フジテレビジュツの仕事
超逆境クイズバトル!! 99人の壁
2018年10月〜
毎週土曜日 19:00~19:57
- 美術プロデューサー
- 副島 翔太郎
- アートコーディネーター
- 太田 菜摘
- 大道具
- 宮路 博貴
- 大道具操作
- 田中 裕士
- 装飾
- 百瀬 貴弥
- アクリル装飾
- 鈴木 竜
- 電飾
- 後藤 祐介、富谷 聡
- 衣裳
- 岡田 夏美
- マルチ
- 大高 貢
- 視覚効果
- 荒井 美沙紀
ビジュツのヒミツ①
急傾斜!
立ちはだかる壁のプレッシャー
![](photo/w1812v01/secret01_ph01.jpg)
99人に対峙して、その壁を乗り越える。
“超逆境”の状態を表現したのが、このスタジアムセットです。
![](photo/w1812v01/secret01_ph02.jpg)
立ちはだかる“壁”をどう表現するか。
挑戦者たちが襲いかかるかのように、客席の傾斜は平均45度。
最も急な最後列は55度にもなります。
![](photo/w1812v01/secret01_ph03.jpg)
高さ5mからの眺めはこんなカンジ。
すべての視線がセンターステージに集中するので
否が応でもプレッシャーを感じる仕組みです。
![](photo/w1812v01/secret01_ph04.jpg)
セットに組み込まれたLEDビジョンには
司会者の掛け声に合わせて、火花が散ったり、光が舞ったり、
音響とともに会場を盛り上げます。
![](photo/w1812v01/secret01_ph05.jpg)
賞金目指しての真剣勝負。
登場ゲートの近くで睨みを利かせる百獣の王の足元には、
コインとともに金塊も積まれています。
![](photo/w1812v01/secret01_ph06.jpg)
舞台裏にはもう一つ、
空間をドラマチックに演出するアイテムが。
ご存知“スモークマシーン”。
![](photo/w1812v01/secret01_ph07.jpg)
巨大扇風機が目立っていますが、本体はコチラ。
![](photo/w1812v01/secret01_ph08.jpg)
専用液を気化させて、扇風機に送り込むこのマシーン。
小ぶりながらも強力で、かなりの働きモノ。
ステージを包み込むスモークに照明が当たると
効果バツグンです。
![](photo/w1812v01/secret01_ph09.jpg)
光の筋が闇に浮かび上がる逆境バトルステージ。
さて今夜は、どんな結末が待ち受けているのでしょうか。
2018年12月
ビジュツのヒミツ②
早押しボタンもカメラレールも、
工場でカスタマイズ
![](photo/w1812v01/secret02_ph01.jpg)
臨場感あふれる映像を届けるため、
センターステージを取り囲むように、
カメラレールが設置されています。
![](photo/w1812v01/secret02_ph02.jpg)
このレール、角のアール部分をセットに合わせて作った特注品。
フジテレビジュツの工場では、
鉄工所も真っ青の金属装置も作るんです。
![](photo/w1812v01/secret02_ph03.jpg)
引っかかると大変なので、
ジョイント部分とネジ頭の処理が重要。
レール同士は、ターンバックルと呼ばれる調整器具を使って
がっちり固定します。
![](photo/w1812v01/secret02_ph04.jpg)
繊細な装置も作ります。
早押しシステムも番組に合わせて一から組み上げました。
![](photo/w1812v01/secret02_ph05.jpg)
センターステージの主役はコレ。
人呼んで「キノコスイッチ」。赤いプラスチック製です。
手のひらに“押した実感”がビンビン伝わります。
![](photo/w1812v01/secret02_ph06.jpg)
一方、“壁(ブロッカー)”の人たちのスイッチは黒。
カバーはラバーでできていて、指で押すのに適していますが、
興奮して叩く人がほとんどなのだとか。
もちろん反応レベルはセンターと同じ条件。
コレ重要。
![](photo/w1812v01/secret02_ph07.jpg)
“壁”の方が早かった時に光る電飾。
センターステージからも見えて、同時に自分でも気づくように、
テストを重ねてこんな形状に落ち着きました。
![](photo/w1812v01/secret02_ph08.jpg)
スティック型LEDを、
「乳半カバー」でくるんだ番組オリジナルです。
![](photo/w1812v01/secret02_ph09.jpg)
一瞬の差で決まる「早押し」。
正確に反応しないとエライことになるので、
システムスタッフのプレッシャーも出場者同様。
舞台裏にも緊張感を強いる番組なのでした。
2018年12月
デザインのヒミツ
![超逆境クイズバトル!! 99人の壁 イメージパース 第1・2回放送](photo/w1812v01/tech_ph01.jpg)
2017年12月・2018年4月放送回
ーまさに“壁”という感じのセットですが、デザインの
コンセプトは?
