FUJITV Inside Story〜フジテレビで働く人〜

蔵本 卓大

『めざましどようび』
『ザ・ノンフィクション 
たどりついた家族』の
蔵本 卓大ディレクターに聞く…
「人」を描くことへの「覚悟」と「葛藤」
「“へぇー”ボタンが何回押されるか?」
『めざましどようび』と
ドキュメンタリーに通じる
演出の極意

Vol.13

蔵本 卓大Takuhiro Kuramoto

フジテレビで働く人の仕事への取り組みや思いをシリーズで描く『FUJITV Inside Story』。
第13弾は、『めざましどようび』のPD(プログラムディレクター)であり、先日「2023年日本民間放送連盟賞」においてテレビ報道部門・優秀賞を受賞したドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション たどりついた家族2』を演出した蔵本卓大ディレクター。
『たどりついた家族』の制作秘話、『めざましどようび』の演出で大切にしていること、また『めざましどようび』とドキュメンタリーを両方手がけるメリットややりがいなどを聞いた――。
(2023年12月26日掲載)

『ザ・ノンフィクション 
たどりついた家族』制作のきっかけ
“言葉が通じない”からこそ
保たれた絶妙な距離感
視聴者に身近な出来事と
感じてもらう演出とは・・・

まず、蔵本さんが担当されている『ザ・ノンフィクション たどりついた家族』についてお聞きします。この番組は、ロシアによる侵攻で戦地となった祖国・ウクライナから日本にたどりついた避難家族に密着したドキュメンタリーですが、取材するきっかけを教えてください。
きっかけは『めざましテレビ』の取材です。日本政府がウクライナからの避難民を受け入れると発表したタイミングで、そうした方々を取材しようということになりました。
草彅伶央ディレクターがリサーチしたところ、都内に住むウクライナ人女性(アナスタシアさん)が、日本人の夫(和真さん)の力を借りながら、ウクライナから母親や幼いきょうだいを避難させようとしていることがわかり、受け入れに向けた大変な準備状況やその思いなどをニュースとして取り上げさせていただいたところから始まりました。
蔵本 卓大
それがどのようにドキュメンタリーという形に展開されていったのでしょうか?
そのニュースを放送した時点では、まだアナスタシアさんのご家族は日本に到着していなかったので、ご家族がウクライナから避難し、日本で過ごして、ウクライナへ帰るまでを密着取材できたらと思いました。ただ、その場合は、取材期間が長期に渡りますし、放送する時間(尺)も長くなるので、『めざましテレビ』の企画としてOAするより、ドキュメンタリーという形で取り上げた方が視聴者によりしっかりと伝えることができると判断して、『ザ・ノンフィクション』の担当者に企画を持っていきました。
アナスタシアさんと和真さんは、なぜ取材を受け入れてくださったのでしょうか?
僕らがご家庭の中に入って密着取材するというのは、対象者にとっては基本的に“邪魔”でしかないので、何か理由がないと撮らせてはもらえません。今回は、アナスタシアさんの夫・和真さんに「ウクライナという国と人をもっと知ってほしい」という思いがあって取材を受けていただけることになりました。日本人にとってウクライナという国はあまり馴染みがなく、また避難されてきた方々も英語が話せそうに見えても実際はそうでなかったりもします。だから番組を通してそうした実情を日本のみなさんに知ってもらった上で、彼らを少しでもサポートしてもらえるきっかけになったらということでした。
レギナちゃんの入学式にて

