遠隔地の学校教育 〜ラオス〜 ユニセフラオス事務所 副代表 Dr. アン・ディクストラ |
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![]() 都市部から遠く離れた農村地域での暮らしには、生き生きとした印象がありました。まだラオス語がよく分からなかったせいで、視覚的なイメージの方が強く印象に残ったのかもしれません。道端に佇む女性たち、子どもたち…。お母さんたちはおんぶひもで小さな子どもを背負っていたり、あるいは、薪や水、食糧などの重い荷を運んでいました。 山腹に村々が点在する様は荘厳な風景でもありましたが、その分、子どもたちには遊び場が少なく、家族が自給のための作物を栽培する場所さえ限りがあるようでした。 |
村の集会では子どもたちも大切な参加者で、親や、大人たちの膝に心地よさそうに抱っこされていました。幼稚園や小学校の教室には教材があまりなく、子どもたちであふれかえっていました。女性や子どもたちは、手動式の脱穀機を使って米を叩いていました。そんな光景は挙げれば切りがないほどです。 私たちは、村の集会に参加した人たちから、いろいろな話を聞きました。親たちは、子どもの病気のこと─どの子がまだ生きていて、どの子がもう亡くなってしまったか─を引き合いに出して自分の子どもの話をするのです(ほとんどの家庭で、一人以上、防げたかもしれない病気で子どもを亡くしているのです…)。あるいは、村を出て、町の縫製工場で働いている子どものことを話す親もいました。親たち、大人たち、村長、村のボランティアたちは、子どもの保健、栄養、教育を向上させたいという話もよくしていました。 |
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![]() この2年間というもの、ユニセフとラオス教育省(MOE)は、学校間の教材・資材の共有、助け合いができることを願って、このクラスタースクール制度を発展させる努力をしてきました。しかし、クラスター制度は、まだ、初等学校全体のおよそ15%にしか適用されていません。 |
ルアンナムタ県には47の小数民族が、山岳地帯の孤立した5つの地域に暮らしています。子どもを学校に通わせるため、親たちがどれだけ経済的な犠牲を払っているのか、数知れない話を聞きました。先生たちは、自分の地元コミュニティを遠く離れて教えることの辛さ、それを乗り越えるための努力をどれだけしているか、よく話してくれました。こうした話に、この土地を調査に訪れた私たちは皆勇気づけられたものでした。 ユニセフは、支援者の皆様からお預かりした資金で、各コア・スクールに教材センターを建設しており、それが地域参加、教育普及の拠点となっています。村長たちは互いに協力して、教材センターの建設作業を行い、また、校舎や教室などの修理も行いました。先生や親が教材を製作します。親は先生に食と住を提供し、先生はカリキュラムに必要な教材を開発できるよう、週に1回、会合を開きます。子どもたちの学習が順調かどうかフォローするために、テストも行います。クラスターでは、スポーツ大会、芸術・文化デー、歌と民族舞踊の交流会など、様々な活動、コンテストを行っています。クラスターで共同参加によって得られる成果が、問題を解決し、ひいては子どもたちの学習、教育の改善につながるのです。 |
![]() 幼児開発や基礎教育の分野では、ユニセフの支援に対して、家庭、村、学校などから良い反応がたくさんあります。皆様のご支援があればこそ、ユニセフはラオスの子どもと家族の暮らしを改善する努力を続けて行けるのです。 |
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