アナマガ

どちらかというと シッカリ書きたい人のためのコーナー 10年以上の渡り、続いてきたアナルームニュースの中で 好例の連載企画を「コラム」という形で集めました。 個性あふれるラインアップ!ブログとはひと味違う魅力をお楽しみください!

アナルームニュース 2008年03月11日号

「馬、そしてそれ以外も」#4 ~年が明けてもやっぱり、これ~
完了

ジャーーン!
ある人は「雪の中に現れた王子のよう」と形容し、
ある人は「必死の雪中行軍」と見る。
またある人は「牧場に転職したの?」と問いかける。


JRA土川理事長・競馬キャスター鈴木淑子さんと
JRA土川理事長・競馬キャスター鈴木淑子さんと

今回も「」で押すこのコラム、4回目です。
去年末、僕は「スーパー競馬」を降板し、競馬班から離れました。だからといって、競馬とのつながりがなくなったわけじゃ、もちろんありません。
先日は、ゆかりのみなさんとお食事会…。

かなりつながっています。当然です。競馬をやめたのではなく、競馬中継にさようならを言っただけなのですから。
ところで、「つながり」→つなぎ→「繋」と書きます。馬の四肢のバランスを評して「繋が柔らかい」なんていうんですよね。これからも、馬に関わるみなさんとそんな雰囲気で会っていたいと願っているわけです。


NHP看板

先日北海道に行ってきました。
大雪ですが行きました。
日帰りで、乗馬以外の予定はナシというスケジュール。

今回はかなりドキドキして飛行機に乗りました。飛行機に慣れてないから…でなく、今日の乗馬において、自分で決めた課題があったからです。
1回目のコラムに書きましたが、去年早春、騎乗馬が予想外の猛ダッシュ、結果僕は空前のスピードで坂路コースを800メートル駆け上がったわけですが、今回もそれに準ずることを、別の場所で、そしてあくまで自分の意思で走らせてみようというわけです。
着いたのはノーザンホースパーク。ここは新千歳空港にも近く、観光シーズンは多くの人が訪れます。(初心者でも乗馬レッスンしてくれますよ~。)


まずはいつものインドア(屋内)コースで軽く馴らし乗馬。素振りみたいなものです。でも僕は、素振りを何度も、それも真剣にしないと気がすまないタイプ。初心者の域を未だ出てないゴルフの場合、素振りのし過ぎで疲れてしまうことも。それでも最終ホールまで、何度も何度も振ってしまうのです
で、今回も…とにかく馴らしまくりました。息が上がるくらい一生懸命乗ったので写真はありません。(ごめんなさい)


このとき乗ったのは「バーズ」号。吉永小百合さんが映画「北の零年」で乗っていた馬です。ちょっと小柄でキビキビ走ってくれるのをいいことに何十周したかわかりません。最後は馬体から湯気がボワ~っとあがり、汗かいたのは馬が先か人間が先か、みたいな状態になりました。そして小休止をはさんで、屋外へ。バーズは仕事終了。ありがとう。


乗る前

こんな調子だから、真冬でも僕は長袖Tシャツに薄めのブルゾンだけで乗ります。気温はもちろん、冷たい風を切って走ればかなり寒いはずなのに、悲しいかな僕の実力では、それを感じられないくらい余計な場所に力を入れ、緊張しているのです。ヘルメットかぶりましたが、その道のプロっぽく見えるでしょうか?

いざ!と気合を入れる僕を馬たちも応援…してるのかな。


馬房 コース

ここが、今日挑むコースです。ホースパークに隣接していますが、普段は入れないし乗れません。ノーザンファーム空港牧場、直線コース。サラブレッド育成専用です。全長は1000メートル以上。ご覧のように雪が積もっていますが…。
競馬の開催は雪が積もると中止になります。それは脚(ひづめ)の裏の中心部分、へこんでいる部分があります。人間で言う土踏まずってところでしょうか。ここに雪が詰まり、氷状に固まってしまうと滑りやすくなる=転んじゃうから。一方このコースは朝方積もった新雪が、低い気温のおかげでやわらかくサラサラのまま。何より競走よりスピードを出さないから危なくない。万一落馬しても雪がいいクッションの役目。だから乗れるのです。
一応滑らなくするため後肢の蹄鉄は着けていませんでした←マニア向け情報ね。


さて今回は変則3頭立て。牧場に就職したばかりの新人社員の研修に混ぜてもらいました。
まず一頭駆け出すと、数十メートルの間隔で2頭目、3頭目と発進していくのです。僕はしんがり。彼ら金の卵の前をフラフラ走ったら迷惑ですから…。
本日2頭目になる僕の騎乗馬は脚の故障でデビューできなかった若い牝馬。本格的なトレーニングに至らなかった分、全力疾走はしない、ということでパートナーに選ばれたのです。


しかし!これが馬の習性、そして競馬がなぜ存在するかの答えがありました。
何かというと、先に走り出した2頭に追いつきたくて暴れようとするのです。こちらは車間距離ならぬ馬間距離を保ちたいのですが、他の馬に近づきたい。で、近づくと並びたがり、並ぶと今度は抜きたがるという気持ち、どんなサラブレッドにもあるんですね。一種の闘争本能。もっともこれがないと競馬なんて成り立たたないのですが。
何とかなだめて間隔をあけ、いよいよスタート。果たして真っ直ぐ走ってくれるのか…後ろで我が乗馬の師匠たちが「行けーっ」と促します。前回のようにダッシュしたらどうするの。こっちでアクセル踏むからそれ以上叫ばないで…。
その結果は。


雪のおかげでした。雪の中をサクッっとかき分け進んで行けば、やっぱりスピードも出ません。徐々にスピードは上がりましたが、今日のところは「18-18」。200メートルを18秒のペースでした。前回が「13」あるいは「15」だったことを考えると遅めですが、それでも耳には風の音がビュービュー入ってきます。だけど、先に走った馬が止まり、引き返そうとこちらを向いたのが見えたら、僕のパートナーはあっさり減速。仲間に近づけたら満足しちゃったみたい。こちらも向きを替えてスタート地点まで歩いて戻りました。


福原アナ



でも、緩いスピードだろうが、お馬さんが勝手に減速してようが第2回直線コース乗馬成功!に変わりありません。帰りはめったにしない自分撮り


馬上





これでは馬が見えてないと、今度は馬を撮り


馬上 馬上

両耳が揃っていません。聴覚=注意をいろいろな方に向けているからなのです。
ですから背中からの携帯電話のシャッター音にもピクッとしましたし、風が吹いて木々がざわめいた瞬間なんて、いきなり飛びのいたりしました。携帯はおろか、自分が落ちそうになります。
でも落ちなかったんだよね~。落馬せずに無事終了の喜びに満ちた写真。え?さっき見た?もう一度見せます。


完了

この感じで行くと、目指すものとしては「口笛を吹きながら速く乗る」とか「他の馬と並んで走る」「ムチを入れながら走る」などが考えられます。今年はそれができるくらい上達するのか?とにかく自分のセンスを信じ、乗馬体験を積むのみ!行けない日々はイメージトレーニングでスクワット…これも一種の素振りでしょうか。
うん、乗馬@北海道も好きだけど乗馬の素振り@東京も、大好き。