<第4回> <第5回> <第6回> <第7回><第4回> 「花巻ー東京492キロ走り切れ!」
偶然出会った橘(中嶋朋子)と君江(京野ことみ)は、そのまま連れ立って「ジャガークラブ」に行ってしまった。その場にいたにも関わらず同行しなかった小林(織 田裕二)は、「行かなくてよかったのかなぁ?」「何話してるんだろ」ベッドに横になり、星の光ってる天井を見つめながら気にかけていた。そのせいか、見慣れてるはずの天井の星が異常に気になって眠れない。そこで小林は星を取り外すことにし た。今、すぐに。だが、それがいけなかった。小林は、足場を崩し転倒すると、頭に落下してきた隕石で気を失ってしまった。足を骨折し、入院する羽目になった小林を、鈴木(ユースケ・サンタマリア)と田中(市川染五郎)が見舞った。いや見舞うというより、笑いにきたといったふうでもあった。また、会社の上司・桜木(渡辺いっけい)も訪ねてくれた。桜木の目的は、以前小林が服部に代わって引率した岩手の修学旅行生の一人である、ミチコ(岡田めぐみ)という子の家出を伝えることだった。「小林と結婚すると言い残して家出したらしいぞ!何かあったんしいゃないのぉ〜あったからバチあたったんじゃない のぉ〜」。 小林は、キーホルダーをくれたミチコのことを思い出していた。その頃ミチコは、何と500キロ近くはある道程を自転車で東京へ向っていたのだった。
『らーめんチョロ松』は、佐助(岩松了)がうきうきとまもなくお披露目される記念すべき新作ラーメンの名前を考え中だった。鈴木が会社を辞め光子(須藤理彩)と結婚。いよいよ後継者として店にはいる手筈が整ったのだ。修行の成果も十分!あとは鈴木が辞表提出するばかりだ・・・と思っていたのだが・・・。
一方、田中は村越(伊藤正之)から現場復帰を言い渡された。 生まれかわって第二のスタートを切ろうと張り切る田中。だが、その復帰現場というのが、得意先のメーカーの新作下着ポスターへのモデルとしての出演。田中をお気に召した女性クライアントのうむをいわさぬ決定。まんざらでもない様子の田中で・・・。
その頃小林は、ミチコの到着を待ち詫びていた。千葉の交番にミチコは一瞬保護されだが、そのまま警察の白い自転車を拝借し、東京へ再びむかったらしい。「中3の女の子が自転車で500キロ近くも走るなんてなんか凄いと思わない?・・・どうせだったらゴールして欲しいじゃない、あとちょっとだよ」自分が失いかけてる情熱のようなものをミチコに感じたか、小林は、動けない自分に代わって、思い出の東京タワーでミチコを迎えて欲しいと鈴木と田中に頼むのだった。感動のゴールを一緒に迎えてやってほしい! ・・・・・・そして、そんな騒動も一段落したある日のことだった、鈴木が書き置きを残し「チョロ松」から逃亡した・・・・・・。
<第5回> 「小林晋平、宇宙を目指す」
鈴木(ユースケ・サンタマリア)が「チョロ松」の新装開店を目前にどこかに消えてしまった。田中(市川染五郎)は光子(須藤理沙)と一緒に取り敢えず鈴木のアパートヘ向かい、そこで鈴木の日記を発見。『「これでよかったのか」鈴木善行』という気になるタイトルを発見した。早速、田中と光子はそのことを小林(織田裕二)に報告する。「失踪癖?」「マリッジブルー?」などのやり取りを展開する三人。だが行き先の手かがりや失踪の理由らしきものは見えてはこない・・・。「メンマブルー・・・?」さらに続ける田中をたしなめる小林の横で、すっかり打ちひしがれた光子は、ポツリと「妊娠してるんです」と衝撃の事実を打ち明けたのだった。
その直後「チョロ松」の厨房には、田中が立っていた。
