山梨県、富士山の麓に広がる青木ヶ原樹海は樹々の葉が波のようにうねる緑の海です。
その底では静かで激しい生存競争が繰り広げられていました。
光を浴びることのできない低い枝は葉を落とし、枯れ、高い場所の枝に命を譲ります。
そして一生を全うした樹は倒れ、その身を横たえ、自らの体を養分にして子孫に命を託します。親木の上に芽吹く、若木です。
若木はかつてそこに親が居た事を、根の形で示したまま成長します。

音楽：Eternal　Story　by　千住明