あらすじ
<第10回> <第11回> <第12回>

<第10回> 「逮捕の瞬間」 」
 その朝、なごやかでにぎやかな新井家の朝食が、一変する事件が起きた。箱崎(段田安則)が差し出した『オフィスガッツ』に投げ込まれていたという写真週刊誌に、“桜庭裕一郎極秘結婚!しかも婿養子“という大スクープがスッパ抜かれていたのだ。新井家前で撮られた裕一郎とさくら(竹内結子)のツーショット写真も掲載されている。
 「また別人だっていえば?」裕一郎(長瀬智也)のそんな発言も、ここまではっきり撮られては全く無駄!むしろ箱崎は、この記事と写真ならば、いつマスコミがこの家に押しかけてきてもおかしくない状況だと深刻にいう。とそこに、学校へ行こうと外に出かけた亮(相葉雅紀)が慌てて戻ってきた。すでに家の前にはマスコミが大勢押しかけてきていたのだ。
 かえで(秋吉久美子)、亮、あずさ(鈴木杏樹)、さつき(篠原涼子)らには、友人や会社から「雑誌を見たけど・・・!?」と事の真相を確かめる電話が次々と入る始末。そしてそんな騒ぎが幼い体にはこたえたのか、努(神木隆之介)は体調を崩し寝込んでしまう。
 そんな中、裕一郎と箱崎は何とか新井家を出てホテルへ移動、裕一郎はそこで小峰(つんく♂)と箱崎からの指示を一人待つことになった。
 一方、さくらは裕一郎のためにと身の回りのものを支度中、ふと机の上に置かれたままにしてあった、カメラマン・矢島柾(野村宏伸)のプロフィールを発見した。その男が今回の騒動の元を作ったカメラマンということで、家族たちも興味深げにプロフィールをのぞきこんだが・・・男の写真を見た真澄(宇津井健)の表情が、突然こわばった。かえで、あずさ・・・続けて写真を見た姉たちも愕然とするばかりで・・・。
 だが、この後裕一郎は、小峰に、カメラマン矢島と一対一で話しがしたいと頼み、会う約束を取り付けていた。「なぜ、こんなことするのか?目的は金だけなのか?」矢島柾という男の真意を知りたいと、食い下がる裕一郎だったが・・・。
 二日後、裕一郎は潜伏先のホテルで入籍の事実を認める会見を行うことになった。しかし会見を直前にして、またしても新たな衝撃の記事が、今度はスポーツ紙に踊った!それは、突然体調を崩した努の病状のこと、別居中のかえでのこと、そしてさつきの不倫のこと・・・桜庭裕一郎が婿入りした新井家の家族の事情を暴くものだった。その家族にとってあまりに残酷な記事に激怒した裕一郎は、怒りの表情で会見場を飛び出していった。

<第11回>「離婚」
 「桜庭裕一郎、逮捕」のニュースが、衝撃をもって世間に伝えられた。 結婚の事実だけでなく、新井家の家族のことまで新聞に書き立てられたことに怒った裕一郎(長瀬智也)は、新聞社に乗り込み、カメラマン矢島(野村宏伸)に暴行。駆け付けた警察にその場で逮捕されてしまったのだ。ニュースを見て呆然となるさくら(竹内結子)。同じように動揺しながらも、さくらのことが心配でならない真澄(宇津井健)、かえで(秋吉久美子)、さつき(篠原涼子)ら家族たち・・・・・・とそこへ箱崎(段田安則)から「今、保釈金を払い裕一郎が釈放された」との連絡が入る。そこにいるなら、せめて声が聞きたい!と思うさくら。
 しかし、その願いに裕一郎は応えることができなかった。
 それほどに裕一郎のショックは大きく深く、誰ともまともにしゃべれる状態ではなかったのだ。そしてしばらく身を潜めることになったホテルでも、同じような状態は続くことになった。
 そんな家族の大変な状況をあずさ(鈴木杏樹)だけはまだ知らなかった。病室の努(神木隆之介)につきっきりで、努に合うドナーが現れるのを待っていたのだ。近く、家族全員もドナー検査してくれることになっているのだが。
 その頃、今回の騒動の発端を作ったカメラマン矢島は、出版社からスクープ料300万を受けとりながら、「桜庭裕一郎の兄として、手記を書いてみないか?」という仕事を持ち掛けられていた。
 一方『オフィスガッツ』では、小峰(つんく♂)が、なすすべもない状態を箱崎に打ち明けていた。「暴力タレントを使うわけにはいかんとCFのオンエアは自粛・・・今後の契約も白紙・・・映画も中止で、2億の投資はすべて負担・・・・・・」。結果小峰は、桜庭裕一郎休業!を今の時点での最良の策として発表することを決めた。だが、小峰の中には、このまま裕一郎には潰れて欲しくないし、二人で見た夢を途中で終わらせたくはないという強い思いが残っており、そんな小峰の思いを偶然知ってしまったさくらは、考えに考え抜いた末にあることを決意した。
 そして、その決意を裕一郎に伝えるため、かえで、亮(相葉雅紀)らに頼み、裕一郎と二人きりで会う手筈を整えてもらうのだった。

<第12回>「決意」
 裕一郎(長瀬智也)とさくら(竹内結子)の離婚が決定、マスコミはいっせいにそのニュースを伝えた。だが、自分で決めたこととはいえ、さくらには辛くて悲しい決断で・・・その日さくらは、裕一郎とさくら、二人の名前がはいったハブラシを抱きしめて泣いた。
 あれから一ヵ月。さくらは努(神木隆之介)の見舞いにやってきた。
 だが、裕一郎の曲を病室で聞き、壁にポスターを貼り、退院したら裕一郎と遊ぶことを楽しみにしている努には、まだ二人の離婚のことは知らされていない。とにかく今は、ドナーの現れるのを待って治療に専念させること、家族の思いはそれだけだった。
 その頃、『オフィスガッツ』では、小峰(つんく♂)、箱崎(段田安則)が仲良く宅配ピザを頬張っていた。「2億の借金を抱えたんや、慎ましくいかな」そうはいいながらも小峰の声は明るい。そこに曲づくりで徹夜続きらしい裕一郎も加わる。
 とその時だった、小峰が思わぬ一言を発したのだ。「復帰ライブやろか」「!」裕一郎も箱崎も一瞬耳を疑った。
 「この辺で思い切って復帰ライブをして、ファンに心配かけたことを自分の口から謝るべきやろ」。そしてこの時の小峰の発案はトントン拍子で決まっていった。解散同然のファンクラブなどを動員してなどとは思わず、大きな会場でとは言わず、場所は裕一郎がデビューしたライブハウス『アストロホール』こそ相応しいと決定。
 さらにさつき(篠原涼子)と遠藤(遠山俊也)に協力してもらい、ライブを生中継して全国的にメッセージを伝えられることも決まった。
 そんな中、ようやく努にドナーが現れた。亮(相場雅紀)からそのことを聞き喜ぶ裕一郎。もちろん、真澄(宇津井健)もあずさ(鈴木杏樹)と手放しでドナーの現れたことを喜んだ、だが、そのドナーが誰であるかを知った時、真澄の顔色が変わった・・・。


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