光子の頼みもあり、ショックのあまり倒れた光子の父・佐助(岩松了)に代わりしばらく店を任されるハメになったのだ。ダサい店のトレーナーを着せられ、光子の母、千鶴子(鷲尾真知子)に厳しい罵声を浴びせられながら・・・しかしそれでも田中は、何だかとても生き生きとラーメン作りと格闘しているようにも見えた。その頃、もちろんそんな様子など知るはずもない鈴木は、久し振りに姉の元を訪ねていた・・・。
一方。二人のことを心配する小林にも、ある事件がふりかかっていた。父・学(山本圭)が、小林の見舞いに来ていた母・早苗(大森暁美)と入れ替わり上京。そして小林のマンションにしばらくとどまると言い出したのだ。尋ねても学は理由を話そうとはしない。 いったい母と何があったのか。 だが、小林は敢えて聞き出そうとはせず、久し振りに与えられた親子水入らずの機会、牛乳酎のみながらこんな会話を交わしていた。
「ねぇ父さんはさ、すんなり旅館を継いだんだよねぇ」
「そんな訳ないだろ・・・お前、旅館の息子だから旅館継ぐなんて、おいおい、俺はそんな単 純な男じゃねぇよ、バカ」
「・・・・・・じゃあ何になりたかったの?」
「その手にはのらん!」
「いいじゃない、酔ってんだから」。・・・・・その時小林は初めて父の夢の話しを聞いた。だからか・・・? “これでいいのか?小林晋平“ほんの少し、気持ちが動いた。 翌日。『チョロ松』の前には鈴木の姿があった。
<第6回> 「小林、涙の面接試験と流星群」
銀河ツーリストに復帰した小林(織田裕二)を訪ねて、本社の企画本部長・中山(中山仁)がやってきた。 以前、小林が企画していた『天体観測とワカサギ釣り体験ツアー2001』がライバル社に横取りされた上、好評を得ているらしい。 銀河ツーリストとしても早急にこの手の企画に着手し、近く行われる観光協会と航空会社にむけての説明会に向け準備を始めなければならない、そこで小林を人事異動で本社に迎えたいということらしい。「時代が小林に追いついたってことだな」。 桜木(渡辺いっけい)は、喜んで小林を送りだしてくれた。そして本社にいった小林は、後輩の萩尾(川岡大次郎)と共に、新企画を練り始めたのだ。あくまでも『自分が楽しむこと』を大事にしながら・・・。小林の仕事は順調だった。 そんなおり、先日応募した「宇宙飛行士試験」の書類審査に合格した旨の知らせが小林のもと書留でくる。 同じ頃、田中(市川染五郎)は上司の村越(伊藤正之)と共にジャガービール本社で、近々オープンのファッションビル「TKシティビル」への出店計画プランを提案中だった。「TKシティビル」は、田中グループが出資者の筆頭に名を連ねるビルで、田中がグループと血縁関係にあることを知ったジャガービール担当者は、即座に田中が勤める大日本広告と組むことを決定したのだ。 「コネはこーいう時に使わないとね」。 村越のいい分に対して、田中はこのプロジェクトに自分自身の力で前向きに取り組むことを宣言した。 そして田中は、企画のことで煮詰まった頭を、なぜか鈴木(ユースケ・サンタマリア)のいる「チョロ松」で、ラーメンを作りながらクリアにすると、巨大ジャガー風船をあげてのTKビルにおけるジャガーレストランオープニングイベントという企画を考案、そしてめでたく担当者のGO!サインをもらうことに成功するのだった。
その夜、三人は「ジャガークラブ」に集合、本社勤務のこと、ジャガービールとの仕事復活のことなどを報告しあっていた。そこで小林は、18日は説明会のためパーティには出席できないことと、同じく橘さん(中島朋子)もお見合いのため出席できないことを告げた。 「見合い〜!」鈴木と田中は同時にその言葉に反応、さらにそれをサラリという小林にも少し驚いていた。・・・だがそのことで橘さんの中で小林とのことがすでに終わっているのだということを知らされた思いだった。