レギナちゃんの入学式にて

では、ウクライナから避難されてきたご家族は、取材についてどのような受け止めだったのでしょうか?
避難してきた母親のマーヤさん、次女のレギナちゃん、長男のマトヴェイくんの3人には、和真さんがアナスタシアさんと一緒に自らの考えを話してくださいました。また、マーヤさんとしては、子どもたちにとっても異国でのちょっとした思い出になってもらえたら、という思いもあったようです。
どこまで撮影・放送していいのか、悩むこともあるかと思います。
あるシーンを放送すべきかどうか、撮影した後に悩むことは当然ありますが、現場で起こった出来事を撮影するということに関しては、取材対象者が許してくださる限り、撮ります。撮っていないと、放送するかどうか悩むこともできませんので、撮影する覚悟は最低条件です。取材中に、母親のマーヤさんはウクライナに一時帰国しましたし、今後も行き来します。命の危険と向き合っているご家族を取材しているという緊張感、恐怖が常にある状況で仕事をしています。
蔵本 卓大
お母さんが一時帰国する際、子供たちが別れを惜しんで泣き叫ぶ場面は、視聴者としては辛くて見ていられないほどでした。撮っている時の感情のコントロールはどうされているのでしょうか?
あの場面を取材した井本早紀ディレクターは、「ドキュメンタリーだと、絶対に撮り直しができないため、『何があっても撮り逃さないように』という思いが、自分の感情を上回っていたと思います」と話していました。僕も以前、がんが進行したため医者から【積極的な治療ではなく余生を穏やかに暮らすためのケアへの変更】を提案された患者さんやご家族の様子を撮影させていただいたことがあるのですが、そうした状況でも、あとから映像を見て涙をこらえられないことはあっても、その場で泣いたことはないです。カメラのファインダーを覗いていると、より客観的になれる面があるのかもしれないですね。
マーヤさんの一時帰国に号泣するマトヴェイ君

マーヤさんの一時帰国に号泣するマトヴェイ君

今回、取材対象者とは、どのような距離感で取材されているのでしょうか?
今回の手法は、ドキュメンタリーの取材としては“邪道”だと思っています。というのも、普通は一人のディレクターが取材対象者と関係性を深めていくのですが、僕が『めざましどようび』のPDの仕事と平行して、一人で密着取材をすることは不可能だったため、めざましニュース班のディレクター3人(井本、草彅、安田裕紀)とチームを組んで取材をすることになりました。だから4人で情報共有を密にして、初歩的ですが、取材対象者にご不便をかけないことを第一に考えて取材に臨んでいます。
蔵本 卓大
感情的な場面でも“ベタベタしていない”というか、絶妙な距離感が保たれていると感じました。
「取材対象者との距離感」という点では、やはり“言葉が通じない”ということが大きかったと思います。日本語を話せるのが和真さんとアナスタシアさんの二人だけなので、本音やニュアンスの部分などで意思の疎通が難しいところもありました。ただ、ドキュメンタリーの面白いところは実は話しかけなくても成立するというか、本当に一番いいドキュメンタリーの取材方法はカメラ、ディレクターが存在していないと感じるような状況だと思うんです。だから“言葉が通じない”ことは、確かにマイナスの面もあったのですが、彼らは“言葉が通じない”僕ら取材者側をあまり気にしていないことも多く、結果的により日常に近い自然なやり取りや会話を撮ることができたのかなと思います。あと、不思議なもので、8割9割は表情、つまり撮影している映像で、その場の状況はわかりましたね。それはつまり、視聴者に映像で伝わるものが撮れているということで、言葉が分からないことがプラスに働いた面もあると思っています。
では、撮影や演出の面で気を付けたことはありますか?
これは『ザ・ノンフィクション』の西村陽次郎プロデューサーからアドバイスをもらったのですが、ウクライナから避難してきた家族が視聴者の身近にいることを感じてもらうための演出を心掛けました。例えば、ご家族だけをアップで撮ってしまうと、そこが日本なのか外国なのか区別できませんよね?日本人が一緒に映るように広い映像にする、新宿のゴジラや漢字の看板といった背景を大事にするなど、「ここは日本だな」と一目でわかる画作りを心掛けました。あとは音声も、日本語が聞こえてきたり、コンビニやカラオケの音だったりとか、僕らが普段意識しないような日本の雑音・ノイズを入れることで「日本だな」と感じられる演出を全編にわたって大切にしました。
そうしたことによって、「彼らが故郷から遠く離れた慣れない日本で生活している“過酷な”現実、戦争の愚かさ」を視聴者に伝えることができたのでは、と思っています。
家族5人で花園神社で初詣

