ボリビア多民族国

ボリビア多民族国概況
■支援対象国 ボリビア多民族国

ボリビア多民族国

*国民の60%が貧困層に属する南米で最も貧しい国の1つ
*特に、富の格差が激しく、先住民らが暮らす農村部では貧困率は70%に達する
*貧困から、多くの子どもたちが鉱山や農場での労働に従事している

FNSチャリティキャンペーン事務局では2017年度の募金活動の対象国をボリビア多民族国として支援活動をおこなって行きます。

ボリビアは、南米中西部に位置する内陸国で、面積は日本の3倍の約110万平方キロ、人口は約1080万人です。経済は、農業、鉱業産品、天然ガス等の一次産品が総輸出の約80%を占め、国際価格の影響を受けやすい構造ですが、近年は、年間4~5%の経済成長をとげています。亜鉛、鉛、リチウムなどの天然資源が豊富で、日本との関係では、亜鉛および鉛の主要な輸入先国の一つとなるなど、貿易経済関係も深まっています。経済成長が軌道に乗りつつある一方で、富の不平等な分配が長く続き、今日でも南米で最も所得格差が大きい国です。国民の60%以上が貧困層に属し、南米で最も所得水準の低い国の一つです。
近年では、金属資源に加え、天然ガスなどの輸出が拡大していますが、その恩恵が広く国民に行き届いていません。市場経済化の推進によって貧富の格差が広まっているのが現状です。

【子ども・青少年の保護】
最も深刻な社会問題の一つが児童労働です。現在、ボリビアでは、家計を助けるために約50万人の子どもが路上の靴磨きや露店などで働いてたり、農場や鉱山などでの労働を強いられています。働く児童のうち、14歳未満が58%にのぼります。
2014年、子どもと青少年の保護に関して新たな法律が制定され、経済的搾取や教育を妨げる労働などから子どもを守らなければならないと定められました。しかし、一方で12歳の子どもでも保護者の同意があれば働けること、また10歳にしかならない子どもでも自営であれば働けることを法律の適用除外として認めている点について、ユニセフが憂慮を表明しています。
~鉱山地域での児童労働~
天然資源が豊富に採れることから、鉱山地域では多くの労働者が採掘作業に従事しています。貧困にあえぐ家族を助けるなどの理由から、事故などの危険も伴う鉱山での労働に多くの子どもたちが従事しており、けがをしたり、健康を害したり、命を落とすこともあります。
~農村部の厳しい現状~
特に貧困が深刻なのは先住民の暮らす農村部です。アンデス高原地帯では、高地という過酷な自然環境の下、伝統的農法によって作物を栽培しているため、その生産性は低いものとなっています。こうした中、学校にも通えない環境で働いている子どもたちが数多くいます。
~児童労働の撤廃に向けて~
児童労働は、子どもが持つ学校に行く権利を奪い、健康を損ね、暴力にさらし、世代をまたぐ貧困の連鎖を促進させるものです。
子どもの権利条約第32条は、すべての子どもは経済的搾取から保護され、危険な労働、または子どもの教育の妨げとなり、子どもの健康もしくは身体的、精神的、道徳的、社会的な発達に有害となる恐れのある労働への従事から保護される権利を認めています(経済的搾取からの保護)。
ボリビア政府は、1990年6月26日に子どもの権利条約を批准しています。
児童労働の撲滅は、極度の貧困と飢えを撤廃し、男の子も女の子もすべての子どもたちが初等教育を修了することをかなえるものです。また、子どもへの暴力や読み書きができないこと、HIV/エイズやほかの病気から守る助けとなります。
ユニセフは引き続きボリビア政府とともに、あらゆる形態の児童労働の撤廃に取り組み、また、『栄養』、『水と衛生』、『教育』、『子どもの保護』などの分野でも支援活動を進めております。

FNSチャリティキャンペーンでは、情報番組「とくダネ!」と連携して、現地での取材活動を、3月中旬と、4月中旬から下旬を目途に、2度にわたって実施する予定で準備を進めていきます。現場の状況を克明にリポートしつつ、こうした環境の中で子供たちがどう頑張って生きていこうとしているのかを日本の人々に真摯に伝えていきたいと思います。そして、このドキュメンタリーを地上波「とくダネ!」で放送するのを皮切りに、1年間にわたりネット局27局の地上波放送のほか、BS、CS放送やインターネット動画配信を使って広く紹介しながら、全国のフジテレビ系列局と共に募金活動を行っていきます。
集まった募金は、ユニセフを通じて、現地の子どもたちの支援に使われます。