フジテレビジュツの仕事

    S-PARK

    2018年4月〜 
    毎週土曜日24:35~25:15、日曜日23:15~24:30

    • 美術プロデュース:副島 翔太郎
    • アートコーディネーター:塩谷 達郎
    • 大道具:浅見 大
    • 大道具操作:西田 武史
    • 電飾:後藤 佑介
    • アクリル装飾:織田 秀幸
    • LED:齋藤 淳之介

    ビジュツのヒミツ①

    総重量1.8t!鏡でスパーク!

    番組ロゴにも使われている「スパークする光」のモチーフ。
    このイメージを、空間演出に取り入れたセットが話題です。

    壁にも、MCテーブルにも、光に浮かび上がる天井にも
    「スパークデザイン」が使われています。

    特に効果的なのが“床”。
    一面どこまでも続く「スパークデザイン」で、奥行き感を表現しました。それをさらに強調するのがコレ。

    スタジオセットには珍しい“本鏡”です。
    通常は鏡の代用品として、
    ポリエステルフィルムをパネル状にした
    軽量で扱いやすいリフェクスミラーを使いますが、
    今回は、レギュラー番組仕様の“建てっぱなし”がOKに。
    ならば鏡をたててしまおうと、あいなりました。

    鉄骨で支えた特注品の鏡は、7.6m × 3.6mの超重量級。
    3分割できますが、全部で重さ1.8t。
    “大物”はさすがに映りが違います。

    スタジオにやってきたゲストには、
    鏡に直接サインをしてもらうという企画も。

    この角度からの映像が映ったら、
    デザインと鏡のコラボレーションを、感じ取ってみてください。

    ビジュツのヒミツ②

    透過性LED?光の演出にも注目!

    「黒」を思い切って使ったシャープな空間。
    スポーツニュースならではの、
    映像とのマッチングを意識しています。

    背景のLEDディスプレイも特注の「アール(曲面)壁」仕様。
    13.7m × 1.2mの横長巨大画面は、
    映像やCG、デザイン文字などありとあらゆるビジュアルコンテンツを動きを付けて表示できるので、使い方は無限大です。

    その前を遮るように、
    斜めに設置された「導光板」で立体感を表現。
    「黒」の空間に浮き上がる「光」の効果を、
    最大限に発揮しています。

    さらに注目すべきが、
    日本のレギュラー番組初導入の透けるモニター。
    その名も「透過性LEDビジョン」。
    よく見ると、LEDライトの間にスリット状のわずかな隙間が。
    LEDを消すと背景が透けて見える仕組みです。

    最近では、繁華街のビルの窓にも使われだしていますが、
    スタジオセットなので、スリットピッチがかなり精密。
    50cmの幅に対して、実に54本のスリットが入っています。

    他にも、
    裏から光を当てると浮かび上がる「スパークデザイン」。
    実は、マジックミラー効果を使った黒いアクリルなんです。
    光の演出にも注目してご覧ください。

    ビジュツのヒミツ③

    広がる表現の幅!バーチャルCG

    もう一つ、毎回活躍するのが「バーチャルCG」。
    カラフルなCG&映像が、いろんな場所に出現します。

    シャープなスタジオも
    まさに「SPORTS-PARK」状態に。
    出演者の頭上に出現するバーチャルのモニターには
    競技映像を流すことができます。

    大きなCGは、下手(しもて)のスペースに登場。

    上手(かみて)には、コーナータイトルCGが。
    まるで鏡に浮かんで見えるような演出です。

    MCテーブルの前には、巨大サッカースタジアムや球場も出現。

    ぐるぐると回転させることもOK。
    様々なデータや選手の画像を重ねることもできます。

    バーチャルCG」とは、
    実写の映像データとCGをリアルタイムで
    デジタル合成するシステム。

    これが、カメラの動きをCG描画装置に送信する装置。
    カメラの実写映像(ズーム、角度、位置など)と
    CG映像を連動させることができます。

    生放送なので、もちろん操作もリアルタイム。
    サブ(副調整室)の一角では、
    専門のCGオペレーターが付きっきり。
    毎週、静かに真剣勝負に臨んでいるのです。

    デザインのヒミツ

    バーチャルCGイメージ パース

    バーチャルCGイメージ パース

    ーセットデザインについて、ディレクターからの要望は?

    邨山 直也

    邨山

    ディレクターからは2つの条件を出されました。
    1つは「海外のスポーツ番組のような雰囲気を出したい」、2つ目は「前番組『スポーツLIFE HERO’S』からガラリと変わった感じにしたい」。
    海外のスポーツ番組を見るとシンプルなセットデザインのものが多く、また「HERO’S」のセットでは“アスリートの情熱”をコンセプトに暖色系を多く使っていたので、「S-PARK」では逆に“シャープな”、“エッジの効いた”デザインで行こうと思いました。
    そこからディレクターと話し合いを重ねた結果、テーマカラーを黒に決めました。セットに使う色はほぼ黒。それ以外は白とゴールド。
    ゴールドは金メダルの“勝利”の色として取り入れたものです。

    ーテーマカラーを「黒」と決めてから、セット完成までに苦労したことは?

    実は、「黒」ベースのセットに対しては反対の声も少なくありませんでした。画面が暗い色だと視聴者が目を留めなくて、視聴率がとれない、と。バラエティ番組でも黒いセットは例が少なく、言わば“掟破り”だったんです。
    それでもあえてチャレンジしたのは、「黒=暗い」ではなく、「黒=他の色を引き立たせる」と思ったから。また一口に黒と言っても、ツヤの入れ方に工夫をすればさまざまな色味を出すことができます。
    ディレクターとも考えは完全に一致していて、「出来上がったら絶対にいいものになる!」という確信があったので、そこは黒で通させてもらいました。多分、ディレクターは根回しに苦労したと思います(笑)。

    ー途中でデザインを変えた部分はあったか?

    当初のデザインには丸みも多少入っていたのですが、番組ロゴに光のデザインが入っているのを見た時に、「これをモチーフに使おう!」と決めました。
    そこからは、床、壁、テーブル、天井とあたり一面に光デザインを取り入れて、全て四角ベースにし、丸の要素を一切排除しました。
    デザイナーとしては、番組ロゴやサイドテロップなどのCGとの統一感にも気を配りながらトータルコーディネートに貢献することで、番組のコンセプトをより鮮明に視聴者に伝えられるのではないかと思っています。

    平面図