家族5人で花園神社で初詣

放送後の反響はいかがでしたか?
ご家族が街を歩いていると「頑張ってくださいね!」とか「番組、見ました!」などと声をかけてもらったと、喜んでくれていました。僕個人としては、先輩の宮﨑 能暢『めざまし8』プロデューサーが、お子さんと番組を一緒に見て、「同じくらい年齢の子がこんな辛いことになるんだよ。だから、戦争は絶対やめようね」などと話をされたそうで、そうしたやり取りを聞くとうれしいですね。
蔵本 卓大
蔵本ディレクター自身がこの密着取材を通じて一番感じたこと、そして今後、どう取り組んでいきたいか、教えてください。
やはり、レギナちゃんとマトヴェイくんに救われた部分はありますね。とにかく、笑わせてくれるんですよ。戦争に巻き込まれた人々が「子どもが希望」という言葉を使われることが多いと思うのですが、実際に取材してみて、本当にそう感じました。この子たちが少しでも幸せになって欲しいと。お母さんのマーヤさんにとっても、アナスタシアさんと和真さんにとっても、ご近所さんにとっても、そして僕たち取材者にとっても、ということは視聴者にとっても、「子どもの成長が希望」なのだと思います。やはり「子どもってすごい存在」、「大人にとって希望」なんだなってすごく実感させられましたね。
今も、レギナちゃんとマトヴェイくんの日本語が上達しているとか、普段の生活・日常に「成長」や「驚き」があるので、月に1~2回はお邪魔させてもらっています。一番の望みは、ウクライナに平和が訪れて、彼らがウクライナに無事に帰るところまでを撮影・放送できたら、と。その日まで、このご家族の歩みを、映像として丁寧に記録させていただきたいですね。
蔵本 卓大

『めざましどようび』のネタ選びで
“基準”にしていることは?
“自分一人だけが視聴者じゃない”
という意識を大切に
演出の基本は・・・
「“へぇー”ボタンが何回押されるか?」

2023年、『めざましどようび(2部)』はコア視聴率の年間一位を達成しました!
蔵本さんはこの番組でPD(プログラムディレクター)という立場ですが、どんなニュースや話題を取り上げるのか、そのネタを選びにおいて何か基準みたいなものはありますか?
“自分一人で決めない”ということですね。『めざましどようび』はいろんな世代の方に見ていただいている番組なので、いろんな人の意見を聞いてネタを絞っていく感じです。どんなニュースや話題に関心があるのか、何が流行っているのか、妻にも聞いたりしますし、自分の母や父の世代、逆に小さいお子さんがいる方など、何が誰にどのように“刺さっている”のか、いろんな方に話を伺うようにしています。
コロナ渦以降、打ち合わせは適度な距離を保って・・・

