フジテレビジュツの仕事

    今夜はナゾトレ

    2016年11月〜 
    毎週火曜日 19:00〜19:57

    • 美術プロデューサー
      佐々木 順子、副島 翔太郎
    • デザイン監修
      鈴木 賢太
    • アートコーディネーター
      椛田 学
    • 大道具
      浅見 大
    • 大道具操作
      佐藤 貴志
    • 装飾
      門間 誠
    • アクリル装飾
      鈴木 竜
    • 電飾
      今井 歩
    • 特殊装置
      後藤 佑介
    • 生花装飾
      荒川 直史
    • マルチ
      伊藤 拓也
    • メイク
      大高 理恵

    ビジュツのヒミツ①

    色はF22-80XとF12-60Xで!

    スタジオに「ナゾの館」が出現。
    格式高く古い洋館風のセットは、全体は青系と木目調でまとめ、ポイントで金色を使った構成です。

    解答者まわりの色づかいは、
    そこに映える色として、黄色とオレンジに決定。
    どういう映像を撮っても、必ずその色が映るよう工夫しました。

    黄色とオレンジといっても、より原色に近い色をということで
    今回、黄色は「F22-80X」、
    オレンジは「F12-60X」をチョイス。

    仕上げに影響するので、
    美術では、日本塗料工業会の色見本番号で伝えるのが基本です。
    照明さんとも打ち合わせをして
    窓明かりの色も、きっちり統一されています。

    解答台や花の色味はもちろん、
    館を飾る彫像も、黄色とオレンジにペイント。

    MCの後ろに見えるのは、
    クイズ番組の“ひらめき”をイメージして、
    装飾さんが用意した彫刻を番組のカラーに塗りました。

    2018年4月

    ビジュツのヒミツ②

    「そこは“サンメント”にしよう」

    不気味なイメージが漂う、アンティークな世界には、
    謎めいた装飾がいっぱい。

    下手(しもて)の階段には、様々な額縁。
    不思議な雰囲気に満ちています。

    上手(かみて)の壁には、たくさんの時計。
    みんな時刻が違います。中には針のないものも。
    時空のゆがんだ知的バトルの世界を、表現しています。

    古風な洋館らしく、随所に「モールディング」飾りが。
    建物や家具につけられる帯状の装飾で、
    古代エジプト・ギリシャ建築でも使われています。

    セットのために、石や木から彫りあげるわけにもいかないので、
    ビジュツでは、軽くて扱いやすい
    「紙・パルプ」や「ポリウレタン」、「ガラス繊維入りの石膏」
    といった素材のモノをよく使います。

    フジテレビジュツでは、よく「そこは“サンメント”にしよう」
    などということがありますが、
    “サンメント”は、みはし(株)のオリジナルブランド名でした。

    2018年4月

    ビジュツのヒミツ③

    「せーのー、ドン!」光る電飾の裏側

    「皆さんの答えを見てみましょう」
    「せーのー、ドン!」
    モニターに解答が映ると同時に、電飾が光る!
    おなじみのシーンの裏では、電飾さんが大忙しです。

    解答者の数は合わせて8~12人ですから、
    ステージ横のブースには、分割画面のモニターがズラリ。
    「せーのー、ドン!」
    あの瞬間に向けて、シンキングタイムの間に準備します。

    書き終わった解答席の画面をロックするスタッフ。
    正解・不正解をチェックするスタッフ。
    正解者の席だけが光る、電飾の回路をつなぐスタッフ。
    収録中は大声が出せないので、アイコンタクトの連携です。

    たくさんのボタンが並ぶ、スイッチャーリモート台は特注品。
    金属板に一つずつ穴をあけて作ります。
    番組ごと、コーナーごとで
    人数が違えば、それに合わせて毎回調整。

    解答ボタンが光るのは、「テープLED」電飾。
    ちょうどよい長さでカットできるので重宝されています。
    LEDなので色の変化も自由自在です。

    システムトラブルが命とりなのが、クイズ番組の宿命。
    熟練したオペレーションが、常に求められます。
    楽しいスタジオの片隅で、
    今日も電飾さんの緊張感はハンパないのでした。

    2018年4月

    デザインのヒミツ

    夜景フィルム加工

    夜景フィルム加工

    ーセットデザインについて、プロデューサーからの要望は?

    永井 達也

    永井

    プロデューサーからは、「謎めいた」、かつ「豪華な」雰囲気を出したい、との要望がありました。「謎」を表現するにあたって、「謎」=「ミステリー」から、ミステリー小説の舞台の代名詞でもある「洋館」をイメージした、荘厳な感のあるセットにしようという大まかなコンセプトが出来ました。
    そして、番組タイトルの「夜」を表すために、2階正面に大きな窓を設け、そこから大きな月とフジテレビがある台場のきらびやかな夜景を望むような形にしました。
    また、セットの中でさまざまな種類の謎解きができるように、洋館を2階建てにして動ける空間を増やすと同時に、セットに奥行きも持たせています。

    セットイメージ 正面

    セットイメージ 正面

    ー「謎めいた洋館」に仕立てていくための工夫は?

    過去の担当番組で、既製品の装飾物の色を塗り替えたものを置いてもらったら、そこがちょっと変わった面白い空間になったことがありました。それをヒントに、今回は彫刻品を番組のテーマカラーの黄色とオレンジ色にペイントしてもらいました。彫刻の「重厚感」と「暖色」のミスマッチから、ミステリアスな空気を醸し出せるかと。

    セットイメージ 下手

    セットイメージ 下手

    ー特にこだわった点は?

    質感です。クイズバラエティ番組ですが、むしろドラマに近い質感のセットを目指して、見た目がにぎやかなバラエティ番組っぽい素材をなるべく避け、木目やタイルなどで気品ある豪華感を出すように心掛けました。モールディングの装飾柄を細かく指定したり、壁紙も海外のものを使用しています。

    ー最も苦労したところは?

    出演者が謎解きをしやすいスタジオ作りです。演者さんが見るVTRモニターはどの角度が最も見やすいか。各カウンターをどのサイズにして、その上のタブレットや早押しボタン、解答表示モニターをどう配置すれば使いやすく収められるか。そこはテレビ画面には映らないところですが、出演者の方々が解答に集中できるような空間を、美術チーム全員で意識して作り上げています。

    カウンター台割

    平面図