ゼミの捕獲は、何日も仕事を休んででも参加したい「伝説のイベント」みたいな存在なんだそうです。そんなマニア垂涎の捕獲活動に、ど素人の私が参加させていただいて、とてもありがたかったですし、すごく貴重な体験になりました。
目崎 理紗
そうした取材を通じて、研究者のみなさんとも交流を深めさせてもらったのですね?
今回の取材では、バスでの長時間の移動中も研究者のみなさんといろんな話をさせていただきました。特に印象に残っているのは“マイトラップ”のお話しですね。ムシの中には、糞を食べるムシ”糞虫”がいるのですが、研究者たちはこの糞虫を自分でひねり出した“モノ”で捕まえたりします。これを”マイトラップ”と呼んだりするそうですが、研究者の間で、「どっちの“マイトラップ”がより多くの糞虫を寄せ付けるか」を競ったりすることもあるとのことで、そうした普段なかなか耳にすることができないエピソードをずっとお話ししてくださいました。また今回捕獲した素数ゼミに関しては、私の素人目線の体験記みたいな趣向で会場に展示しようということになったので、研究者のみなさんにいろいろと監修してもらいました。

左 : シカゴ素数ゼミ捕獲旅のメンバー
右 : 穴に顔を入れると、素数ゼミの大合唱の「うるささ」を
体験することが出来るコーナー

では、特別展「昆虫 MANIAC」を監修した5人の研究者のみなさんとはどんなやりとりをされたのですか?
いろんな面で大変お世話になりました。例えばグッズの制作では「この触覚の付き方はおかしい」とか「この部分は三角形に見えないといけないんだよ」などと、細かな点まで監修していただきました。昆虫や動物マニア、また国立科学博物館好きな方からすると、その分野の専門家が監修したグッズはリアルに即しているからとても貴重で人気みたいなんです。
本展を”MANIAC”に監修する研究者のみなさま

本展を”MANIAC”に監修する研究者のみなさま

この展覧会において私たちフジテレビ側が対応しなくてはならないのは「かみ砕いてプロモート」することです。そうした中、研究者の方々は、ディテールに拘って細かなことまで伝えたいという思いがあるなかで、私たちが提案した“デフォルメしたもの”を慎重に判断した上で受け入れてもらったり、「このムシではなくて、こっちのムシの方が映える」などと、柔軟なアイデアや意見をたくさんご提示いただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
目崎 理紗

公式サポーター&音声ガイドの
人選の狙いは?
「何?それ?」の発想で、
“うんこ虫”を帽子に
ムシが苦手な方こそ、
是非、会場に!

今回、アンガールズさんが公式サポーターを担当されていますが、その狙いはどういったところにあるのでしょうか?
どういった方に公式サポーターをお願いしようかと考えていた時に、アンガールズの山根さんが地方の番組ロケで新種のムシを見つけたというニュースを思い出しました。お二人はお子さまにも親御さんにも人気があるだけでなく、子どもの頃の昆虫エピソードをお持ちだったり、バラエティ番組でムシを口にしたこともあったりと(笑)、結構、昆虫に縁があって造詣も深いということで、今回、お二人にサポーターを受けていただいて本当に良かったです。研究者っぽい格好もホントお似合いなんです!
昆虫への造詣が深いお二人です。

昆虫への造詣が深いお二人です。

音声ガイドも人気声優の江口拓也さんが担当されているんですよね。
例えば人気アニメに出ているような、子どもがガイドの声を聞いて喜ぶ方に担当していただきたいと考え、江口さんにお願いしました。やはり声優さんの力ってすごくて、その声を聞きに会場に足を運んでくださる方も多くいらっしゃるんです。江口さんの人気も絶大で、江口さんが「X(旧ツイッター)」で本展の音声ガイドの告知をリポストしていただいたらインプレッション数がものすごく跳ね上がりました。ガイドでは、江口さんが“ムシ目線”で話しをしたりと内容もとても面白くなっているので、たくさんの方に喜んでいただけるのではと思っています。
今回おすすめのグッズなどがあれば教えてください。
グッズに関しても「何?それ?」って驚かれるようなアイデアを出し、それを形にしていくことに拘りました。そうした点で特にフジテレビらしいと思うのが、グッズ付きのチケットですね。“オオセンチコガネ”という昆虫を帽子にしたのですが、このムシは糞を食べる糞虫なんです(笑)。「うんこ虫」とも呼ばれていますが、そのようなムシを頭に被るのは、そのことを知っている人にとっては面白いし、知らない人にとってもそもそもビジュアル的にインパクトがあるので受け入れられると思って制作しました。実際、「X」でもかなり話題になりました。
左:“うんこ虫” 「オオセンチコガネキャップ」 右:オオセンチコガネの生体展示