小林の部屋にあるカレンダーには、3月18日の欄に「お見合い」「パーティ2次会」「本社プレゼン」「一次試験」の文字が書き込まれていた。
数日後。萩尾とともに旅のプランを考え中の小林のもとに、君江(京野ことみ)が息急ききってやってきて、「・・・田中さんが大変!」とジャガービールのイベントの目玉であるバールーンが破裂、突然のハプニングに窮地に立たされているいう田中のことを伝えた。 携帯で田中と話しながら、小林は別のなにかで空いた空間を埋めることはできないか?と提案した。
「たとえば・・・花・・・とか?・・・」。
「花・・・?」
「そうだ、麻美子(大楠道代)先生!」。この提案を田中は即座に拒絶した。今回のプロジェクトは家族の力を借りずに自分の力だけでここまでやってきたのだ。ここにきて母親に助けてもらうのは嫌だと田中は言いはる。
だが、小林は言った。 「置かれた立場で最善の判断をして、その相手がたまたま母親だってことでしょ。身内だとか、コネだとかそんな小さい理由で頼めないなんて、そっちの方がよっぽどカッコ悪いよ。」 田中は、意を決して携帯を手にした・・・。
<第7回> 「それぞれの旅立ちと見果てぬ夢」
筑波にある宇宙開発事業団。面接会場に小林(織田裕二)はいた。宇宙飛行士の応募に募集、面接試験を受けることになったのだ。
だが、車椅子にのって現れた小林を、四人の面接官は少し怪訝そうに見つめると「次の機会にまた・・・」と言ったのだ。 だが、小林はひるまなかった。
自分の足の状況がこうであれ、自分の宇宙にかける情熱は揺るぐことはないと素直な気持ちで訴えはじめたのだ。 「・・・例えば僕みたいに骨が折れている人間が宇宙へ行ったらどうなるか、実験する必要があるんじゃないでしょうか?そのサンプルに僕の体を使っても一向に構いません!」 そして、「・・・もし失敗したら宇宙ゴミとして廃棄して構いません」とも・・・。 すると一人の面接官は言った。 「宇宙飛行士に必要なのは、その情熱です」。
面接官に他の受験者たちからわき起こった拍手が、小林の笑顔を包んだ。
その頃、鈴木(ユースケ・サンタマリア)と光子(須藤理沙)の結婚パーティの企画中の田中(市川染五郎)たちは、小林が夢を追いかけて一歩踏みだしたことを聞くと、そのパーティを小林の門出を祝う会にもしようと、まるで合格したかのように盛り上がるのだった。
そしてもう一人、勝手に小林を宇宙飛行士にしている人物がいた。 学(山本圭)は君江(京野ことみ)から面接試験のことなどを聞くと、すでにわが息子は宇宙飛行士!と決め付けると、東京から来る団体客の子供たちのためと「宇宙飛行士(予定)小林晋平お兄さんのおはなし」のオプションを勝手に企画してしまったのだ。
小林は飽きれながらも、結局数日後には久し振りに実家の旅館に戻ってきてしまった。だがゆっくできるはずの実家で時間も、銀河ツーリストのみどり(赤坂七恵)からの電話で遮られることになった。
『花輪』相手に決定しかけていたと思っていた企画があったのだが、『花輪』はJTTの企画に決定したらしいというのだ。このままでは銀河ツーリストは大きな損失を出してしまうことになるという。小林は子供たち相手に星の話し、宇宙にいったメダカの話しなどをしながら、銀河ツーリストのために考えた新企画を起死回生の企画としてみどりに託すのだった。 そして、その『こどもスペースキャンプ』という企画は、銀河ツーリストだけの希望を繋ぐだけでなく、子供たちの夢、そして小林の夢をも紡いでいくことにもなるのだった。