CLAMP TALK Vol.45

NAKAI in talking with MASAYUKI SUZUKI.
- 中居:
- あの、子供の頃その、野球以外に鈴木さんにとってのス
ターっていました?
- 鈴木:
- 子供の頃?
- 中居:
- ええ、子供の頃のスター。
- 鈴木:
- そうだなぁ?
- 中居:
- それはもう、アニメでもいいですし、漫画の世界でもいい
ですし。
- 鈴木:
- いや、でもね、けっこうマセてたっていうかさ。私にあ
の、マイ・ソウル・お姉ちゃん・鈴木聖美っていうのがいまして。
- 中居:
- はい。
- 鈴木:
- で、そのお姉ちゃんの影響っていうのがすごく大きくて。
そのなに?まあ、リズム&ブルースとか、そういうものに傾倒してったっていう部分
がすごくあるのね。で、その中でやっぱり小学校の5〜6年ぐらいからブラック
ミュージシャンというかね、テンプテーションズとかジェイムズ・ブラウンとか
マーヴィン・ゲイという。そういうヴォーカリストたちっていうものに対する憧
れっていうのは、当時はドーナツ盤ていうシングル盤とかね、レコードを聴きなが
らジャケットを見て、そのステップ踏んでいる姿とか、写真に写ってるのがカッコ
いいなぁっていうのがすごくあって。
- 中居:
- え?それはちなみにいつ?小学校?
- 鈴木:
- 小学校5〜6年かな?
- 中居:
- 早いですね。
- 鈴木:
- うん、だからけっこう早かったよ。
- 中居:
- マセてたんでしょうね。
- 鈴木:
- うん。だから、持ち回りの、あの遠足のバスの中の持ち回
りのマイクで、みんなが歌う時なんかでもね、けっこうなに?デタラメの英語でテン
プスの曲を歌って、「マイ・ガール」を歌ってみたりとか。そういうふうに、なん
か憧れっていう部分では、やっぱりそういうブラックミュージシャンてすごいあっ
たよ、小学校ぐらいから。だから、中学に行って、なんか自分で今度は聴くだけ
じゃなくて、奏でるというか。例えば、友達の兄貴がギターを弾けてて、その友達
の兄貴にギターを習ったりとかね。そういう形で、今度自分でいわゆる何だろう?弾
き語りをして楽しむっていうことを覚えたりとか。だから、けっこうでも、その後
ろにはさ、必ずやっぱり女の子の存在ってのはあったよね。
- 中居:
- やっぱそうなんですかね。いろんな人、必ずやっぱり男性
は女性、女性は男性って、異性を意識するじゃないですけども、そういうところで
音楽入る方ってやっぱりいらっしゃるみたいですね。
- 鈴木:
- っていうか、まあ、全員とは言わないかもしれないけど、
私の場合はそれが全てでしたね。いかに振り向かせるかとか、気を引くかとか。
- 中居:
- え?じゃあ、その、自分の気になる女性であったり、好き
な女性をなんか目がけての歌っていう。
- 鈴木:
- そうそう、そう。
- 中居:
- へぇー。
- 鈴木:
- だから、オリジナルで作ったりとかね、その当時から。
- 中居:
- え?じゃあ、その歌をプレゼントするっていう経験とかも
ありますか?
- 鈴木:
- うん、プレゼントするというとこまでは、恥ずかしくてで
きないというかね。俺、けっこう恥ずかしがり屋だったんだよね。
- 中居:
- ええ?
- 鈴木:
- あの、信じてもらえないんだけど、なかなか。
- 中居:
- 考えられないです。
- 鈴木:
- うん、だから、いわゆるシャイっていうんですか?
- 中居:
- あ、そうですか?小さい頃から今も?
- 鈴木:
- いや、今もすごいなんかだから、緊張するしね。ステージ
に上がる前とか。
- 中居:
- え?今もやっぱりライヴなんかでも緊張したりします?
