アナマガ

どちらかというと シッカリ書きたい人のためのコーナー 10年以上の渡り、続いてきたアナルームニュースの中で 好例の連載企画を「コラム」という形で集めました。 個性あふれるラインアップ!ブログとはひと味違う魅力をお楽しみください!
アナルームニュース 2007年04月17日号

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先月ですが、北海道で馬に乗りました。
北海道に行くたびに乗ってます。
今回は、これまでと全く違う乗馬を経験!そのお話。
…だから一回目は、馬だけ、です。
乗馬ではゆっくり歩くことを「並足」ちょっと走り気味なところで「早足」、タララン、タララン…という三拍子リズムに変化しての走りを「駆け足」スピードも上がっていきます。
じゃあ競馬で走る馬はどれなのか?どれでもありません。もっと速い「ギャロップ」=週刊、じゃなっくって「襲歩(しゅうほ)」といって全力疾走の世界に近づきます。時速60キロに達するのがここ。4本の脚すべてが空中にある状態も生み出すわけです。
僕の乗馬歴ですが、2000年から翌年にかけて100鞍(くら=乗馬はこう数えます)ほど都内の乗馬学校で集中的にやりました。ニューヨーク赴任中は残念ながらゼロ、帰国後また、北海道で教わり始めました。北海道ですから年に数回という程度ですが、それはそれは真剣に、かつ貪欲にやってます。会社での自分とは全く違った印象かも!?
でも意欲と実力は残念ながら別。スピードを上げても駆け足がせいぜい、翌日からは筋肉痛に悩むのが常でした。
しかーし!今回、その段階が(偶然にも)一気にジャンプアップしたのです。場所は北海道千歳市・社台ファーム。過去そして現在もあまたの名馬を生産・育成している日本有数の大牧場です。

これが僕の“牧場ルック”。朝露にぬれても馬フンを踏んでも気にならない!丸洗い可能なゴム長靴です。
ここに一頭の「せん馬」(去勢された『元』オス)が新人スタッフの研修用として現役引退後も残っています。名前はアグネスデキシイ。10歳。8年前のデビュー直前にここで見たことがあり、当時から相当な器だと聞かされていた馬でした。その通り、デビュー戦は岡部騎手が乗り完勝、2戦目も圧勝で大舞台も見えてきたのですが蹄の病気で長期離脱、2年後に復帰したものの若き日の走りは蘇らず引退したのでした。牧場のみなさんは、僕が別の場所で馬に乗っているのは知っていて、「じゃあ明日デキシイでやってみますか??」と、夜の千歳市内で話はアルコールとともにトントン拍子で進んだのです。
明朝。僕も乗れるなら乗りたいと思うタチですから、乗馬パンツに長靴(ながぐつ、じゃなくって『ちょうか』これも乗馬用語なんです)履いて出かけました。

全然コミュニケーション取れてない・・・
しかし大きな不安がひとつ。普段教わっているのは、屋内馬場が主なのです。馬って、広い場所に出ると嬉しくなって、いや本能にスイッチがはいって暴走すると聞いたことがありました。ここにはコジンマリ走れる場所なんてないのです。まさか彼は…。
もちろん周囲もそんなこと先刻承知、厩舎から出てきた彼、ベテランスタッフを背に周回馬場を何周も走らされてます。鞍上から「大丈夫、今ガス抜きしてるんで」。やっぱり…。
そして新品のヘルメットと手袋を借りてまたがってみました。(ちゃんと騎手みたいにヒョイって乗りましたよ。)
まずはその周回馬場で軽く早足。彼、素人が来たかと察した様子、激しく首を上下しています。僕も暴走を心配して手綱をかなり引っ張ってますから、アクセルとブレーキ両方踏んでる感じですな。

時速50km/h??
そしていよいよ、本日のメイントラック=坂路馬場へ移動します。彼のテンション、更にのびのび走れるコースが近づいてきたことを感知したのか、もっと高くなってきました。坂路はおよそ800メートル。入り口の手前で声がかかりました。「真ん中過ぎると小屋が見えてきますから、その手前でブレーキかけ始めてくださいね」イコール(止まらないかもしれないよん)怖っ。「スタートで‘尻っぱね’をする癖がありますから」イコール(出だしで落ちる可能性も十分あるよん)チョー怖っ。そして…
「うわーー」マジ叫びました。さっきまでは何とか抑えられた彼が、まさに豹変。首をグッと下げると一気に頂上に向かってダッシュを始めました。
過去、こんなスピードで走ったことはないんです。

ホントはもう一頭の馬とゆっくり駆け上がるつもりが・・・今朝、こんなスピードで走るつもりでもなかったんです。

予期せぬぶっちぎり。

解放感? 達成感? 馬はムッとしてますが。
僕の身体は明らかに後ろに置かれ気味になっていたはずですが、幸い彼は‘尻っぱね=後ろ脚を跳ね上げる動作’をせず、しかもまっすぐ走り出したので何とかついて行けました。スピード感は言うに及ばず。耳には風の音がビューッ、ゴオオーッと入ってきます。自分はどんなカッコで乗っているのかわからない。最後まで落ちないためにはどうすればいいかもわからない。そして左前方に小屋がグングン近づいてきました。
コブシ上げ!
そして強すぎるくらいの力で引っ張る!!
さらにホォーーーーーーッと止める合図(のような叫び)!!!
…止まりました。きっちり頂上で止まりました。
怖かったです。でも嬉しかったのです。

馬をおりても、この日はしばらくこんな顔をしていました。
以前馬乗りの友人に「15‐15からは世界が変わるよ」と言われたことがありました。日本語に訳すと(あ、もう日本語か)「200メートルを15秒のペースで走ってみれば、それ以下のペースとは全く違うことに気づくよ」ということなのです。それを感じました。見ていた牧場スタッフに聞くと、200メートル13秒台もあったように見えた、とのこと。速い、速すぎる。
耳にもこんなに風の音が入るんだ。これが競馬ならもっと速く、ムチを入れたりコース取りを考えたり…馬に乗るってスゴイ。改めて感動々々。
ちなみにその日の午後、今度はいつも教わっている苫小牧市「ノーザンホースパーク」でも乗りました。で、翌日はやはり筋肉痛に…。
こんな乗馬歴ですが、さらに上をめざします。だって
BSフジ「ポンキッキ」でガチャピンの流鏑馬(やぶさめ)を目撃!
4月2日「めざましテレビ」で『レース直後自らも馬に乗って‘勝利直後騎手インタビュー’をやってみたい』と公言!
ガチャピンに負けてたまるか!
落馬だけ気をつけてがんばります。
ノーザンホースパークならびに社台ファームの皆さん、今後ともよろしくご指導ください!
(そのほかにも教えてくれる方、お待ちしています。)
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