コロナ渦以降、打ち合わせは適度な距離を保って・・・

そうしたいろんな人の話や意見をどのように番組に反映させているのでしょうか?
朝6時から8時30分までの放送で、どの時間帯にどんな世代の方がよく視聴されているのか、詳細に分析しています。そのデータに基づいて「この世代に見てもらえるものをこの時間帯に置きましょう」という感じで、OAで取り上げる項目を決めています。だから「自分一人では決めない」「自分の“好み”だけでは決めない」「自分一人が視聴者ではない」という意識を大事にしています。
“自分はこれを伝えたいのに!”というような葛藤もあるのかなと想像していましたが、いかがですか?
一人の人間の守備範囲や興味のあるエリアって本当に狭くて、身近な生活レベルでも知らないことっていっぱいありますよね。それを知ることは小さな発見の連続で面白いですし、まずは視聴者に「そうなんだ!知らなかった!」って思ってもらいたくて、いろんなネタを放送するように心掛けています。その中に、「自分はこれだけは伝えたい!」というネタや思いを、ほんの少し混ぜる・・・そのぐらいの塩梅が良いのかなと考えています。
蔵本 卓大
『めざましどようび』のような情報番組とドキュメンタリーでは、伝え方が違う面もあるかと思います。「ドキュメンタリーだったらもっと伝えられたのに…」というような考えにはならないでしょうか?
それについてはちょうどいいバランスになっていると思っています。『めざましどようび』は情報の量とスピードと質を大事にしていて、スポーツ、エンタメ、ニュース、いろんなものが詰まっている、誰に届けても喜ばれる「宝箱」みたいな番組を目指しています。
だから、日々起きている、変わっていくさまざまな情報に関して、制作陣はみんな必死に勉強しキャッチアップして、視聴者に届けています。そうした中で、「さらに深く追いかけて取材したいな」とか「もっと長く時間をかけたいな」と思うネタについては、長尺の企画にも出来ますし、更に長尺のドキュメンタリーとして同じ情報制作局の『ザ・ノンフィクション』に持って行くこともできます。僕は両方ともいい形でやらせてもらっていると思っています。
では、『めざましどようび』のような情報番組とドキュメンタリーの制作において、共通して心掛けていることはありますか?
僕が演出する時はどんな時も視聴者が「“へぇー”ボタンを何回押してくれるか?」ということを意識しています。それは1分のニュースでも、10分の企画でも、1時間のドキュメンタリーでも同じです。その中で「知らなかった」や「面白い」、あるいは「悲しい」「許せない」…喜怒哀楽の「 “へぇー”ボタンを何回押してもらえるか?」という点に最大限留意して、制作にあたっています。
蔵本 卓大
今回、「めざましのニュース班」が主体となって『たどりついた家族』というドキュメンタリー番組を制作しました。『めざまし』チームにとっても大きな財産になったのでは?
それはまだこれからの話なのかもしれないですね。でも『めざまし』って、これまでも音楽ライブをやったり、「きょうのわんこ」のコーナーや企画の「ココ調」が特番になったりと、何でも”飛び出していく“ ・”はみ出していく“番組だと思っています。だから、今回のようなドキュメンタリーでなくても、アーティストをプロデュースしたり、スポーツ大会を開催してもいいかもしれません。そうした「俺も何かやりたいな!」「私も何かやってみよう!」というマインドに、これまで以上になってくれてたらうれしいですね。
蔵本 卓大

目指すは、
ノンフィクションとフィクションの
両方が制作できるディレクター
モチベーションの源泉は
番組を見た方々の反応

話は変わって、テレビ局を目指したきっかけを教えてください。
僕はスポーツが好きで、やる方と見る方のどちらも好きだったんですけど、それでスポーツに関わる仕事ができないかなと思って、テレビ局を目指しました。
採用面接ではどんなアピールをされたんですか?
僕の実家が家族で小さな小さな“ちくわ店”を経営しているのですが、子供のころ、小遣い稼ぎのお手伝いとして、ちくわに刺して焼く鉄串を、1日中、指が紫色に変色するまで洗い続けた…という経験を話しました(笑)。面接ではみんなテレビがどれだけ好きかとか、こんな映像制作をしたとか、そういうアピールをしている中、「他の人と違う話題だ」と、面接された方々の食いつきが良かったので、ちくわの話の一本勝負でしたね。
蔵本 卓大
入社後はスポーツ局でADとして経験を積んだ後、現在の情報制作局へ異動されたと伺いました。
スポーツ局では、「すぽると!」や、バレーボール・ゴルフ・陸上などの中継の仕事にADとして携わりました。特に「中継班」では、サーカス団のように制作・技術・アナウンスチームで全国各地を転戦するのがとにかく楽しかったですね。また、スポーツ局では、社会人としての“基礎”がなかった自分をゼロから鍛えていただきました。
2015年に情報制作局に異動してまず感じたことは、その“守備範囲の広さ”ですね。扱っている情報が、僕の好きなスポーツだけでなく、ニュース、エンタメ等々、とにかく世の中で起きていること、“熱い”ことは、何でもありで、最初はついていくので精一杯でした。でも、自分の守備範囲の狭さを知ることができましたし、今では、新しい発見が毎日あることが楽しいと感じています。
また、「Mr.サンデー」で20~30分の企画VTRを担当していた時に、作家の石井成和さんから構成の基本技術を教えていただいたことで、もの作りの面白さにはまりました。例えば「ギャップは人の魅力!人物を描く時は、一番カッコ良いシーンか、一番カッコ悪いシーンから入って、ギャップを際立たせる」。これを知った上で、ドキュメンタリー・ドラマ・映画・マンガなどを見ると、この手法は確かによく使われている。この時期から、あらゆる作品を見るのも作るのも、どんどん楽しくなっていきました。
あと、宮下佐紀子プロデューサーに「蔵本は取材対象者と独特の距離感で接している。人に密着すると面白いものを撮ってくる」と言われ、「俺って密着系の仕事が向いているのかも・・・」と信じることができたのも、この番組を担当していた時ですね。すご腕の制作者に囲まれて、「Mr.サンデー」は僕の人生を変えてくれた番組です。
サブスタジオでも思わず立ち上がって・・・

