たけし×星野×松尾がここでしか聞けない貴重&爆笑トークを展開‼③
9/3放送『ボクらの時代』<再録(抜粋)③>
松尾のおやじさんは「焼き鳥をタテから飲んじゃう人」
トークの最後は、プライベートについて。それぞれの子供時代のエピソードからご自身のお子さんの話など、めったに聞けない(?)貴重なトークに花が咲きます。
<再録(抜粋)③>
松尾「星野さんの子供時代はどうだったんですか。大きかったでしょ、体が」
星野「うん、大きかったけども、俺は生まれたときから、おやじがいなかったから」
松尾「ああ、そうですか」
星野「おふくろが妊娠8か月のときに、おやじが病気で死んじゃったもんだから。あのころは、片親って多少差別されるようなところがあったよね。だからそこで、『おふくろを悲しませちゃいけない』っていう。そればっかりだったな」
松尾「ああ、そうか。そうやって育ったんですか」
星野「姉さんがふたりいたから、甘えん坊だったけどね。で、よくおふくろが警察に呼ばれて。ケンカしちゃあ、俺のかわりに警察に呼ばれてた」
松尾「そのへんは、やっぱり似てますよね。運動選手でね、やっぱり頑張った人はね」
星野「俺、子供のころ、天才だと思ったよ。小学校のころ。野球に関しては。で、高校行くだろ。またすげえボール投げる人がいるから、『うわぁ、すげえ。やっぱり上には上がいるな』と。それでなんか成長していった感じがするな。雄治みたいに最初から天才じゃなかったから」
松尾「いや全然。俺は、ともかくもうラグビーだけだから。あと何にもやんないんですよ。本当にね、おやじがヘンなおやじなんだもん」
星野「いや、知ってるよ、おやじ(笑)」
松尾「『鉛筆持って勉強なんかしたら、ぶっ殺すぞ』って言われちゃうんだもん」
たけし「おやじさん、焼き鳥をタテに飲んじゃう人だろ。で、のど突いたって言うの(笑)。あと、ワンストップという犬が『ワン』と言うとビーって鳴るグッズを買ってきたら、おやじがすごい怒って『犬の気持ちになってみろ、バカヤロー』って。で、『人間が付けなくてどうするんだ。俺が調べてやる』ってパンツ一丁になって、よつんばいになってワンストップつけて、『ワン』と言ったらビーってなったら、『ギャーッ』っつって、救急車で運ばれちゃた」
星野「あのおやじだろ?」
松尾「そういうおやじなの。『いいんだよ、勉強はしなくていいんだ。頭の中なんか、空のまま大人になってみろ』ってね」
星野「お母さんは?」
松尾「もっとバカだもん。だから『ふたりバカなのに、頭のいい子が生まれるわけない』っていうのが、うちのおやじの素晴らしい哲学ですよ」
たけし「哲学じゃないよ!」
たけしの兄の“父親ひき逃げ事件”
松尾「(たけしに)先輩はすごい勉強ばっかりさせられたんでしょう?」
たけし「うちは母ちゃんがね、とにかく『野球とかそういう時間があったら勉強しろ』って言うから、グローブを部屋に持ってこられなくて新聞紙に包んで、いちょうの木の下に隠すんだよ。それで誰もいないときに出して野球やりに行っちゃうんだけど。また今日も行こうと思って、そしたら、そこに参考書が入ってるんだよ(笑)。弱ったなぁ、と思って。おふくろ、もう見抜いてるんだよ」
松尾「やっぱり教育熱心だったんですね、お母さんが」
たけし「で、父ちゃんは父ちゃんで酒ばっかり飲んでるから、職人の寄り合いで熱海に行くのに、熱海発の新幹線が12時半ころなんだよ。もう朝の6時から行ってんだもん、東京駅に。それで一升瓶で飲んでて、気づいたら夕方なんだもん(笑)。新幹線乗らずに、ただ酒飲んで帰ってきただけなんだから」
星野・松尾「あはははは」
たけし「で、兄貴がね」
松尾「兄貴も勉強できますもんね」
