CLAMP TALK : 甲斐よしひろ


TK in Talking with KAI.

甲斐:
よろしく,どうも。

TK:
よろしくお願いします.一回だけ….

甲斐:
そうそう,なんだっけかな? 

TK:
こちらのスタッフプロデューサーのきくち君の結婚式 で.二次会ですけども.

甲斐:
二次会ですね.

TK:
はい,お会いできたんですけども.

甲斐:
すごいな,と思うんだけど,僕,ここ2年ぐらいっ で,2年間でベスト3を選ぶとしたら,あなたの作った曲が2曲ぐらい入るんで すよ.

TK:
あ,そうですか.

甲斐:
うん.で,特にその浜ちゃん作ってるヤツって,ア レ,作ってるヤツの声が聴こえるんだよね.最初ね,僕ね,混ぜてるのかな?  と思ったの.

TK:
あ,まあ,確かに多少は入ってます.

甲斐:
うん,多少はね.もちろんわかるんですけど.全編に ね,僕は最初.で,ずっと聴いてたらそうでもないから,それはやっぱり,みん な例えば小室君ていうと「曲」「曲」っていうじゃない.サウンドとかいうじゃ ない.でも,本当はそれだけじゃなくて,まあ当然なんだけど,俺は詞がね,メ チャクチャいいと思うんだよね.   

TK:
あ,そうですか.

甲斐:
うん.だって,詞が良くないとやっぱり,なんていう の? サウンドとグルーヴだけじゃ絶対に無理で.それはあの,俺も昔,なんか やっぱり戦略的なことを聞かれる時に,本当はすごくスプリングスティーンが好 きだったりしてるのに,「いやぁ,ストーンズがね」っていった方が,ずっとみ んなわかってくれる,とかっていうような,ものの言い方ってあるじゃない.そ ういうのは,よくしてましたけどね.だから実際はその芯食ってるとこと, ちょっと違う,若干ズレてるところで世間が受け止めてくれてて,楽だというと ころもあるし.まあ「本当はここもやってるんだけどね」っていいたいところも あるしっていうね.だから,あれはすごく僕なんかでも多分,ある種のその時代 をリードしていくスタイルっていうのは,その曲だろうとサウンドだろうとなん だろうと,声が聴こえてこないとね,なんかどっかで.地声というかね.そう じゃないとダメだと思うんですけどね.僕ただ,この番組すごく見てて,時々見 ててすごく面白いなと思ったのは,ここはアレですよね,なんかこう,業界戦略 裏つながり的なニュアンスじゃないよね,なんか.わりとみんな楽にアワアワ と.

TK:
ああ,そうですね.そうみたいですね.

甲斐:
そうですよね.わりとこういう感じだとさ,なんか裏 できくちが立ち回ってるとかさ,なんかそういう感じがしたりするじゃない.もち ろんその多少はあるんだろうけど,でもなんか,そういう感じじゃないよね,な んか.わりとみんな楽に.

TK:
そうですね.あの,それも話しにたまに出ることもあ るんですけども,まあ,ミュージシャンの顔としてここにいるから,まあ,それ なりに音楽の話しを普通にしてもいいや,という人もいらっしゃいますし.それ からまあ,なんていうんですかね? まあでも,大体そうですかね.一応,音楽 の話しから入り込んで,いくとこまでいけたらいっちゃおう,っていう人もいま すかね.それはね,僕,これだけ何十人も見てるんで,「あ,ここでやめといた 方が賢い」というふうにとる人もいるし.

甲斐:
僕,最初アレなんですよ,さっきいったみたいに ちょっと披露宴で会った時に,僕,娘から頼まれてて,サインをね.

TK:
書きましたっけ? 

甲斐:
そうそう,書いたんだよ.なんかね,みんなバァーッ て帰ったんだけど,なんとなくちょっと二人だけ残っちゃったんだよね.

TK:
ええ,そうですよね.僕もあの,なんとなくね, ちょっとだけお話ししたいなって思ってたんですよ.

甲斐:
で,俺はなんかさ「ええ! やっぱり歌うことになっ ちゃった」的なところになっちゃって,最後にね,「じゃあ」っていって,なん かそこらへんに置いてあった生ギター持って歌い始めたら,左利きだから,右用 のギターだったから,ボリュームを左手の肘がちょっと触って,ストロークして ると.で,なんかボリュームが下がっていったりして.

TK:
あ,思い出しました.なんか覚えてます.

甲斐:
左利きの悲しさっていうを,僕,あの時少し感じたん ですけど.

TK:
そうですか.いや,僕もね,PAの方にいって「ギ ター上げてよ」って言いにいきたかったぐらいですよ,その時.そういえば思い 出した.「甲斐さん,ほとんどア・カペラになってるよ」みたいな感じで.ずっ とそう思ってたんですけど.でも,それでも,こういう機会だから声だけ聴こう と思ってたんですよ,あの時.ア・カペラで声だけ.「ああ,やっぱり生でこう いう声なんだな」とか思って聴いてたんですけど.

甲斐:
「こんな声だ」って? 

