落語びより
第19回「お盆、里帰り、命のふるさと」
8月17日放送
 今回から、朗読する稲垣さんやゲストの方を入れ込んだインサート映像にトライすることにした。幾つかの映像に朗読をした本人に登場してもらい、朗読との関連性を強調していこうという試みだ。

 今回は神社の境内で浴衣を着てもらっているので趣きもあり、また豪華でもあり、まさに「絵になる」といった感じだ。ゲストの高島彩アナウンサーにもインサート映像に出てもらっている。全体の仕上がりがこれまでと微妙に違っているので是非とも注目して欲しい。
 さらに今回、朗読撮影で場所をご提供いただいたお店の方にも「共演」していただいている。佃島の佃煮屋さん「丸久」の下町らしい気風のいいお母ちゃん、渋谷の居酒屋「平吉」の感じのいい店員の女の子、ただでさえ撮影でご迷惑をおかけているのに、いきなり出演してくれとお願いして、さらに演技の注文までつけて、本当にゴメンナサイ。
 インサート映像ではロケ現場にいる人にそのままエキストラとして出演して頂くことが多い。より「自然」な生活や営みがカメラに収まってくるからだ。でも今回は、テレビに出ている有名人との「共演」だ。「自然に」だの「いつものように」だのっていう演技指導にはちょっと無理があるのだが、、、「丸久」のお母さんに、稲垣さんが番組最後の閉めコメントを言っている背景で、「いつものように」店内で仕事をしててくださいとお願いした。しかしいざカメラが回ると、稲垣さんの背後には、カメラ目線のお母さんが緊張の面持ちで直立不動で立っている。「お母さん、せめてカメラは見ないでね!」とお願いした。2回目は見事にいつものお母さん、という演技。なかなか筋がいいではないか。

 一方「平吉」のかわいい店員さん、榎本さんには、さらに難しい注文をした。「高島さんを常連客と思って、店先で立ち話してください。いつものように」。
 1回目のテイクでは、2人横に並んでカメラを向いて話し出してしまった。まるでグルメ番組のレポート挨拶のようだ。2回目、こんどは榎本さんが高島アナに深々と何度も挨拶をしてしまう。普段から礼儀正しく丁寧な女性なんだろう。でもテレビだと無理にやらされている感じになってしまう。「軽く会釈して世間話をしてください。カメラに背を向けちゃってもいいですよ。」
3回目。やっと打ち解けた雰囲気になった。(常連さんの世間話にかなり近くなった?)
榎本さんは飲み込みが早い。カメラ前で、しかも煌煌とたかれた照明の中で「自然」に振舞うのは実に難しい。そもそも「自然な振る舞い」って何だ?って考えちゃったりもする。にもかかわらず、3・4テイクでイイ感じに振舞えた「丸久」と「平吉」の2人はタレントセンスがあるのかも知れない。キャラもいい。

この番組はこんな人たちの献身的な協力にも支えられているのだ。ありがたいことだ。
ディレクター 

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