とある海辺の田舎町で、現職の町長の娘が何者かに誘拐された。警察は犯人が選挙カーで逃走しているとの情報を入手。町長に恨みを持つ者の犯行と考え捜査を開始する。
その頃、防波堤では釣りをしていた民宿の主人・平野（仲村トオル）の前に突如、枝分（竹野内豊）が現れ、この町に古くから伝わるカップルに人気のスポットに行きたいと道を尋ねる。枝分のしつこさに根負けし、仕方なく“選TAXI”に同乗して道案内することになった平野だが、その道中、1台の選挙カーとすれ違う。交番の巡査から誘拐事件のことを聞いていた平野は、慌てて警察に通報。やがて、人質の娘は無事に保護される。
平野が警察署を訪れると、そこには学生時代の恋人で、今は町長の妻となった高橋加奈子（霧島れいか）の姿が。久しぶりに加奈子と再会した平野は、かつて見合いが決まった加奈子を引き止められなかった苦い過去を思い出す。さらに、誘拐された加奈子の娘（柳生みゆ）と、犯人として捕まった若者（間宮祥太朗）を見た平野は、自分が2人の駆け落ちを邪魔したことに気付く。
話を聞いた枝分は、ぼうぜんとする平野に「だったら戻ればいい」と提案。“選TAXI”はやり直したいと思った分岐点まで戻れると聞いた平野は、選挙カーとすれ違う前の時点に戻ることを選択する。お代は19500円。そして過去に戻った平野は選挙カーの前に立ちはだかり、若い2人の話を聞こうとするが、車はなおも逃げ続ける。平野もあきらめず、枝分に「追って！」とお願いし、“選TAXI”で選挙カーを追いかけるが…。