TK:
一人でそうやって聴いてて.もっと言っちゃうと「別 にレコーディングでEQかけてないんだな」とかね.そこまで考えましたから.

甲斐:
なるほどね.

TK:
「けっこう生で録ってんだな」とかね.

甲斐:
それ,いいなぁ.

TK:
なんかね,僕が例えば,横にいてどうのこうのってい うのはわかんないんですけど,そういうのじゃないのかもしれないんですけど, サウンドかもわんらないですけど,なんか声を活かすサウンドアプローチはね, 僕,ちょっとどっかに自信持ってるんですよ.だから,もしも甲斐さんの方で余 裕があるか,なんか俺の音とかに「俺の声乗っけたら面白いかな」って思った ら,言ってくださいよ,それは.

甲斐:
歌詞書いてくれないかな? 

TK:
それは….歌詞はでも,甲斐さんけっこうアレじゃな いですか,ライフワークじゃないんですか? 

甲斐:
なんていうのかな? あの,さっきの浜ちゃんのね, HーJunglewith tのその3番の歌詞があるじゃない.なんだっけ?  「流れる景色を毎日必ず見てる」ってあるじゃない.俺,アレね,本当にここ 5年ぐらいで,あんなにジーンときたのないもんね.

TK:
そうですか.ありがとうございます.

甲斐:
要するにその「ウチに帰ったらあとは必ず寝るだけだ から」ってあるじゃない.アレはそのテメエと近いからということじゃなくて ね,この業界にいるからっていうんじゃなくて,その曲が始まって,一番,二番 があって,間奏がはさまって,あそこで出てくるっていうところとか.どういう サウンドで,どういうグルーヴであの歌詞がハマってるのかっていうことなんだ けど.そういうことでしか,もう感じられなくなってるじゃない,僕らって.

TK:
そうですね.

甲斐:
すんなりポンッて聴いて気持ちいいっていうのもある けども,「いやぁ,絶妙なタイミングだよな」っていう感じってあるじゃん. で,なんか俺ね,見ててすごくね,最初ね,『寒い夜だから』が好きだったわけ よ.で,俺「これ,絶対好きだろうな」と思ったの.書いた作者は.この曲,絶 対に好きなんだろうなって思ってたら,翌年もまたなんかプッシュしたじゃな い.

TK:
はい,はい.

甲斐:
シングルに.

TK:
ええ.

甲斐:
「ああ,やっぱりそうだよな」って思ったのね.アレ ね,作者がね,書いたヤツはすごく好きなタイプだと思うんだ.キャッチーだか らとかね,そういうことじゃ…でもあるんだけど,それじゃなく,一つのなんか 流々と流れる脈絡があるでしょ,アレ.一曲の中に.例えばパーツ,パーツでつ ないでいったっていう感じ? 

TK:
じゃないですね.

甲斐:
じゃないよね.すごいダサい言い方だけど,なんか, 青春賛歌してるじゃない,じつは.だけどアレをああいうリズムでやって乗っけ るから,すごく新しいグルーヴって感じがするけど,僕,すごくいいなと思った んです.でね,あの時にね,要するにその,みんな君の顔を見ててそう思っては ないんだけど,絶対,獣の勘がある,すごい獣の勘が強いタイプなんだろうなと 思ったの.そんなふうに言われます? 

TK:
いや,初めてですね. 

甲斐:
あの浜ちゃんに作ったヤツって,あれ基本的に拓郎 ディランパターンでしょ.コード進行.

TK:
はい,そうですね,まあ.

甲斐:
AmからCにいくような雰囲気ですよね.C→Am→ F,Cにいくパターンですよね,アレね.アレもいいと思ったんだよね.

TK:
だから,そこらへんはあの,きっと僕も好きだと思う んで,そこらへんずっと感じてたと思うんですけど.あの,ハマらないですよ ね.だから,もう本当ローコードで普通にコード弾いて,何かちょっとメロディ を口ずさんでも,甲斐さんの声で,あとラインでいっちゃうとズレて聴こえるっ ていうか.

甲斐:
そのズレとブレって気持ちいいよね.

TK:
いろいろ浮かびますね.浮かばない人もいます,たく さん.だけど,甲斐さんの場合はかなり.

甲斐:
じゃあ,よろこんでいいんですね.

TK:
…かどうかはちょっと,わかんないですけど.だか ら,これでまあ,もうすぐ今年も終わっちゃいますからね.あの,来年もちろ ん,ずっと僕,当然,今いっぱいきちゃって埋まってるんですけど,なんとかで すね,これはやりくりしてですね,一応なんか,お願いにいってみようかなと 思ってるんですよ.今日は宣言してますけど.

甲斐:
じゃあ,K2 ということで.

TK:
ちょっと考えてみたいと思ってます.

甲斐:
わかりました.いや,もう,真面目に考えます.

TK:
というような感じでいいですかね? なにかあります か?

甲斐:
時事放談のような終わりになってしまいましたけど.

TK:
大丈夫です.こういう回はね,まだないんですよ,一 回も.

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