<第10回> <第11回> <第12回>


<第10回>
 「なんの夢見てたの?」。ある日曜の朝。武人(福山雅治)は千草(木村佳乃)のそんな問い掛けで起こされた。枕をきつく抱き締めた寝姿を見て、「エッチな夢でしょう」とたてつづけに言われた武人は、まさかみさ子(大石恵)の夢とも言えず、「まぁな」とあいまい返事。そんなやりとりをしているとき部屋の電話が鳴った。みさ子からだった。武人は咄嗟に融資の相談をしている銀行からとごまかしたが、千草
はわずかな疑いを抱きスイミングスクールへと出かけて行った。
 その夜、武人は久し振りに『エル』に行った。みさ子は電話の効果ありでやってきてくれたことを喜んだが、自宅には電話してこないで欲しい。それからあの一夜ことは酔っていて…と言い辛そうに切り出した武人の言葉にショックを受ける。「お互いオトナ同志じゃないですか」とその時は返した。しかし、リュウ太(ユースケサンタマリア)が店の女の子ユリ子から、みゆき(畑野浩子)のことばかり口にすることを責められてる姿を見た大友は、「女の子を舐めると怖いぞ」と意味ありげに武人を見つめるのだった。
 数日後、千草は水泳の先生からライフセーバーの講習会に参加してみないかと誘われていることを武人に話した。武人は生半可な気持ちではできないと言うが、「彩さんのこと仕事は応援するのに…」と千草は不満だった。
 一方リュウ太とみゆきの関係も険悪なものになっていた。みゆきが見知らぬ男とデートしてる現場を目撃し、それを責めたリュウ太は「私のためになんにも我慢する甲斐性無しよりはいい」と突き放されてしまったのだ。
 そんな中、武人のマンションにやってきていた孝太郎(武田鉄矢)が喘息で倒れた。みさ子の電話で、武人とみさ子のことを知ってしまいマンションを出ていた千草は嫌われていることを承知で看病するといい出す。孝太郎はそんな千草のことを少し見直していた。しかし、「武人はいずれ故郷で開業することになる。その時一人お母さんを置いてついてくる覚悟はあるのか?」と武人との結婚についてあらためて問いただすのだった。
 その夜、千草は武人に和歌山にライフセーバーの講習会に行くことにしたと告げた。そして「今は目標持って頑張ることが楽しいし。誰かと一緒に居るにしても自分の中に目指すものがあった方がいいと思えるから」と素直な気持ちを話すのだった。
 出発の日。千草は武人のマンション立ち寄り、ペアカップの一つをバックに詰めると、武人への手紙を書き始めた。とその時だった、留守番電話に彩(板谷由夏)のメッセージが入ってきたのだ。『東京のショーに呼ばれて一時帰国します。もう一度タケに会いに行きます…』。
 聞き終えた千草は込み上げる不安と闘い始めていた。

