アニメ『サザエさん』の世界を満喫できるカフェに行ってきた
ファンとの絆を結ぶ“Lien de SAZAESAN”
サザエさんの聖地・桜新町に、『サザエさん』のカフェがあるのをご存じですか?サザエファンが日本中、いや世界からも集まるというカフェ「Lien de SAZAESAN」に行ってきました!
思わずSNSに投稿したくなるかわいさの“サザエさん焼き”
東京都世田谷区の桜新町は、『サザエさん』の作者・長谷川町子さんが住んでいた街。Lien de SAZAESANは、東急田園都市線桜新町駅から徒歩5分ほどの場所に位置しています。店名の“ Lien”はフランス語で絆の意味。この場所が人と人の絆を結ぶ場所になってほしいという願いが込められています。
白と茶を基調とした店内は、広々として、ナチュラルで落ち着いた雰囲気。BGMは、クラシック調にアレンジされたエンディングテーマ「サザエさん一家」♪さっそく鼻歌交じりで注文します!店長の小松さん、オススメは?
「定番は“サザエさん焼き”“パンケーキ×パンケーキ”“アートカフェラテ”の3品。なかでも“サザエさん焼き”は、多いときで1日に1200個売れる人気商品。普段は大判焼きの生地ですが、夏場は限定で冷やしてもおいしい生地に替わります」
アニメと同じ3人(2人+1匹)の顔は、思わずSNS用の写真を撮りたくなるかわいさ!大判焼きの生地はもっちりとしてほんのり甘く、どれも中身がぎっしりで食べごたえ十分です。珍しいもんじゃ(チーズ)味はキャベツも入ったおかず系で、近くの高校生、大学生が学校帰りによく買っていくそう。
店内で使われているサザエさんシルエットのお盆は、もちろん特注で作られたもの。実は鎌倉大工で職人さんが1つ1つ手作りしており、1つ数万円もするのだとか…。
海外のサザエファンがメモを取った店内VTRとは?
Lien de SAZAESANには、サザエさんファンなら見逃せないポイントがいっぱい。まず店内左奥の壁面には、アニメサザエさんの45年の歴史が展示されています。大阪万博へ出かけたり、お隣さんの引っ越しがあったりと、熟読したくなるエピソードが満載。
店内の床には、タマが遊びに来た形跡も。どうやら、2階のベランダからやってきたようです。その足跡をたどると、心憎い演出を発見!
また、店内奥のテレビに流れるのは、今までに放送された全国の名所をめぐるオープニング映像の数々。現在『サザエさん』は再放送をしていないため、この映像はLien de SAZAESANでのみ観られるものなんです。
「海外から来たサザエさんファンの中には、これを見ながら延々メモを取っていた人もいるんですよ」(小松さん)
仕掛け人に直撃!「あえて原色のイメージを消したのは…」
思った以上にマニア心をくすぐるLien de SAZAESAN。ほかにも裏話があるのではないかと、仕掛け人であるフジテレビ・アニメ開発部部長の松崎容子さんを直撃しました。
「入り口の看板のサザエさん一家が、実際のエンディングと逆向きに進んでいるのは、マニアックなチェックポイントですね。彼らは、サザエさん通りをさらに進んだ場所にある長谷川町子美術館に向かって歩いているんです」
「また、壁面の木など店内の装飾の一部は、フジテレビの美術のデザイナーが手掛けています。タマの足跡も彼女が遊び心で加えたもの。入口上に飾ってある、長谷川町子さんの原画をもとにしたぬいぐるみの制作も、彼女によるものです」
まさに、フジテレビのスタッフだからこそ再現できたサザエさんらしさ…だったりして?
「そうかもしれませんね。そもそも、Lien de SAZAESANは本質的にはとても“サザエさんらしい”カフェなんですよ。アニメ作品の原色のイメージを消したのは、あえての選択。毎週のように通っても疲れない居心地のいい場所で、店内はお子様からお年寄りまで気軽に立ち寄れるバリアフリーな作り。食材にこだわるのも、お子様に安心して食べさせられるようにという思いによるものなんです」
店長の小松さんによれば、サザエさんカフェは、観光客やファンと同様に近隣の方々も集う場所なのだそう。幼稚園の帰りに必ず立ち寄る親子連れ、定期的にお茶会をしているおばさま方、毎日「今何時?」と声をかけていく小学生…。こうして人々の日常に溶け込む姿こそ、Lien de SAZAESANがサザエさんらしいゆえんなのかもしれません。
取材・文=有馬ゆえ
店舗情報
Lien de SAZAESAN リアン・ドゥ・サザエさん
住所:〒154-0015 東京都世田谷区桜新町1-8-9 Sakura House101
電話番号:03-5799-6781
営業時間:10:30~19:00(月曜定休)
番組情報
『サザエさん』
<放送日時>
毎週日曜18時30分~19時