6/11放送 脱力TOPICS

    DNNドキュメント
    コロナなんかに負けるか!53歳脱サラして世界へ挑戦!

  • 53歳 脱サラして一念発起
    夢を追いかけた184日に密着


    大都会 東京。今このコンクリートジャングルでおよそ806万人もの人が働いています。しかしコロナによる景気悪化によって希望退職を募集する企業が増加。ある調べでは早期退職の希望者の数は去年に比べ、すでに2倍も超えていると言われています。私たちがこれまで積み上げて来た常識や価値観が音を立てて崩れ、あらゆる事が変わったこの一年。
    今回の主人公もこんな時代の中、人生を見つめ直したひとりです。岡島信之さん53歳。
    コピー機などの機器をリースする会社に30年務めるごく普通のサラリーマンでしたが、このコロナ禍である決意をしたと言います。その胸の内を話してくれたのは去年の11月のことでした。
    心の奥底に沈み忘れかけていた大きな夢がこのコロナ禍ではからずも浮き彫りになったのです。
    半年に渡る岡島さんの密着が始まりました。

    2人の娘を持つ岡島さんは今年で結婚25年目。
    入社当時から付き合いのある上司にこれまでの仕事ぶりを聞いたみました。
    生真面目で同僚からの信頼も厚い岡島さん。
    夢を追うためとは言え、長年勤めてきた会社を辞めることに本当に後悔はないのでしょうか。
    仕事を投げ打ってでもやりたい事とは、一体なんなのでしょう。
    そしてこの決断が思いもよらぬ事態を巻き起こすことになるとは、この時 岡島さんも私たちも知る由もありませんでした。

    岡島さんと再び連絡が取れたのは2週間後のことでした。
    待ち合わせは都内の駐車場。
    そこには少しくたびれた様子の岡島さんの姿がありました。
    実は岡島さん、会社を辞めることを家族に打ち明けた際 夫婦喧嘩になってしまい、家を出て今は車中泊を余儀無くされていました。
    車の中で1人寂しく寝泊まりして、すでに2週間。
    これが53歳から夢を追う代償なのでしょうか。

    取材から2ヶ月。
    この日、岡島さんは都内の屋上公園にいました。
    奥さんとはまだ溝が出来たまま。車での生活はまだ続いていました。
    すると岡島さんは意外な夢を教えてくれました。
    ヨットでの太平洋横断。幼い頃描いた夢に挑む岡島さんの目は少年のように輝いて見えました。

    残り少ない会社員生活。唯一の楽しみは社食のラーメン。
    この何よりも大好きだった一杯をもうすぐ食べられなくなるのが唯一心残りでした。

    取材を始めてから4ヶ月。
    この日、岡島さんは喫茶店でひとりの女性と会っていました。
    その相手が誰なのかはすぐに分かりました。
    長年連れ添った妻と離婚をしてまで叶えたい夢、太平洋横断。
    私たちにはそれはあまりにも大きな代償に思えましたが、この日の帰り道 岡島さんは意外にも何か吹っ切れた様子でした。
    出発の日までもうすぐです。

    岡島さんを取材して半年。
    いよいよ夢にまで見た太平洋横断、出発まで2週間あまりです。
    岡島「1日に出発が出来なくなりました。ヨットも乗ってみたんですけども危なかったですね。会社を辞めることを辞めました。30年間 勤めた会社をそこで働き続ける事が自分の夢だなと思いました。」
    半年に及ぶ岡島の取材を打ち切りました。

    確かなものがなくなったこの時代に私たちはあえて問います。
    あなたの夢はなんですか?


※ この番組内で紹介した情報や意見は全力解説員の見解であり、諸説ある中の一説の場合があります ※
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