フジテレビジュツの仕事

    とくダネ!

    1999年4月〜 
    毎週月〜金曜日 8:00~9:50

    • 美術プロデューサー:古川 重人
    • アートコーディネーター:石田 博己
    • 大道具:篠本 恭介
    • 大道具操作:清水愛
    • アクリル装飾:犬塚 健
    • 電飾:森 智
    • 特殊装置:桑島 亮太
    • 植木装飾:後藤 健

    ビジュツのヒミツ①

    新セットは、
    手作り感で「楽しい工作気分」

    放送5000回を突破、
    20年にわたってフジテレビの朝を支えてきた「とくダネ!」。
    美術セットも2019年春に大幅リニューアルとなりました。

    ビジュアルコンセプトのもとになる番組ロゴも一新。
    ピンクを基調にした配色が目を引きますが、フォルムもスクエアからキューブに。立体感が加えられています。

    スタジオ空間もそのキューブデザインを取り入れつつ
    手触り感を意識しました。

    木を使った手作り工作が、あちこちで遊び心をくすぐります。
    こちらの“作品”は働き者。放送中もずっと動いてます。

    こいつが回るとこの紐が引っ張られて・・・?
    ついつい動かしてみたくなるアイテムの数々。

    このファンも手作りですかあ。

    白木の質感が支配する温かみのある空間。
    隙間からのぞく緑が気持ちを和らげます。

    アクセントになっている赤や青のキューブに混じって
    アクリルキューブに入った緑もありました。

    木の色もほぼこの3色で統一されています。
    床も、色を合わせてマーブル調に。

    おなじみ“鎮(しず)”を隠すボックスも作っちゃいました。

    ビジュツのヒミツ②

    どんな素材でもお任せを。
    塗りのマジック

    今回のリニューアルの目玉の一つが
    “スライドできるプレゼンモニター”です。

    重いモニターを支えるのでスライド枠は鉄骨で組み上げました。

    いかつい鉄の印象を和らげるため、
    木製に見えるように直に模様を描くことに。
    絵筆を持った大道具スタッフ、「絵師」の仕事です。

    合板の表面もご覧の通り。
    木目模様に変身させることもできます。

    「絵師」たちがよく使う秘密兵器がコレ。
    人呼んで“ウッドグレイニング”。

    力の加減を変えることで、
    きれいな木目の模様を大量生産できます。

    どんな素材でも、それっぽく見せるプロの技。
    これも木製かと思いきや、実は発泡スチロールで作ったもの。
    いかに騙せるかが腕の見せ所です。

    スライド枠の仕上げマジック。
    同じように見えますが、右側が木製、左側は鉄製です。
    元の素材の違いを見破れる人がいたらかなりの強者ですゾ。

    ビジュツのヒミツ③

    「アマタツーッ」支える
    ビジュツの技

    「アマタツーッ」でおなじみのお天気コーナー。
    雨の日も風の日も、外から体感で伝えます。
    天達さんのお伴と言えば、こちらの風見鶏。
    くるくる回るイメージですが、実はコレ相当な重量です。

    お台場名物の強風対策としては、これくらいガッチリ作らないと心配。安定するのに十分な重さが必要なんです。
    それでもまだまだ油断はできない。ということで、
    さらに台座には鎮(しず)を入れる空間も作っています。

    温度や湿度は、アクリル棒の部品を組み合わせて
    “デジタル”表示。
    でも実際の作業は、アナログの手作業です。すみません。

    お天気のデータは、
    気象協会などから直接フジテレビの気象センターに
    リアルタイムで送られてきています。

    そのデータを番組ごとに違うデザインフォーマットに合わせて、自動でビジュアル化。
    「とくダネ!」では、ピンクをベースにリニューアルしました。

    お天気マークも番組よってデザインが少しずつ違います。
    ちなみに「めざましテレビ」のおひさまはニッコリ顔。

    手作り綿雲など、天気図を前にしたプレゼンには
    小道具が時々登場。コレ実は、番組ADたちの苦心作。

    「うまくいった!」「ちょっとやっちゃった!」
    実は舞台裏で、美術スタッフも手に汗握っているのです。

    デザインのヒミツ

    ー20年にわたる長寿情報番組ですが、この番組独自のデザインコンセプトはどのようなものですか?

    齋田 崇史

    齋田

    先月セットの模様替えをしたのですが、その際に強調したのは“手作り感”です。『情報プレゼンター とくダネ!』というタイトルの通り、プレゼンがメインの番組なので、特にプレゼンショーの手作り感を今まで以上に意識したデザインにしています。プレゼンター自身がレールで紹介ボードを引っ張って来たり、タッチモニターに直接触れながらプレゼンしたり。時代に逆行するアナログ感満載です(笑)。
    オープニング映像もそれに合わせて、からくり装置のCGにしました。モチーフは“工房”。
    タイトルロゴも、これまでピンクと水色の2色だったのをピンク1色にしました。番組のイメージカラーとして1色を強く打ち出したい、というディレクターの意向です。

    ー“手作り感”あふれるセットならではの工夫はありますか?

    以前に引き続いて木調をメインとしたセットで、前は本物の木を使っていたのですが、今のセットは鉄骨を木の色に塗って木目を描いています。今回からレールを組んだりモニターを入れたりしているので、本物の木を使うとなると耐荷重的に相当太くなってしまうんです。鉄骨に木目の紙を貼るやり方もありますが、『とくダネ!』のように長く続くデイリーの番組でそれをすると、そのうちに剥がれが目立ってくる心配があるので、壁紙は極力使っていません。今のものだと汚れたら描き足せばいいし、汚れが味にもなります。

    ーセット作りで苦労した点は?

    ピンクの木目です。ロゴも木調にしてセットに置いていますが、木目を強調するとピンクが弱くなってしまうし、逆に強めのピンクにするとモク(木材)の温かみが出ない。ピンクとモクの印象が相反するところがあるので、ピンクの彩度をどの程度にするかでかなり悩みました。ロゴだけでなくセットのところどころにちりばめられたピンクも、周りの木目を全て薄い色にしたので、その中でどれくらいの濃さのピンクにすれば強すぎず、適度に鮮やかに見えるか。照明、電飾スタッフと話し合いを重ねましたが、ベストな色になかなかたどり着けなくて、そこは最後まで手探りでした。

    ー視聴者に見て欲しいところは?

    “手作り工房”のセットの中にしつらえた、いろいろなからくり装置の部品です。歯車、積み木、ドミノと随所に遊び道具を置いて、一部は放送中も動いています。是非見つけて、遊び心いっぱいのセットを目で楽しんで頂きたいですね。

    (2019年4月)