フジテレビジュツの仕事

    コンフィデンスマンJP

    2018年4月〜6月 
    毎週月曜日 21:00〜21:54

    • 美術プロデュース:三竹 寛典、古川 重人
    • アートコーディネーター:大野 恭一郎
    • 大道具:福田 智広
    • 大道具操作:黒川 兼一
    • 建具:猪狩 浩
    • 装飾:近藤 美緒
    • 持道具:木皿 洋子
    • 衣裳:朝羽 美佳
    • メイク:坂本 敦子
    • かつら:俵木 和美
    • 視覚効果:大里 健太
    • 電飾:佐藤 信二
    • アクリル装飾:鈴木 竜
    • 小道具印刷:佐藤 好治
    • 植木装飾:後藤 健
    • 生花装飾:牧島 美恵

    ビジュツのヒミツ①

    撮影の為の作りとドラマの世界観

    コンフィデンスマンたちのアジトは、とあるホテルの一室。
    どこにも実在しないホテルなので、一からデザイン。
    撮影する角度によって、部屋の表情が変えられるよう
    工夫されています。

    中でも印象的なのは、曲線が美しいこのソファー。
    どの家具メーカーのラインアップにもないので、
    大道具さんが作りました。

    一角にある水回りのデザインもセンスが命。
    家庭にはなくて、ホテルならありそうな高級感でまとめました。

    仕切り壁も撮影しやすいように、隙間があけてあります。

    なめショットのための柱も用意。
    必要な時はカメラの前に置きます。

    ユニークな天井には照明用の穴が。
    実際の建物とスタジオセットの大きな違いは、
    撮影しやすいよう作られていること。
    この穴も、ドラマの世界観を壊さないようにデザインします。

    ローアングルでも大丈夫。
    どこまでが映って、どこから映らないか
    見切れの計算は美術デザイナーの「キホンのキ」です。

    ビジュツのヒミツ②

    神はディテールに宿る

    ホテルの名前は「Gondorff」。
    そう、名作映画『スティング』のポール・ニューマンの役名です。
    ロゴデザインが決まったら、装飾さんの仕事が一気に増えます。

    インターホンにも「Gondorff」。
    家具にも「Gondorff」。

    ホテルですから当然アメニティグッズも充実させねば。
    ということで、オリジナルのバスローブやタオルもあります。

    出演者が使ってもとれないように、きちんと刺繍されています。

    こんなものまであります。

    「神はディテールに宿る」
    画面から、テレビ美術職人の仕事を見つけ出すのも一興かも。

    ビジュツのヒミツ③

    小物で演出!キャラ設定

    そんな高級ホテルを、
    自分流に模様替えしてしまっているのがこの部屋。
    ヒロイン詐欺師の暮らす空間です。

    小物でキャラクター設定を感じさせるのが、
    美術スタッフの演出。
    野球盤や懐かしいゲーム。

    どこで見つけてきたのか妙ちくりんなグッズの数々。
    こんな小物たちを見ていると、
    持ち主の性格が透けてきませんか?

    ずらりと並んだ衣装は、“変装用”ではなく私服のコレクション。
    この独特なセンスがストーリー展開にどう生きてくるか。
    要チェックです。

    高級ホテル暮らしなのに、女詐欺師の食生活が垣間見えます。
    床には積み上げられたカップラーメンのストックが。
    BIGな大盛りも混ざっています。

    実はこのカップ麺、それっぽいけど市販品ではありません。
    美術スタッフが特殊印刷で出力した、
    オリジナルパッケージなんです。
    成分表示はリアルな表記。でも製造元は架空でございます。

    ビジュツのヒミツ④

    大量のかつら!「床山さん」の仕事

    アジトでの作戦会議は、付箋を使って綿密に。
    もちろん、誰かになりすますことが多いので、
    変装用のかつらも各種取り揃えている設定です。

    「マルサ風」「モンロー風」から「寿司屋の親方風」まで、
    すべてのかつらは「床山さん」が用意します。

    監督からの指示書をベースに、
    出演者の要望も取り入れながら、ほとんど一から手作りです。

    今回は、主要キャストのかつら合わせで「型どり」を敢行。
    やわらかいアルミ材を使ってとった「型」がこちら。
    頭の大きさ、形はもちろん、毛量も人それぞれ、
    一つとして同じ「型」はありません。

    この型に合わせて作るオーダーメイドのかつら。
    目に留まる“つむじ”の部分には、特に気を使うとか。
    人毛や化繊の毛を、ネットの穴に1本1本“刺して”いきます。
    このつむじに刺した毛は、5cm角でおよそ1万5000本。
    気の遠くなるような作業です。

    変装とは言っても、
    コントではないので“自然に見せる”のが重要。役者さんの地毛を、うまく添わせてセットするのがポイントです。
    最後は、プロのピン留め技で仕上げます。

    変装の必須アイテム「付けヒゲ」も、床山さんの担当。
    土台に針で留めて、こちらも一本一本“刺して”作ります。

    第4話では、エキストラさんの分も用意したので大量受注。
    結局、全10話で160枚(枚で数えます)ものかつらが登場することになったのでした。

    デザインのヒミツ

    ダー子のホテルスイートルーム パース

    ダー子のホテルスイートルーム パース

    ーセットデザインで苦労した点は?

    アベ木 陽次

    アベ木 陽次

    この番組では、メインセットがホテルのスイートルームで、ヒロイン詐欺師(ダー子)の住まいであり、コンフィデンスマン3人のアジトでもあります。
    台本には「ダー子色に染まっている」部屋、つまりダー子に私物化された部屋ということになるのですが、奔放なキャラクターに合わせて部屋全体を散らかしてしまうと、ホテルらしさがなくなってしまいます。
    スイートルームの“高級感”の中に、ダー子の居住空間の“雑然さ”をどう入れるか――これを見せるのに最も苦心しました。

    ダー子のホテルスイートルーム 平面図

    ー具体的にはどう見せた?

    アベ木 陽次

    背もたれの高い、大きなソファを大道具さんに作ってもらい、背もたれより手前と後ろ側とで床に段差を設けました。後ろ側の床高の方をダー子の個人スペースにして小物だらけの乱雑な空間にし、ソファから手前は物を置かずに、
    スイートルームの広さを強調しています。“雑然”と“整然”の境界線を「背もたれ」で作ったというわけです。

    ー「背もたれ」で2つの世界を作ったことで、演出面でも変わってきたところはあったか?

    アベ木 陽次

    第1話で、きれい好きの詐欺師仲間2人が、ソファ手前に落ちている物を片付ける際に
    背もたれの向こうに投げ入れるシーンを何度か入れました。
    これは、男性2人が普通に物を“ダー子スペース”に投げ捨てることで、2つの世界の区別と同時に、
    キャラクターの違いも際立つのではないか、と監督と相談した結果加わったシーンです。

    ーセット以外でこだわったポイントは?

    アベ木 陽次

    “ダー子スペース”に置く小物にもこだわりました。ダー子の性格的に、空間が乙女風、子ども部屋風にならないように注意しながら、ダー子らしい目立つ物が欲しくて、大きなカエルの縫いぐるみを置きました。
    また、ソファの背もたれの上の、サングラスをかけた犬の顔のスピーカーもこだわりの一品です。装飾さんが「これは面白い」と見つけてきたもので、さり気なく目立たせていますので、ちょっと気にして見て頂ければ。

    #01 赤星財団 会長室 平面図・パース