永井
ディレクターから初めに伝えられたコンセプトは
「四面楚歌」。四方を取り囲まれたコロシアム風にしたい、と言われました。それで、格闘技のリングをイメージしたステージを中央に置いて、そこに向かってあたかも高い壁が迫りくるような空間を作りたいと思いました。
![](photo/w1812v01/tech_ph05.jpg)
ー「四方が壁」という前提は比較的わかりやすい形だと思いますが、その形ならではの工夫などはありましたか?
四面全てを囲む形のセットって、実はあまりないんです。普通はカメラマンが映り込まないように、カメラの“撮り口”用としてどこかの面を開けます。なのでこのセットでは、“撮り口”にかなり気を遣いました。
中央のチャレンジャーが立つステージと“壁”との間の通路を広めにしたり、99人のブロッカー達の“壁”の中にカメラスペースを紛れ込ませたりしています。
![超逆境クイズバトル!! 99人の壁 イメージパース 第3回放送](photo/w1812v01/tech_ph02.jpg)
2018年8月放送回
ー苦労した点は?
“壁”感と撮りやすさのせめぎ合い、でしょうか。チャレンジャーと壁との距離が広いより狭く、壁も低いより高くした方が断然、プレッシャー感は増します。
ただ、狭いほど、高いほど、撮りづらくなります。なので、壁の迫り感が出てかつ何とか撮れる、ギリギリの線を設定するのに試行錯誤しました。
![](photo/w1812v01/tech_ph03.jpg)
ー視聴者に最も見て欲しいところは?
我々は「お題ボックス」と呼んでいるんですが、99人のブロッカー一人一人の前の立て札です。それぞれの得意ジャンルが書いてあるので、たとえセンターステージに上がれなくても、カメラに一瞬映り込むだけで、その人達にも自然に目が行きます。
視聴者代表でスタジオに来た人達にキャラ付けをして、それを視覚化したのがこの「お題ボックス」なんです。これがずらっと並んでいることで番組の意図も出しやすいし、見ている人にも「自分ならこういうジャンルで出られるかな」と参加意欲を持って頂けるのではないかと。
![](photo/w1812v01/tech_ph06.jpg)
ー視聴者関連といえば、スタジオセット以外にも写真撮影用のセットがあると聞きましたが……。
西出
はい、そちらは私が担当しました。スタジオの外で100人の方々が待機する場所に、単独セットを建てたフォトスポットを設けています。収録の前後に記念撮影をするためのスポットですが、撮った写真をSNSで拡散して頂いて、番組を広く知ってもらうことを狙いとしたものです。これまでにも出場者のインスタやツイッターで時々上がっているのを目にします。
![](photo/w1812v01/tech_ph07.jpg)
ー放送には出ないセットですが、こだわりはありましたか?
画面には映りませんが、逆に、来てくださった方々にとっては間近で見られる、さわれるセットなので、細かい部分にもこだわりました。レンガ風の壁紙もスタジオセットに合わせて何度も作り直しましたし、解答ボタンも本番と同じものを置いています。出番の前にこのボタンで早押しの練習をしている人もいて、「そういう用途もあったのか」と(笑)。
永井デザイナーが言うように、この番組は視聴者代表100人あっての番組なので、だからこそ、放送のためではなく出場者のためにセットを作ることにも意義があると思うんです。
このセットがSNSにどんどん載って、番組盛り上げの助けになれば嬉しいですね。
![](photo/w1812v01/tech_ph04.jpg)
平面図