フジテレビジュツの仕事
ぽかぽか
2023年1月~
毎週月~金 11:50~13:50
- 美術プロデューサー
- 古川 重人
- アートコーディネーター
- 石田 博己/鈴木 あみ/林 勇/中村 秀美/西嶋 友里
- 大道具
- 西田 武史
- 大道具操作
- 渡辺 桃加
- アクリル装飾
- 伊藤 幸枝
- 電飾
- 石井 誠
- アートフレーム
- 坂脇 伸吾
- 装飾
- 高祖 朋代
- メイク
- 山田かつら
ビジュツのヒミツ①
フジテレビ7Fに出現!
“何でもアリ”のカラフル空間
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フジテレビ本社屋のシンボル「はちたま」の真下。
7階にあるフジテレビショップ「フジさん」のヨコ。
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フジテレビのお昼の顔『ぽかぽか』は元レストランを
大改造した特設会場から毎日生放送しています。
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中に入るとそこは色とりどりのポップな空間。
楽しげなアイテムで埋め尽くされています。
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「飾りたいもの」ありきで始まったというセットデザイン。
トータルコンセプトはそこそこに“何でもアリ”の広場に
なりました。
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スケボーやTシャツ、スニーカーもキャンディーも。
共通しているのは「カラフル」。
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通常はキーカラーを決めてデザインすることが多いのですが、
この番組は、黄色とオレンジ中心にメインの色遣いは異例の
15色。まさに楽しいカラフルアイテムで世界をぬりかえて
いるのです。
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そんな世界をのんびり覗き込んでいるのは、
青山哲士さんデザインの番組キャラクター。
おなじみ“まんぷく昼太郎”の仲間たちです。
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“昼二郎”や“昼五郎”も。
みんなイケナイ食べ物の誘惑には勝てないようで。
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TOUSHITSUを愛する“昼美”は美術セットの上の方から。
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お昼時の番組ですから、かわいいキッチンも。
のれんは特殊印刷スタッフが出力しました。
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奥には自動販売機も。
あまーいドリンクが揃ってます。
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そして、ステージ上でひときわ目立つのが
「ぽかぽか特製カラフル冷蔵庫」。
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両開きの扉を開けると、
一応プレゼンモニターは仕込んでありますが、
やっぱり“まんぷく”アイテムがひしめいています。
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「ノーマヨ、ノーライフ」の“昼四郎”は
マヨネーズをボトルキープしているようです。
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欲望渦巻く“何でもアリ”の空間ですが、
毎日見ても飽きがこないまとまりも必要。
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特に色が多い美術セットなので、
美術デザイナーが頭を悩ませた「色の配置」にも注目を。
2023年6月
ビジュツのヒミツ①
いつでも覗ける
特別な生放送会場作りました!
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大きな窓が気持ちいいレストランを生放送スペースに。
前代未聞の大改造に美術スタッフも知恵を絞りました。
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使い勝手のいいスタジオと決定的に違うのが
「そもそも美術バトンがないので、吊り物ができない!」
ということで照明スタッフも同じ悩みを抱えることに。
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毎日の生放送ですから安全第一。
美術セットの骨組みは鉄骨で頑丈に作りました。アーチは
装飾効果も意識した特注品。実は照明バトンも兼ねています。
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セットの壁も通常の木製ユニットパネルに加えて
ガルバリウム鋼板を取り入れました。強度も保証されるし
表面の凹凸がのっぺり感を払拭してくれます。
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縦型の電光掲示板に流れるポップな文字。
美術セットに動きを与える効果的な役割を果たすため
電飾スタッフが用意しました。
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番組ロゴの吊り看板もカラフルに。ビミョーな凹凸が
電飾の光によってニュアンスを変えてくれます。
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こちらは舞台裏。曜日ごとに変わるコーナー企画に合わせて、
大道具の出し入れも一苦労。
生放送ですから、セット転換も見せることになりました。
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バミリテープもご覧の通りカラフルに。
一応、曜日で色分けされているとのことですが
部外者には訳わからん状態。
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セットする道具にも同じ色のテープが。
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どんなトラブルがあるかわからないので、
もちろんガチ袋は常備されています。
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すべての曜日のコーナーセットを収容するので、
手狭なバックヤードでは整理整頓が最重要ミッションです。
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本番中も舞台裏では次のコーナーのスタンバイ。
「ぽいぽいトーク」のフリップも準備OKのようです。
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広い窓の一部は、本番になったらいざオープン。
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こんなカンジで生放送の様子がよく見えます。
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名付けて「ぽかぽかパーク」。
お台場へお越しの際は、是非一度覗きに来てくださいませ。
2023年6月
デザインのヒミツ
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph01.jpg)
ー今回のセットデザインのポイントは?