- 鈴木:
- すごい緊張するね。で、その緊張感ていうのを自分の中で
いろいろ気分が高揚したりして、で、それがステージに行くまでのなんか、自分で
どう高めていかれるかとかっていうふうに持っていったりとかさ。そういうことっ
ていうのは、すごく大切にしていて。だから、なに?ステージ始まる寸前、もう本当
なに?5分ぐらい前までは、例えばワーワー騒いでてさ、「じゃあ、行こうか」って
いうのは、絶対できないタイプなんだよ。もう自分の世界に入って、例えば自分の
好きなミュージシャンの音楽とかをさ、CDとか音楽を流して、なんか自分の中に取
り入れたりとかして気分を高めないと、ステージに行けないっていう。
- 中居:
- へぇー。
- 鈴木:
- それくらいにだから、逆にそれを、緊張してる部分をみん
なでワーワーして紛らわすっていうことは、逆に嫌いだったりとかして。
- 中居:
- 逃げるのが嫌いなのかも知れないですね。
- 鈴木:
- うん。それもあるかもしれないな。で、あの、元々がシャ
ネルズ、ラッツ&スターという自分のパーマネントなグループで、もちろんリー
ダーでもあって。そうすると、その時っていうのは例えば、その楽屋の中に田代ま
さしがいたりとかっていう、みんなと多少き和気藹々としてる部分はあったわけだ
よね。だけど、それがやっぱりソロになった時に、とってもその、自分の中で、楽
屋にいる時に「あ、俺、一人なんだ」っていうのを初めて感じたのは、ステージ
じゃなくて楽屋だったよね、やっぱり。だから、その楽屋でなんか自分の中で。み
んながいた時っていうのはさ、なんか何も恐くないようなところがあったんだけ
ど。
- 中居:
- あ、やっぱそういうもんですよね、グループでいる時っ
て。
- 鈴木:
- うん。だけど、なんか自分一人のステージを上がる、とに
かく一番最初のステージなんか特にそうだったかな。
- 中居:
- え?どんな感じなの?僕、考えつかない、想像つかないんで
すけど。
- 鈴木:
- うーん?いや、やっぱ不安ばっかりだよ。
- 中居:
- やっぱ不安、感じました?
- 鈴木:
- うん。不安が一番多かったかな。
- 中居:
- やっぱり一人に任せられる責任もそうですし、全部やっぱ
り一人に返ってきちゃうわけですよね、何事も。一人に、ソロになりますと。
- 鈴木:
- でね、あの、何つうのかな?俺、自分がリーダーである前
にリードヴォーカリストだっていうふうに思える瞬間て、多分、シャネルズとか
ラッツをやってる時っていうのは、あんまりなかったかもしれない。リーダーって
いう気持ちのほうが強かったんだと思うんだよね。だから、一人のヴォーカリスト
としてステージを踏まなければいけないっていうような状況を持ってった時に、初
めてなんか、自分自身ていうことを感じ始めて。今までは例えばさ、あの、リー
ダーである前にリードヴォーカルっていう気持ちだったら、歌ってればいいだけ
だったりするわけじゃん。だけど、その部分ていうのを、ちょっとだけ後ろから見
てる自分がいて。もっと全体的に、シャネルズとかそういうグループを見てる自分
がいて。そこで何か作り上げていくっていうことのほうに神経がいってるから、緊
張しなかったんだよ、逆にきっと。で、みんなと一緒に楽しんでるっていう部分が
あったから。でも、今度、一人になった瞬間に、なんか自分しかいないわけじゃ
ん。だから、きっと例えば俺がコーラスを担当しているメンバーだったとしたら、
「もし、自分のステージだったら、こういうことをしていきたい」とかって、いろ
いろな気持ちを模索できたんだろうけど。あの、リーダーであって、リードヴォー
カルだったもんだから、自分が歌ってるわけじゃない。だから、今度、ステージを
ソロでやる時っていうのは、「いかに、どういうステージにしたら、自分の本来の
ステージなんだろう」と、最初つかめない自分がいるわけじゃん。
- 中居:
- ああ、わかります、それは。グループの時、まあ、シャネ
ルズ、ラッツ&スターの時は多分、グループを客観的に見ることが出来たと思うん
ですよ。
- 鈴木:
- うん、そうだね。
- 中居:
- で、一人になった時に、一歩引いて冷静な自分を見ること
ができないんですよね。もう一人が確立しなかったんじゃないですかね、じゃあ。
- 鈴木:
- うん、そうだね。それ、すごくあるかもしれない。
- 中居:
- 恐いですね、それ。
- 鈴木:
- だからね、あの、多分さ、SMAPってきっとあの、グループ
でデビューしてという形の前に、一人一人が、メンバー一人一人がやっぱりソロと
しての目標みたいな部分て、すごくあったと思うんだよ。一番最初だよ。デビュー
する前とかって。で、そんな中でやっぱりグループとしての成り立ちがあって、
そっからデビューして、またソロとしての部分も確立して、とかさ。だから、俺た
ちの場合ってのは、例えば小学校ぐらいからみんな幼馴染みだったりすると、グ
ループでいることが自然で、デビューすることも自然で、何もかもがグループだっ
たんだよね。きっと、一人っていうことはあり得なかったんだよ。
- 中居:
- 考えつかなかったんでしょうね。その当時でいきますと。
- 鈴木:
- うん。そうそう、そうそう。でもね、あの、ちょうどデ
ビューするちょっと前に、田代と二人で自分のレコード会社のね、スタッフという
か、の人たちに、デビューする前にだよ、でも「おまえたちは、いつかはグループ
を解散するかどうかはわからないけど、ソロでやっていくことだってあり得るわけ
じゃん」っていう話が出た時に、「何言ってんだよ?」と思ってたわけ。だって、ま
だデビューする一年ぐらい前だよ。
- 中居:
- これからっていう時ですよね。
- 鈴木:
- で、「そういうところまで、自分たちって考えてる」って
いうような言い方された時に、これからデビューしてどうなるかわからないわけだ
し、でも、デビューしてプロとしての道を選ぼうとしている自分たちが、ね、別れ
て仕事をするなんて絶対あり得るわけないし、「なんでこんなことを聞くんだろう
な?」って、その頃わからなかったりとかね、してたんだけど。あの、ちょうどシャ
ネルズでデビューして、ラッツ&スターという形になって、6年目にソロ活動ってみ
んな始めてったんだよね。で、その時にさ、とってもデビュー当時っていうのは、
自分たちでやけに、例えばデビューの写真とか見ると、やけに親父っぽい感じと
か。あの、背伸びしてんだよ、なんか。で、多分ね、あの、中居君なんかと同い年
ぐらいだったんじゃないかと思うんだけど、俺たち22とか3ぐらいでしょ、俺たちも
デビューしたの。
- 中居:
- ああ、そうですね。僕、もう24ですから。
- 鈴木:
- だけど、その当時の写真とか見ると、えらい親父臭いわ
け。で、すごい、なんでこんなに背伸びしてるのかな?って思って。どこを見て、こ
んだけ背伸びしてるんだろう?と思ったら、今の自分たちを目標にしてたような気が
すごくするんだよ。
- 中居:
- 今っていうのは、今、現在の?
