落語びより
第21回「強く生きる」
8月31日放送
 やっと天気が良くなってきた。残暑が厳しくなりそうな予感だ。週末に原宿・表参道の「スーパーよさこい」へ取材に行った。「よさこい祭り」といえば南国土佐高知が発祥だ。
語源は土佐弁で「夜さ来い(夜に来て下さい)」という意味らしい。どういう意味合いか、わかるようなわからないような、ただ微妙にそそられるってことだけは確かだ。
50年前に高知で発祥した「よさこいスタイル」のお祭り、今では全国各地で220近く開催されているらしい。なぜこんなに広まったのか、実際に見てみると、なるほどという感じだ。なにしろフォーマットが無いのだ。あえて言うなら「鳴子」と呼ばれるカスタネットのようなバチを使う、というくらいで、あとは全て「自由」。あまり季節にも関係なく、衣装も音楽も踊りも、いわば何でもアリだ。それが「伝統」や「格式」を重んじる日本の祭りと一線を画す。どちらがいいとか悪いとかではないが、血気盛んな若者にとって魅力のあるステージであることは確かだろう。どちらかというと学園祭に近いものを感じる。

とはいえ、その規模たるや凄まじい。表参道、明治神宮、原宿駅周辺、代々木公園一体を、全国から集まった66チームが踊り尽くすわけだ。観客動員は100万人を超えるという。
踊りや音楽も、やっぱり若い! HIPHOP調だったりレゲエ調だったり、それにあわせた衣装と踊り、力強かったりスタイリッシュだったり、セクシーだったり。炎天下にあれだけハードな踊りを各会場で踊りつづける体力も、とにかく若い。おじさん脱帽である。
ただ、ストリートを自由に踊りながら進む、という「よさこいスタイル」は、撮影するのがとても難しい事を知った。予期せぬ動きで、なかなかカメラでアップを狙い難い。そして何より、常に前進しているので、正面から撮影していると突然踊り子集団が突進してきて邪魔してしまいそうになる。こちらもバックしながら取るのだが、スピードに緩急をつけられるともうお手上げだ。一定のリズムで踊っているわけでもないので一体次にどんな展開になるのかさっぱり予想がつかない。突然走り出されると、「チョッと待ってよ」といいたくなる。自分でカメラを回したので、とにかく疲れた。要するに相手が若いってことは、こっちも若くないとついていけないって事か。それにしてもこの日ほど汗で服がびしょびしょになったのも久々だ。いい汗かかせてもらった感じで、すがすがしい

この祭り、正式には原宿表参道「元気祭り」とういう名称だ。何をするにしても「元気」であり続けることが、強く生きてゆく事へつながってゆく、そんなパッションをもらったような思いだ。でも何で「夜に来い」なのかなあ?
ディレクター 

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