小濵
実は、美術セットの打ち合わせは全体の世界観というよりは、いくつかの断片的な要素から始まったんです。「この絵をどこかに飾りたいんだけど」とか「タイトルロゴはこんなカンジ」とか「こういう音楽をテーマ曲にしようと思う」とか「オリジナルキャラクターがいる」とか。演出から渡されたビジュアルやキーワードを自分なりに咀嚼して、形にしていくという作業でした。途中でもどんどん足されていくので、その度にちょっとずつ変えていくというか、そんなカンジでした。とにかく「何でもあり」の感覚で楽しみながら進めていきました。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph02.jpg)
ー具現化するのに苦労があったのでは?
そういう意味では自由に考えさせてもらったので、どうなっていくのか自分でも楽しみでした。あれこれイメージを膨らませて、最初は2つのスケッチを提案しました。青山さんがデザインしたロゴやキャラクターからイメージした「ポップな定食屋さん」と、テーマ曲からイメージした「いろいろな国が混在した路地裏」です。何となく「定食屋さん」の方向で行こうかということになったので、そこから細部に入っていった流れです。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph03.jpg)
ーいろんなカラフルアイテムがディスプレイされていますね。
はい。スニーカーやTシャツ、スケボー、お花、お菓子など。演出サイドからの要望もありますが、あとは装飾スタッフとあれこれ話しながら集めました。番組としてのメインの色が15種類もあるので、同色のグラデーションというよりはそれぞれの色をどう配置するかを意識して飾っています。他にもロゴやキャラクターの着ているシャツなどに、青山さんならではの文字が入っているんです。昼四郎の胸に「ノーマヨ、ノーライフ」とか。そこに引っかけてマヨネーズに名前を書いてボトルキープにしてみたり。細かい遊びをいろんなところでやってます。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph04.jpg)
ー本社屋7Fでの特設会場設営について。
元レストランのスペースなんで、大きなカウンターを撤去するというかなりの大工事があったようです。美術セットとしては、スタジオのように美術バトンがないのでパネルが吊れないのが最大の問題。鉄骨で基本の枠組みを作るところから始めましたが、照明さんも同じ悩みを抱えているので相談しながらデザインしました。あとは、眺めのいいレストランだったので、窓から外光が思いっきり入るし、天井も高いんです。観覧者もいるので、空間の開放感はある程度残しつつ、生放送会場としても成立するようにバランスを考えました。でもスペースの都合でどうしても横幅がとれないので、逆に奥行きを深くするデザインを考えました。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph05.jpg)
1階は食べ物屋さんが並び、2階より上はショップや緑地が集まった空間づくりは、演出が好きな「MIYASHITA PARK」を意識しています。オープンエアの部分もあるアクティブで楽しい場所の魅力が出ていればいいなと思っています。実は、壁のガルバリウム鋼板も「MIYASHITA PARK」リスペクトなんです。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph06.jpg)
ー舞台裏のスペースは手狭ですね。
控室スペースもレストランのパントリー部分を有効利用するなど、制作スタッフにもたくさん協力してもらっています。美術サイドでも、スタッフの待機スペースも、コーナーセットや小道具の置き場もないので、工夫して厨房の隙間に収納するとかして、大道具スタッフやアートコーディネーターに何とかやり繰りしていただいてます。ただ、当初大きなセット転換を想定していなかったので、どうしても登場口のたっぱが低く、セット転換が大変になってしまいました。今は皆さん慣れてきてスムーズに転換してくれるので、とても感謝しています。
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph08.jpg)
ー美術サイドからの見どころを教えてください。
演出や美術スタッフの皆さんに好きにやらせていただけた結果、「曲線あり直線あり、書き割りもあり、スチロール造形あり」と何でもアリの、見た目にも楽し気なセットになったかなと思っています。ステンドグラスや自動販売機の飲み物、のれん、ガチャガチャなどのビジュアルデータもすべて自ら作成しているので、細かい部分にも注目して、番組を楽しんでいただけると嬉しいです。
(2023年6月)
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph07.jpg)
![ぽかぽか](photo/w2306v01/tech_ph09.jpg)