フジテレビジュツの仕事
直撃LIVE グッディ!
2015年3月〜
毎週月〜金曜日 13:45〜15:50
- 美術プロデューサー
- 古川 重人
- アートコーディネーター
- 石田 博己
- 大道具
- 毛利 彰
- 大道具操作
- 清水 愛
- アクリル装飾
- 谷口 航平
- 電飾
- 田上淳子
- 装飾
- 門間 誠
- 植木装飾
- 後藤 健
ビジュツのヒミツ①
ウッディ! “オトナの子ども部屋”
「GOODY! GOODDAY!」
開放感のあるウッディなセットのコンセプトは
“オトナの子ども部屋”。
落ち着いた中にも遊び心が感じられる空間になっています。
棚に置かれた小物も、おしゃれな昼下がりを意識。
大人のコレクション心をくすぐるアイテムが並びます。
外壁の窓は、アクリルと木のコンビネーション。
絶妙の角度で配置され、
風が吹き抜けそうな様を表現しています。
電飾さんとのコンビネーションで、木漏れ日も差し込みます。
目を引くのが寄木細工を思わせるアール壁。
イメージスケッチに合わせて、色の違う合板を一つ一つ貼り付けました。
「木のタイル」に囲まれたスペースでくつろぎながら
世の動きに思いをはせる。
ということで、
セットのあちこちに書斎の蔵書がデザインされています。
ここには、大きな本のオブジェ。
こちらは、カラフルなアクリルでできた本の背表紙です。
実はこのセットには二階もあります。
ルーズショットに映る二階のテラスも、チェックしてください。
2018年7月
ビジュツのヒミツ②
“バミった”位置に、緑のクロマキー
情報番組のセットは、フレキシビリティーも大切。
内容に合わせて、どんな状況にでも対応できなければりません。
きれいに並んだ出演者のテーブルも、実は一つ独立してます。
ゲストの数が増えてもOK。
下手(しもて)側に席を増設することもあります。
本番中でもすばやくセッティングきるように
床には無数の「バミりテープ」が。
CGを合成すれば、おなじみの画面に。
お天気コーナーが始まれば、番組もいよいよ大詰めです。
ここで注目してほしいのは、壁のLEDモニター映像。
雲が浮かぶ青空から、
いつの間にか夕焼けに変わっているんです。
「実は気づいていた」というアナタは、なかなかのツワモノ。
2018年7月
ビジュツのヒミツ③
毎日戦い!巨大プレゼンボード制作
『グッディ!』名物の巨大プレゼンボード。
今や午後帯の視聴率競争を左右する重要な演出の1つだけに
細かいところまで気を使います。
ボード制作担当の“テレビジュツ”スタッフは、総勢10人。
この日は、14時35分に放送で使うボードのパーツを、
14時5分までに刷り出す計画。
ギリギリです。
担当ディレクターが
パワーポイントで作った下書き原稿はこんなカンジ。
もちろんプロデューサーや校閲スタッフの厳しいチェックを
受けております。
この原稿の通りに放送まで行き着けばいいのですが・・・
やっぱり今日もディレクターがとんできました。
修正や追加の指示は、まさにマンツーマン状態。
相当のプレッシャーの中、5人の女性スタッフが手分けして、
画面を組み上げていきます。
作業も順調に進み、そろそろ放送開始の時間。
そこへ1本の電話が・・・緊張が走ります。
そんな緊急事態にもベテランスタッフ達は全く動じません。
瞬く間に原稿を打ち直して、同時にプリンターもスタート!
出来上がったら文字通りのラストスパート!
スタジオを目指す「グッディ!名物ADマラソン」
放送時間に間に合うか?
(注:廊下は走ってはいけません!)
番組内で使用されるプレゼンボードは、
1日およそ2~3枚程度。
6~9枚のロール紙パーツを合わせて1枚の大きなボードに
仕上げます。
あとは、スタジオに到着したパーツ素早く貼るだけ。
ここで活躍するのが、剥がしやすい特殊なスプレーのり「55」。
CM中に貼り替えることもあるので、あっという間に完成させる『グッディ!』ADの熟練技が光ります。
ペロッとめくる部分は、裏がシールになっているシートに印刷。
サイズ毎にカッターナイフで切り分けます。
一瞬の油断が大ケガに繋がるだけに、集中力を高めて手際良く。
何とか無事放送。
数分前に出来たばかりの「めくりパーツ」がテレビ画面に
映っています。
様々なスタッフの思いが集約した『グッディ!』の
プレゼンボードは、毎日こうして作られているのです。
2018年7月
デザインのヒミツ
リニューアル案A:天井を意識して奥行きを感じるセット
ー情報番組のセットデザインでは、
ドラマやバラエティ以上にコンセプトの明確化を求められるように思うが、『グッディ!』では?
安部
現在のセットの形に至るまでには紆余曲折しました。はじめは番組構成の詳細が固まっていなくて、プロデューサーからはただ一言、「積み木をモチーフにしようかなぁ……」と言われただけでした。積み木から「子ども部屋」を連想し、安藤さん・克実さんがいる場所となれば「大人の遊び部屋」をコンセプトにしてみようかと。色的にも遊びをたくさん取り入れ、カラフルなセットにしたのが最初でした。
ーその後、セットを大幅にリニューアルしたが……?
回を重ねるにつれて番組コンセプトが明確になってきて、もう少し落ち着いた、かつさわやかな雰囲気の中で情報を伝えていくのがいいのかな、という話になりました。そこで、晴れの日の空と光の色、青と黄色をスタジオと番組ロゴのベースカラーにして、ピンクや緑色はセットから外しました。色を取った所は木目に変え、空・太陽・木に囲まれた午後のひととき――という具体的なイメージのセットに様変わりしたのが今のものです。
リニューアル案B:構造を見せて、モニターをセットに散りばめる
リニューアル案C:奥を常設クロマキーにしてセットから木目を消す
リニューアル案D:木のタイルのアール欄干と壁
ーコンセプト以外で、デザインにあたって意識したことは?
時間帯的に女性、とりわけ主婦に気持ちよく見てもらえることを意識しました。政治ニュースからパンダのニュースまで扱うので、空気感としては落ち着きつつも堅すぎず、見ていて楽しい気分になるようなものを目指しました。
また、同時間帯の他局の情報番組と重なる部分がないように気を付けました。木調はどの局にもなかったのでホッとしました(笑)。
ー「楽しい気分になる」デザインとは具体的には?
1つ挙げれば、スタジオの中に「陽だまり」を作りました。外壁のアクリルの角度を微妙に調節した所に照明を当てているのですが、温かい光の感じを出すのには電飾も手伝っています。こうした贅沢なコラボレーションで遊べるのもセットデザイナーの醍醐味ですね(笑)。