左 : “うんこ虫” 「オオセンチコガネキャップ」
右 : オオセンチコガネの生体展示

あとは個人的にアイデアをひねり出したものだと、展覧会オリジナルステッカーですね。ムシが正面を向いた「ムシの証明写真」を作ったんです。神田Pから「会場周辺で配るノベルティの面白いアイデアを出して!」とのことで、いろいろと無い知恵を絞ったのですが、ネットで動物が証明写真みたいに写っているものを見つけて「これだ!」と思って…。今、証明写真自体が流行っているみたいだったので、そのムシバージョンを作ったら面白いと思って神田Pに提案したところ、「OK!」と言ってもらえて実現しました。
超MANIAC!「ムシの証明写真」(全4種)

超MANIAC!「ムシの証明写真」(全4種)

神田Pにはそれまで、アイデアを出してはその度に「本当に面白いかどうか」という部分でやりなおしをもらっていたので「ここまでじっくり考えねばならぬのか…」と思ったこともありましたが、自分の納得がいく提案ができて、神田Pから「小さなこともお客さんの立場になって考え、徹底的にこだわる」ことの大切さを身をもって学ぶことができたと思っています。
特別展「昆虫  MANIAC」チームの神田比呂志Pと川上ひさえさん

特別展「昆虫 MANIAC」チームの
神田比呂志Pと川上ひさえさん

そのようにいろいろと工夫を凝らした今回の昆虫展、一人でも多くの方に楽しんでもらいたいですよね?
今は夏休み中ということもあって、お子さまと一緒にご家族で来場される方が多いですね。子どもたちも本当に純粋に「面白い」って喜んでくれているみたいでとてもありがたいですし、これからも一人でも多くの子どもたちに来て欲しいと思っています。そうした思いと同時に「もうムシとか気持ち悪くて無理だよ…」みたいな方にも、会場に足を運んでもらいたいと思っています。それは、例えそうした「ムシが苦手」な方たちでも、昆虫愛にあふれた研究者たちが「普段からどんな採集をして」「どんな研究をして」「どんな成果を得て」「どんな熱量で展示しているのか」を目の当たりにすれば、きっと誰もが「へー、そうなんだ。面白い!」と感じてもらえると思っているからです。だから「ムシって嫌いだな…」って思っている方にこそ、是非、見に来ていただきたいですね。
目崎 理紗

子どもたちに笑顔を届けたい!
「イベントとは何か」を学んだ
「アレグリア」
イベント志望の原体験は
「お台場冒険王」

話は変わって、入社してからの話を伺いたいのですが、始めから事業部を志望していたのですか?
実は私、バラエティ志望で入社しましたし、フジテレビがイベントに取り組んでいるというイメージもそんなに強くはなかったんです。でも入社後の研修でイベントにも力を入れていることを知り、さらにイベントでは、会場に来ていただいた方の反応、お客さんが楽しんでいる顔を、直接見て感じることができるところにすごく惹かれたんです。それで、「是非、イベントの仕事に携わりたい」と思って、配属希望を急遽出しなおしたら幸運にもそれが通って…
直感的に志望したのですね?
“ビビビッ”の志望変更、配属でした(笑)。
目崎 理紗
ではどんな学生時代を過ごしてきたのですか?
私は、小さい頃からすごいテレビっ子で、就職先としてもとにかくテレビ局しか考えていませんでした。それはテレビ好きな父親の影響が大きくて、幼稚園児の頃から、『笑う犬』や『リチャードホール』など、夜遅く放送していた番組を眠い目をこすりながら父親と一緒に見ていましたね(笑)。また私は、東北で生まれ育ったのですが、我が家の夏の恒例行事として、毎年、「お台場冒険王」を訪れていました。ホントに楽しい“遠征”で、最高の思い出として心に刻まれています。だから入社後に事業部を志望したのも、実は、そうした原体験が、そして「楽しさを提供できる側になりたい」という思いが、私の気持ちの根っこにあったためなのかもしれないですね。
毎夏の「お楽しみ」家族でお台場へ