たけし「機械が大好きだから、自動車を友達から借りてブーッって夜中に帰ってきたんだよ。そしたら真っ青な顔してて。雨降ってる日で。『どうしたの?』って聞いたら、『人はねた』って言う。『たけし、ちょっとぞうきん持ってこい』って言って、ぶつけたあとを適当に『塗っちゃえ、ペンキがあるから』 と言って青く塗っちゃって。『絶対言うんじゃねえぞ、警察来ても』って黙ってたら、おやじが鼻血出して曲がった自転車かついで『俺を轢いて逃げたやつがいる』って帰ってきて」
星野・松尾「うわははは~」
たけし「で、おやじが帰ってきて、『おい警察呼べ』って言って。おれら3人で黙って(下向いて)。おやじ、ボロボロになって『俺を轢いたやつがいる』って。ほんとにもう笑ったね」
星野、「思い出ばっかり語って生きているんだよ」
松尾「星野先輩は、お子さんは?」
星野「娘ふたり」
松尾「どんなふうな育て方なんですか?」
星野「俺、育てた覚えないんだよね。作った覚えはあるけど(笑)。もうね、それこそ野球ばっかりやってたから、家庭なんて振り向いたことない。もう全部女房にまかせっきり」
たけし「よく考えりゃ、ここは振り向いたことないやつばっかりじゃない」
松尾「そうなんですよ。(たけしに)先輩はどうなんですか、子供は?」
たけし「俺、全然」
松尾「仲いいじゃないですか、娘さんと」
たけし「俺の親と子供のとき考えりゃ、幸せだろうと思ってるよ。お金に苦労なんかしたことねえし。で、感謝もしてねえから、そのうち苦労すんぞって思って。やっぱり与えられたものはよくないよな。自分で勝ち取らないと。ありがたみもわかんないし」
松尾「そういうふうに思ってて、どういうふうに教育するんですか。『お前ら、ふざけんじゃないぞ』って?」
たけし「だから、俺みたいにならなきゃいいなっていう。反面教師だから。『あの人はろくでもないんだ』っていう。『あきらめろって。芸人の家庭に生まれたんだから。やる気になったらやれ』っていうだけだよ」
松尾「でも、それを理解されちゃうのも寂しいね」
たけし「まあグレてねえから良かったと思うよ。警察沙汰になったことなんか、一回もないんで。おとなしいから」
松尾「うちもだ。おとなしいんです。」
星野「いくつになった?」
松尾「上が37、もう38です」
星野「じゃあもう孫もいるわけだ」
松尾「います。一番上には。僕はもう、子供には自分の苦労っていうか、この苦しさっていうか、ラグビーのね。この体でラグビーやってたときの。子供には、もう絶対できないっていうのが僕の気持ちでしたからね」
たけし「今日久々に会ったけど、体、意外に小せえなって思ったな。前はでけえって思ったけど」
松尾「僕はもともと小さいですもん。態度がでかかっただけです(笑)。いや、それも最近、反省してるんですけどね。(天狗のポーズをして)昔はこうだから」
星野「いや、それでいいのよ。そういう時期があっていいのよ、みんな」
松尾「今はもうすっかり、まん丸くなりまして」
星野「みんなそうだよ。もう思い出ばっかり語って生きてるんだよ、今はもうこの人生」
松尾「そうですね」
星野「明治に来たから今があると思うもん。あのままほかの学校なんか行ったら、今があるかどうかわからない。今があるっていうのは明治大学のおかげだというのは、俺はものすごく持ってるよ。俺の電話の着信、まだ校歌だよ。『白雲なびく~』だよ」
松尾「へえ、やっぱり違うんだな」
星野「違う? 何が違うんだよ」
松尾「やっぱり、一流のおふたりは。(急に話を変えて)あの、僕はお店やってるんでね、西麻布で」
星野「知ってます!」
たけし「なんでお店の宣伝してんだよ、ここで」
松尾「高級会員制クラブなんですけどね。先輩入れますよ。先輩も、先輩も」
星野「高級じゃないけど、入れてくれる?」
松尾「しようがないけど(笑)」
未公開映像を含めた特別番組の放送決定!
9月8日(金)深夜27時10分~27時40分に、未公開映像を含めた特別番組の放送が決定! こちらにもご注目ください!
※この記事は、9月10日までの限定公開になります。
番組情報
ボクらの時代
<放送>
9月3日(日)7時~7時30分
<出演>
ビートたけし、星野仙一、松尾雄治