サブスタジオでも思わず立ち上がって・・・

そうしたさまざまな経験の中で、一番大変だったことを教えてください。
『直撃LIVE グッディ!』のディレクターとして取材した2018年の平昌オリンピックですね。三田(友梨佳)アナウンサーと、北朝鮮の応援団が韓国に入るという現場を取材をしたのですが、南北融和に対する賛成派と反対派の衝突が会場周辺で起きて、暴動のような状況もありました。取材を統括するディレクターとして、三田アナウンサーやカメラマンの身の安全を確保しながら取材したのが一番大変というか緊張した出来事ですね。
『グッディ!』のディレクターとして平昌五輪を現地取材

『グッディ!』のディレクターとして平昌五輪を現地取材

では、蔵本さんにとって一番やりがいを感じることはなんですか?
モチベーションの源泉は番組を見た人の反応です。でも悲しい現実として、テレビ制作者は視聴者の反応を直接見ることが出来ません。感想を言ってくれる知人の言葉が、どれほど励みになっているか…。先ほどお話しした僕の実家のちくわ店では、お客さんの喜んでもらえる顔が見えたり、美味しいって声をかけられたり、直接の反応が得られて羨ましい限りです。そういうこともあってか、僕はOAの内容を事前に第三者が確認する「プレビュー」が大好きなんです。普通「プレビュー」って、上司や同僚から「ここがダメ」だとか「ここが面白くない」とか「ここを変えろ」とかいろいろ言われるので、ディレクターは嫌がるんです。でも僕は、視聴者に伝わらないことが一番いやなので、「ここが良くわからなかった」などと指摘してもらえた方が良い修正ができますし、「プレビュー」で何を言われても第三者の反応を知ることで番組をより客観視できます。ですから、嫌な気がしないし、むしろ好きなんです。もちろん自分が譲れないことに関しては、しっかりと主張・説明もします。
蔵本 卓大
最後に、今後、こんな番組を作りたいなどの目標があれば教えてください。
ノンフィクションとフィクションのどちらも制作できるディレクターになることが目標です。伝えたいと思う題材が、情報番組やドキュメンタリーといったノンフィクションの形では放送できないこともあります。そういう題材であれば、フィクションに形を変えて、ドラマや映画に落とし込んで放送できる、そんな柔軟なディレクターを目指しています。
蔵本 卓大

取材者の目をまっすぐ見ながら、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた蔵本ディレクター。「あとで泣いたことはあっても・・・」「緊張感、恐怖が常にある」「自分一人が視聴者ではない」「モチベーションの源泉は番組を見た人の反応」といった言葉からは、番組制作者として、真っ正面から「人」と向き合おうとする謙虚で真摯な姿勢、そして確固たる「信念」が感じられた。故郷から遠く離れた慣れない日本で生活するウクライナ人家族の日常を通じて、戦争の愚かさを映し出した今回のドキュメンタリー。毎土曜の朝に「宝箱」を視聴者にお届けしながら、さまざまな「人の歩み」を映像として丁寧に記録し、「人の心」を描き出す日々が、これからも続くことになりそうだ!

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