毎夏の「お楽しみ」家族でお台場へ

単に“ビビビッ”だけではなかった?
そうですね。私、意外と奥が深いのかもしれません(笑)。
冒険王のイベント会場にて

冒険王のイベント会場にて

では、これまで担当した中で、特に印象に残っているイベントは?
これまでたくさんのイベントに関わらせてもらってとても勉強になりました。そのひとつひとつにいろんな思い出が詰まっているのですが、敢えてあげるとすれば「モネ 連作の情景」とシルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」ですね。昨年から今年の5月にかけて東京と大阪で開催された「モネ 連作の情景」は、本当に多くの方にご来場いただいて、クロード・モネの日本での人気を改めて実感できたイベントでした。何より、担当者として初めてモネの作品に囲まれた時に、絵の美しさに鳥肌が立つほど感動して、テレビ局に入ってまさかモネの絵を扱う仕事をするとは思ってもみなかったこともあり、改めて色々なことができる会社だなと実感しました。
そしてこれまで担当した中で最大規模のイベント、シルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」では日本公演のPRを担当したのですが、現場で一日中、片耳ずつ別のトランシーバーをつけて対応にあたるなど「イベントとは何か」「現場とは何か」みたいなところを一から叩き込まれたので、とても印象に残っています。大阪公演のために東京から大阪へサーカスの大移動を経験できたのも、大変でしたが今となっては良い思い出です。上司と一緒に、ひと夏で10回以上大阪へ行きました(笑)。
仲間と一緒にいろんなことを学んだ「アレグリア」!

仲間と一緒にいろんなことを学んだ「アレグリア」!

最後に今後の目標を教えてください。
もちろん今は、開催中の特別展「昆虫 MANIAC」のことで頭がいっぱいです。この展覧会のテーマの一つは「多様性」なんです。さまざまな形態や生態を持った100万種の生物体である昆虫の世界の「多様性」、そして、ムシが好きな人も嫌いな人もいるという「多様性」。みなさんにはそうしたいろんな「多様性」を是非、会場で体感してもらえたらと思っています。そして「こんなにもがむしゃらに昆虫研究という己の仕事に没頭し、『好きなものを好き』と公言してはばからない研究者たちが会場でみなさんを待っています」ということを、研究者たちへの感謝の思いも込めて、しっかりと皆さんに伝えたいですね。そしてそんな“MANIAC”な生き様の研究者のみなさんには、「伝えたい思いはしっかりとみんなに届きましたよね!?」って、この展覧会が終わった後に自信を持って伺えるよう、自分のやるべき仕事を全うしたいと考えています。
目崎 理紗
個人的なこれからの目標ですが、ダウン症の兄弟がいることもあって、学生の頃は福祉系のボランティアなどにずっと関わってきました。そしてそうした活動の中で、とても頼りにしていた、重要性を強く感じていたのがテレビの存在でした。リモコンのボタンを押すだけで誰でも見ることができて、みんなが一緒に楽しめて笑顔になれる。人と人とのつながりにおいて、“潤滑油的”な役割を果たすことができるのはテレビの大きな魅力だと実感していました。だからテレビ局で子ども向けのコンテンツをつくることが私の夢なんです。この特別展「昆虫 MANIAC』もたくさんの子どもたちに楽しんでもらいたいですし、いつか自分の企画で、子ども向けの番組やイベントを何か一つでも手掛けて、子どもたちに笑顔を届けることができたらと思っています。

ちっちゃい頃に毎夏訪れたお台場が、たくさんの笑顔で私を包んでくれたように…
目崎 理紗
仕事仲間からひとこと
女性ばかりの展覧会チームの中で、唯一生き物に抵抗がないという理由で入ってもらったこの特別展「昆虫 MANIAC」のプロジェクト。
そしたら抵抗がないどころか、添付ファイルを開くと次から次へと出てくるムシたちを嬉々とした目で見つめ、権威ある科博の研究者たちからもすぐに信頼を勝ち取りました。
突然行くことになった素数ゼミのロケも「こんなに変な集団に会うのは、人生で初めて」という蝉のことしか頭にない男性陣と、食事もハンバーガーしか食べられないような過酷なスケジュールを飄々とこなします。
「捕獲タンブラーに、ブドウ狩りやサクランボ狩りみたいな感覚で、セミをひたすら詰めていく」「“糞トラップ”の話を楽しそうに聞く」…なかなかできることではないです(笑)。
持ち前の好奇心とありすぎるやる気で時々暴走して訳が分からなくなっているけれど、それもまた彼女らしくもあり、よいプロデューサーになる予感満載。
目崎がいろんな人と一緒に苦労を重ねて作った特別展「昆虫 MANIAC」ぜひご覧ください。

事業部 神田比呂志

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