<第11回>
 ライフセーバーの講習会に向った千草(木村佳乃)を見送ってマンションに戻ってきた武人(福山雅治)は、そこでパリから戻った彩(板谷由夏)の姿を見つけた。かつてよく行った『サマサマ』で、再会と成功を喜ぶ二人。
 しかし、彩は、武人が「距離を縮めすぎると離れたくなる。アイツも今、恋愛がすべてじゃないなんてことを言い出してる」などと苦笑まじりで、でも楽しげに千草とのことを話すことに軽いショックを受けてしまう。そして「タケのこと取り戻そうと思ってきたのに」と冗談とも本気ともいえることを口にするのだった。
 リュウ太(ユースケ・サンタマリア)と大友(立川政市)は、武人から彩が戻ってることを聞かされるが、みゆき(畑野浩子)の素行を見張り続けているリュウ太には、それどころではないようだった。
 東京に戻ってきた千草を、武人はわざわざスポーツクラブで迎えた。
 千草は一瞬驚きながらも、久し振りに会う武人に資格検定には落ちてしまったこと、それから彩と武人が会っていも別に気にしないと素直な気持ちを打ち明けるのだった。武人は強がっても彩のことを気にしてるはずの千草を思い、週末のデートを約束した。だが、その日突然彩が二人の前に現れたのだ。 
 そして、三人で囲んだテーブルの話しの中心は、千草のこと。武人が目標つくって頑張ってることを力説しつづけたのだ。
「コイツが、コイツが」。武人が千草を見て話す様子に、彩は激しい嫉妬を覚えていた。
 数日後、武人は福岡商工会議所東京支部に、春香(森口瑶子)を訪ねた。以前父・孝太郎(武田鉄矢)が連れてきた見合い相手で、博多の名店『羽田屋』の女社長である春香に武人は、開業資金の融資を頼みにきたのだ。春香は、父を安心させたいという武人の気持ちを汲み、融資を承諾する。ただし、地元、博多での開業が条件だった。
 その頃、リュウ太はみゆきの新しい恋人・倉沢(宇梶剛士)をタクシーに乗せていた。さっきまでみゆきと一緒だったことはわかっている。
倉沢は、外していた指輪を薬指に戻しながら、「女をだますこと簡単だよ」などと得意気に話した。それを聞いたリュウ太は、思わず車を止めると倉沢に殴りかかっていた。翌日リュウ太は、『サマサマ』で偶然みゆきと会い、いつまでも待ってると告げた。しかし、倉沢から別れのメールを受けとり、落ち込んでいたみゆきは「しつこくしないで」とリュウ太を一蹴。これで完全にやけになったリュウ太は、なだめる武人
に「お前にはわからないよ。オヤジさんに言われ彩さんも諦め、千草ちゃんのことも相手の人生の責任がかぶさること怖がってるだけのお前には」と毒づいてしまう。だが、この時の言葉に武人の気持ちは動いた。
 千草のことを認めないと言う孝太郎に反発。「今度は折れない」と言うと、千草に、博多に一緒に来てお袋に会って欲しいとプロポーズしたのだ。一人東京に残る母親のハルミ(橘雪子)は、反対した。
 せっかく見つけたライフセーバーという目標もある。迷い悩む千草に、武人から、博多行きを促す電話が入った。「明日の5時だから。空港のロビーで待ってる」。
 翌日。空港へ向かう支度をしていた武人のマンションに彩がやってきた。彩は呆然と見つめる武人に向かって言った。「あなたを取り戻しに来たの」。

<第12回>
 その日武人(福山雅治)は、リュウ太(ユースケ・サンタマリア)、等の手伝いで、荷物をまとめていた。博多で歯科医として開業する準備が整ったのだ。リュウ太は、千草(木村佳乃)と連絡を取っていないことを心配するが、武人は「アイツもあいつなりに悩んで進む道決めてるようだから」と言うのが精一杯だった。そして、同じ頃千草も、ライフセーバーになるという目標のために会社を去ろうとしていた。
 数日後。武人らはアメリカに旅立つ大友のため『サマサマ』で男ばかりの送別会を開いた。大友は、千草とみゆきか来ないことを気にしつつも、二人に命令され、馴れないナンパに挑戦。勤務中に客の男…実はみゆき(畑野浩子)を騙していた男を殴って謹慎中の身のリュウ太は、大友をけしかけながらも、みゆきに未練ありありな様子を見せるのだった。
 何日か経って、リュウ太はみゆきに会い行った。そして男を殴ったのはみゆきをもて遊んでるアイツが許せなかった!と本気でみゆきを思う気持ちをぶちまけた。そして続けざま「ためしに結婚してみろ。俺はいい亭主になるぞ!」と強引なプロポーズのことばを投げ掛けていた…。
「幸せって無理に作ろうとしなくても、すぐそこにあるのね」。千草はプールサイドでみゆきの幸せな報告を聞かされた。そして、自分は男と女にある逃してはいけない瞬間を逃がしてしまったみたいだというのだった。
 そんな千草をみゆきは『サマサマ』に連れ出した。店には、今夜博多に帰ってしまう武人がいた。久し振りに会った二人は、これまでのことをいろいろと話した。そして、フッと彩(板谷由夏)に話しが及んだ時だった、武人は、あの日空港で待ってのになぜ来なかったのか?と忘れかけていた疑問を思い出したのだ。「彩と何かあったと思ったのか?」「なぜ俺を信じない!」と武人は激しく詰め寄っていた。そして二人の間に何かあったと思い込んでいたという千草に、「信じなきゃ何も始まらないだろ?」といい、そのことばに気おされるようにうなづいた千草の手を取ると、そのまま店を飛び出していった。「一緒に博多帰るんだ!」。武人は、千草と一緒に生きて行きたいという気持ちを伝えた。
 数時間後千草は、孝太郎(武田鉄矢)と武人の母・カズ江(大川栄子)の前いた。しかし気持ちの整理は、ついてないままだった───


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