- 鈴木:
- 現在の自分たちを見てたんじゃないかなって。その、そこ
で背伸びしてたっていうのは、そういうことなんじゃないかなっていうさ。うん、
早く今の、だから、今の自分たちに。
- 中居:
- なりたかった?
- 鈴木:
- その当時なりたかったんじゃないかな。そう考えてみる
と、ソロ活動してることっていうのは、そのスタッフに言われた言葉っていうの
は、すごい自然だったりしてて。で、グループとしてずっとやってて、きっとみん
なメンバー一人一人が、だんだんリーダーという名の下に集まっている中で、やっ
ぱりどっかでおんぶにだっこの部分もでてくれば、とかいろいろ考えるわけだよ
ね。で、そんな中で個人個人になった瞬間に、みんな初めて「自分ていうのは一人
なんだ」ってのがわかって。そっから、でも逆に俺だったら音楽を作る楽しさと
か、まあ、辛さも含めてね。そういうことを自分の中で感じ始めることができて。
- 中居:
- それぞれ、やりたいことが出て来るってことですよね。
- 鈴木:
- うん。それをやっぱり、みんなソロ活動始めたことによっ
て、すごく改めてなんか、自分自身を見つめ直すことができたりとかさ、したりし
たから。
- 中居:
- へぇー。
- 鈴木:
- だから、すごくいい状況で音楽ってのがやれてる、まあ、
俺なんか特にね、やれてるってすごく思うし。
- 中居:
- それでね、再結成、再集結。え?今後また、ライヴは?
- 鈴木:
- 今はもう、ずっとソロ活動にまた。
- 中居:
- それがまた寂しいですね。
- 鈴木:
- かなぁ?
- 中居:
- え?気持ち良くありませんでした?ライヴ。
- 鈴木:
- 気持ち良かったよ。いや、久々に集まれたし、正直言って
やっぱり、ステージ終わって、ステージ降りて、また楽屋に向かう時にみんな涙流
すぐらいの「気持ちよかったな」っていう。
- 中居:
- それをなんで、またバラバラになっちゃうんでしょうか
ね?
- 鈴木:
- っていうかね、自分たちが自分たちの器の中でみんなが活
動していれば、それは全てラッツ&スターだっていう。だから、さっき後ろからつ
いてくって言ったように、それ、まさにそういうことなんだな。だから、そんな中
できっと「ラッツ&スターとして求められれば、私たちは、これからも何回も登場
しましょう」っていう気持ちはすごくあるわけだ。だけど、そこで自分たちが、ま
た、じゃあそこの器だけで「一生懸命頑張ります」って言うほど、みんなのほうが
パワーがもっと膨らんじゃってて。一人一人のカラーが出来上がってて。それをあ
る面で規制することが、もう出来ないところに。それはなぜかと言えば、ラッツと
して、シャネルズとしてデビューして6年目でソロ活動入って、ソロ活動がもう10年
でしょ。そうすると、グループよりもソロの活動のが長くなってるんだな。
- 中居:
- 長いですね。
- 鈴木:
- だけど、あの、パワーみたいなもの、それはやっと10年
経ってみた時に、何かシャネルズとかラッツの部分に、やっと追い付いてこれたか
なっていうくらいに、やっぱりグループの偉大さとか、大きさっていうのを、改め
て自分たち一人一人が感じとって。
- 中居:
- 実感するっていうことですよね。
- 鈴木:
- が、すごくあるよね。
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